レビューメディア「ジグソー」

時代の変化を感じさせた名機

PC/AT互換機は基本的にバラック状態で使うだけだった私が、初めてケースを使って組み上げたPCで最初に使われたのがこの製品でした。

実は後継モデルのZXR128P系が出た後で、PCパーツショップのジャンクセールが開催されたときに、無料ジャンク箱の中にこの製品が箱入り・付属品ありで転がっていたので貰ってきたのです。もっとも、箱があったといっても崩壊寸前のボロボロでしたし、ボード本体もブラケットの歪みがひどくそのままでは組み付け出来ない状態であり、ジャンクといわれても納得出来るコンディションではありましたが。

もっとも家に戻りクリーニングして、ブラケットも歪みを修整してやったところ、動作自体は全く問題なく正常動作品であることが判りました。

当時PC-9800シリーズで動作する高速なビデオカードといえば、3DLabs PERMEDIA2を搭載する製品群でしたが、PC-9800シリーズ上で動かすPERMEDIA2よりも、PentiumIIと組み合わせたPWR128P/4VCの方が遙かに速かったのです。

PWR128P/4VCはNVIDIA RIVA128を搭載し、ビデオメモリは4MBのSGRAMでした。RIVA128自体がDirectXに対して極めて優れた対応度を誇っていたこと(もっともDirectX5までのサポートであり、今から見れば極めて貧弱な対応度です)に加え、当時速度性能の優秀さには定評があったCanopus製のオリジナルドライバーにより、ライバル製品と比べても頭一つ抜けた性能となっていました。

ちなみにRIVA128はコードネームを「NV3」といい、その名の通りNVIDIAの3番目の製品となります。初代NV1はDiamond Multimediaから「EDGE 3D」という商品名で発売されていましたので、記憶されている方もいらっしゃるでしょう。NV2はSEGA Dreamcast専用に開発されていましたが、結局製品に採用されたのはVideologicが開発したPowerVR Series2であり、NV2は製品としては登場していません。

なお、PWR128P/4VCという型番の「VC」という部分は、ビデオキャプチャー機能を備えていることを表しています。私自身はこの機能を使ったことはありませんが、ビデオ製品にも定評があったCanopusだけに、意外と使える機能であったようです。

当時それなりに高速と思っていたPERMEDIA2が、DirectXについては全く太刀打ち出来ないほどの性能を、一見貧弱なこの製品が叩き出したというのは、私にとっては大きな衝撃でした。この後3Dfx Voodoo Bansheeが発売されたことでPC-9800系も延命することが出来ましたが、そうでなければ私も早い段階でPC-9800系に見切りをつけていたのではないかと思います。当時のこの製品にはそれだけの衝撃を受けました。
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    0円

  • 購入日

    不明

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10人がこのレビューをCOOLしました!

コメント (4)

  • ふっけんさん

    2013/10/17

    私が始めて使ったAGPのカードもRIVA128ですね。Canopusではありませんが、後継のRIVA128ZX、TNT、TNT2と使っていました。

    Canopusってこれを出す前はS3系がメインだったと思います。使ったことはありませんけど。

    EDGE 3D懐かしい・・・ サターンのゲームを買った気分にはなれましたね(^^;
  • jive9821さん

    2013/10/17

    コメント有難うございます。

    PWR128P/4VCはCanopusにしては発色が変だな、とは思いましたが、速さでその違和感を押し切るだけのインパクトがあった製品でした。それ以降はNVIDIAの製品は画質の悪さでがっかりしてしばらく使いませんでしたが、PCI版がPC-9800系で動作したGeForce2 MXで、文句を言いつつも再び使うようになったというところです。

    CanopusはPC-9800のCバス用から随分長い付き合いでしたが、SPECTRAになってからはSPECTRA F11を少し使った程度でしょうか。今ではPCパーツとは縁もなくなってしまい、ブランド自体も変わってしまいましたが…。

    EDGE 3DはNV1を搭載した上位モデルを入手出来なかったのが心残りです。PC-9800用は相当のレアものだったので仕方は無いのですが。下位の方はまだ持っていますので、そのうち取り上げると思います。
  • はにゃさん

    2013/10/17

    私もこのカードを新品でもってました。
    NV3は3D描画において,S3 virge系と違い、実用的な速度でそれなりの表現ができていたところが画期的でしたね。

    ところで、ビデオキャプチャ機能ですが、カラーデコーダチップから得られたデータを無圧縮転送するだけでも、PCIバスであることと、当時のCPUのパワーでは MotionJPEGエンコードが限界でした。
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