過去に発売されたPCでいくつか衝撃を受けたものはあるが、その衝撃を受けたPCの一つ。
知人から里子に出されたものを譲り受け、目出たくオーナーとなった。
VAIO TypeP VGN-P91SはプロセッサにインテルAtom Z5x0(1.33~2GHz)を搭載し、Windows Vistaを纏って登場した小型フォームファクタのPCだ。
その登場は2009年6月であり、実に6年も前に登場した。
フルスペックのWindowsを搭載したPCでありながらファンレスによる静音性を持ち、小型の筐体に1600x900ピクセルという高解像度液晶を備え、当時はまだ登場間もないSSDをメインストレージとした画期的なPCだった。
普段TVをあまり熱心に見る事のない筆者も、女性モデルのジーパンの尻ポケットから筐体を取り出すしぐさを写したTVCMが印象に残っている。
登場から6年、その間パーソナルコンピューティングを取り巻く環境は劇的に進化し、携帯電話はガラケーからスマートフォンになり、持ち運ぶコンピューティングデバイスとして大型のものは8インチクラスのタブレット型端末がもてはやされる時代になった。
そしてVAIO TypePを生み出したSONYはVAIO事業を切り離してしまった。
今となっては非力で重たいWebページを開くにも一苦労する本機であるが、コミュニケーションの手段として完全に確立した感のあるTwitterやFacebook、メールのやりとり、テキストベースの文書作成などまだまだ担える作業は少なくない。
本機に装備されたキーボードはアイソレーションタイプのキーボードで、小さな筐体に許された限られたスペースでありながら適度なクリック感を保持している。
やや変則的なキー配列に慣れこそ必要であれ、タッチタイプも十分に可能なものとなっている。
今現在、このレビューも本機を使用して書いているが、過去にあこがれたマシンで何かしらの作業を行えるというのは何とも言えない満足感がある。
何よりこのクラスのPCは過去にも例が少ない。タブレット端末でもなく、スマートフォンでもない端末を今この時代に所有している(しかも現役で実働している)というのは何とも言い難い所有欲以上の感覚をもたらしてくれる。
先にも書いたが、VAIO事業をSONYが切り離し今のところこのクラスのPCを提案してくれるベンダーは無くなってしまったが、新生VAIOはタブレット型端末でプロクリエイティブユースに向けた製品を用意しているという。
こうした尖った製品の中からTypePの後継機が出てくる事を望みながら、今はこの懐かしくもあこがれた機体に、頭をひねりながらつきあっていきたいと思う。
やっぱりカッコイイ。
筐体の質感、スマートなデザインなど、今見ても現行のスタイリッシュな筐体を持つPCと遜色ないクオリティを保っている。
周りを見渡しても、同様のコンセプトを持ったPCは現在皆無といって良い。
所有する事による満足感はこのサイズ感を望む人にとって大きなものとなるだろう。
今となっては非力、用途は考える必要あり。
起動にかかる時間や、そもそものパワー不足など現行機と比べるのはナンセンス。
自分にあった用途を見つけ出して、つきあっていく必要がある。
マウスの左右ボタンに該当する部分だけ、そこだけがちょっと残念。
キーボードなどに比べてそこだけ固い感触。 それ以外は十二分に良い。
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購入金額
0円
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購入日
2014年12月09日
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購入場所
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