レビューメディア「ジグソー」

窓辺ななみ立体マウスパッドは自作できるのか?

立体マウスパッド…俗に言うおっぱいマウスパッド。キャラクターの胸の部分がパームレストとなり、何だかんだでいろんな種類が出てきているアイテムだ。


しかし自分の好きなキャラクターや絵のものが出るとは限らない。だからといって同人グッズで製作委託するとなると最小ロット100個とかそういうレベルでハードルが高すぎる。

そこで既存のおっぱいマウスパッドを加工して好きな絵柄に貼りかえるという方法を模索している人は多い。例えばプリントTシャツをベースにしたものや、タペストリー用プリントを業者に委託してソレを使うものなど。

そんな中ふと店頭で見つけたのがこの伸縮性のあるインクジェットプリンタ用ラベルフィルム。見本写真の通りマウスなどに貼れるらしい。3枚入りで950円+ポイント還元なので1枚300円程度。実験だと思っておっぱいマウスパッドに貼ってみる事に。

もしコレでそれなりのモノができれば、布ベースより廉価で手軽に作れるのではないだろうか。



 まあ完成写真を記事頭一発目に持ってきたので先に結論を書いておこう。

●一応それっぽいものはできる。消耗品があれば1枚300円+マウスパッドの低価格。
●しかし消耗品からそろえると高い。
●あくまでフィルムなのでシワが多く出る&谷間は殆ど出ないので服を着たイラスト専用。
●ベースのものより高さが低くなり、感触は硬くなるが十分プニプニできる。
●布ベースのものより色は綺麗になる。
●表面がサラサラなのでマウスパッドとしての使用は可能。但し耐久性に関しては要工夫。

といったところ。

 



 それでは今回の作成手順を見てみよう。

当然ベース…というか犠牲になるおっぱいマウスパッドを用意しなければいけない。秋葉原や怪しい通販で流通している非公式品で十分だ。

但し絵柄は選ぶ必要がある。今回A4サイズのラベルシートを使用するのだが、おっぱいマウスパッドに対してA4では若干幅が足りない。なので一番幅の広い部分にキャラクターがプリントされていないものがいい。また、後述の裏写り対策として全体的に薄い色が理想だ。



 

という訳で秋葉原のイオシスで販売されていたおっぱいマウスパッドの中から「色が薄い」「最大幅部が余白」の条件を満たす、○物語っぽいマウスパッドをチョイス。

まるまる絵を上乗せするのには抵抗があるのだがココは許してもらおう。それにコレ、明らかに解像度の低い画像をベースに作ったらしく、全体的にぼやけているしそもそも非公式製品だ。許せ! 2個用意したから失敗しなければ1個はそのまま使えるぞ!


お次は絵素材。当然作るからには窓辺ななみさんだ。

幸いSMに高解像度のイラスト素材がイッパイあるのでその中から正面を向いている…そうだ、七色ジェネレータのディスクに使用されたイラストがいいだろう。
所有しているマウスパッドとそれの元絵を照らし合わせて、サイズと必要な位置を割り出していく。特におっぱいの位置。



 が、ここで予想通りの問題発生。この手のマウスパッドの場合、スレンダーな(胸が小さい)キャラクターはその分全体を大きめにプリントし、更にポーズを変えてマウスパッド内のバランスをとっている。
しかし手持ちの公式ななみさんでは案の定「胸をマウスパッドにあわせると目がマウスパッドに入りきらない」レベル。少々の加工は覚悟していたのだが少々の加工ですむ話ではない。

 

思いっきり余談なのだが、MSIの美星藍は公式の正面絵がピッタリそのままおっぱいマウスパッドにつかえる。もういっそ公式で作っちゃえよ。

 

ななみさんは仕方ないのでフルスクラッチ…というか自分で絵を描くことに。絵柄と塗りは公式イラストっぽくがんばった。髪の毛の影の付け方とか独特なんですよ。

 

ちなみに完成品とビミョーに違うのは、誤って修正前のものをフィルムにプリントしたせい。なんと言う自爆。


 で、胸の増量っぷりがやばいのは趣味!もあるが、今回使用するフィルムがあまり伸びない事を考えて元々伸びたくらいにしたというのもある。いやほんとマジだって。

フィルムは手ごろな価格とはいえ1枚300円。サイズをミスったら悲惨なので事前にモノクロレーザーでサイズを微調整した線画を出力して一番丁度いいサイズを選んでみた。実際当ててみないとわからないもんで、当初予想していたのより一回り大きくプリントすることに決定。

プリントアウトは写真用紙扱いでプリントするだけなのだが、注意するべきは顔料インクに非対応な事。一般販売されているプリンターで顔料インクを標準採用しているものはあまり多くないが注意したい。



今回はEPSON製のPM-A890。もう7年前のモデルだが問題なく、発色は綺麗。

但し一般的な用紙に比べると乾燥時間は多く入るようで、最低でも20分くらい、今回のようにおもいっきり伸ばしたりゴシゴシしてはりつけるのなら1時間くらい置いておいていいだろう。

さて、事前に適当な切れ端で試したのだが、ベースとなるおっぱいマウスパッドそのままではあまりフィルムが粘着しない。そりゃそうだ、コイツはマウスパッドになるくらいの滑りやすいサラサラ布なのだから。さらにフィルムは白色とはいえある程度裏写りが出てしまう。


そこで用意したのが模型用のサーフェイサー「Mr.ベースホワイト1000」。いわゆる塗装下地スプレー。本来はパーツの継ぎ目や細かいキズ、パテ跡なんかを埋めつつ塗装の食いつきをよくするためのもの。
コイツをおっぱいマウスパッドに吹きかけて表面の凹凸を軽減してやればある程度接着力もアップするのではないだろうか。



 という訳でふっかけた。わざわざ白いサーフェイサーを選んだのは先述の裏写り対策だ。今回2度塗りしたが、おっぱい部分はかけすぎると硬くなるので2回目は控えめに。乾いた後に表面に浮いているサーフェイサーの粉を払い落としてマウスパッド側の準備も完了…

 


 

と思いきやもう1個スプレー登場。「スプレーのり55」。粘着力は低いが貼って剥がせるタイプ。今回はフィルムとサーフェイサーの間にさらにコイツをぶっかけて粘着力を補助する。
まあ上位の「スプレーのり77」があればサーフェイサー無しにガッチリ固定できそうだが。


 さてここからが勝負だ。フィルムは伸びるとはいえ限界がある。位置をあわせつついかに立体部分のシワを違和感無い程度に抑えて貼るか、実に30分ほどおっぱいと格闘した。

なんとか貼り終えた後にちょっとだけ折り返し、余剰分をカッターで切り落とした。このとき力をいれるとフィルムが伸びて上手く切れないので、切れ味のいいカッターで軽く滑らせるようにするのがいい。もしくは使える場所ならハサミがオススメ。

…が、コレが失敗だった。案の定特におっぱい部分の弾力のせいで、表面の粘着力では足りずズレたり折り返し部が剥がれてしまう。1枚無駄になるが引っぺがしてもう1枚作って貼りなおし。また30分ry


今度は一切カットせず、見た目は悪くなるが余剰分は全て折り返して裏面に貼り付け、さらに裏面はテープでガッチリ止めたのでとてもじゃないがお見せできる状態ではない。

上端部の曲面が滑らかに折り返しできているのはさすが伸縮フィルムだ。この様子なら謳い文句通りマウス程度ならシワ無しに貼り付けできるだろう。

 


 フィルムのテンションで内部のゲルが圧迫された状態だが、ちゃんとぷにぷにはできる。その分元のマウスパッドより硬く高さが低くなるがななみさんならむしろ丁度いいだろう。

 

しかしご覧の通りおっぱいマウスパッドの形状だとシワは結構出るので、服を着ているイラストじゃないと違和感バリバリだ。特に谷間を露出したイラストの場合、このフィルムを使って作るのは全くオススメできない。

 また、裏写りはうっすら残っている。コレ、1枚目のフィルムを剥がした時にサーフェイサーが少々剥がれてしまったのが原因。平面部だけでももう一度サフをかけるべきだったか。


 さて、見た目的には出来上がったのだが、このフィルム自体他の方のレビューにもあるとおり色落ちすることがあるようだし、説明書には水に弱いとある。観賞用ならこれでいいし、落ちたらまた貼りなおしてもいいんだが、どうせならマウスパッドとして使いたい。


そこでまたまた登場したスプレー「.Too デザインフェキサチーフ」。本来はデッサンやポスターカラー使用のアナログイラストの定着・保護に使用するスプレー。何でお前こんなもん持ってんだって、いや昔はほら、うん。

しかしインクジェットプリンタフィルムにコレを使うバカなんて聞いた事が無いし、もし保護したとしてもマウスの滑りが悪くては意味が無い。
そこでさっき犠牲になった1枚目を生贄にフェキサチーフをスプレーテスト…OK、カンペキだ。マウスの滑りもいいし、カンペキすぎてホコリまで定着しちまった。

という訳で完成したマウスパッドに2回ほどシュー。説明書には数回とあるがまあ2回でいいだろう。半日ほどマウスパッドとしてガチ使用しているが問題は無い。

ちなみにサーフェイサーが実売500円、スプレーのりとフェキサチーフは実売1600円するんでそれらを入れると総額5000円オーバーじゃねえか。

スプレーのりやサーフェイサー、フェキサチーフ(もしくはそれらの代用品)が事前に家にあるor他の用途に使うので無駄にならないという場合でもない限り、他の素材を使用したマウスパッド自作方法の方が安上がりに済む可能性大だ。

 

ちなみに失敗した1枚目。マウスパッドの形状にカットしちゃってるわ、おっぱいの部分のびてるわ、フェキサチーフの実験台にされるわと悲惨な状態だったのだが捨てるのはもったいない。

とりあえずサイズがちょうどよかったんで検証用電源のAntec EA-380に貼り付けておいた。

 

 

アンテッ子<解せぬ

  • 購入金額

    950円

  • 購入日

    2012年11月21日

  • 購入場所

    ビックカメラ