レビューメディア「ジグソー」

1995年の幕開けは、やはり名作の移植作から

知る人ぞ知る、つまり、一般の人は全然知らないハード、「SEGAスーパー32X」専用ソフト。

1994年12月の32Xハード発売後、4本のソフトが年内に発売されたが、すべて移植作品でした。

また、デビューイヤーであるのに完全新作タイトルはありませんでした。

 

そして、年は開けて1995年。1月13日に発売され、新ハード飛躍の年の先陣を飾ることになったのは、やはり名作の移植でした。

sega.jpの「セガハード大百科」「スーパー32X」のソフト一覧の5行目にあるタイトル、

それが今回ご紹介する「アフターバーナーコンプリート」。

ジャンルはSHT(シューティング)、容量は16M、型番GM-4006、定価は先のローンチソフト3人集であるスペースハリアーと同じ、4,980円。

アフターバーナーIIの移植作としては当時最も再現性が高いと言われた本作は

スペースハリアー移植でも活躍した移植職人衆「ゲームのるつほ」によるもの。

背景の一部を除いて完全な移植がなされていた。。。と言いたいところですが、

なぜか音声出力のLRが逆になっているという特徴がありました。

 

ゲーム内容はこれも鉄板ですね。

ポリゴンのない時代、これだけ奥行き感、スピード感があるゲームにはなかなかお目にかかれませんでした。

ロックオンして敵機を落とす、敵弾をローリングでかわす、アフターバーナーで駆け抜ける。。。

すべての動きが新鮮で、迫力があって、思わずコントローラーを持ちながら体が傾いたものです。

 

一方、年が明けても新ハードである32Xには完全新作ソフトがありません。移植のみです。

そして名作とはいえ、過去種々のハードに移植されてきたアフターバーナー。

よっぽど好きな人ならば既に過去の移植作を複数所有していてもおかしくないですし、

すると本ソフトの役割は高度な違い探しのみになってしまいます。

パッケージ裏の煽りには「あの時の興奮が今、再び」とありますが、

ファンであればあるほど「あの時の興奮が2度3度いや、それ以上」な訳で、

なんとも悩ましいところです。

 

また、型番も4006と、4001と4004は空いたまま。

これはやっぱり縁起を担いで4004を避けたのか

4001は開発着手は早かったが、まだ作り込みの最中なのか?と想像を膨らませてくれます。

 

さて、このアフターバーナーコンプリート、箱の中から面白いものが出てきました。

Mega SOFT INFORMATION Vol.5です。よく取ってたな、自分^^;

表紙には、「メガドライブの世界を広げるニューパワーアップアイテム SUPER 32X」

「Power Up!」「ジョイントするだけで、キミのメガドライブが32ビットの新世界へ!!」と

新ハードが開く夢の世界を歌い上げています。

そして、ページをめくると。。。

早くも充実!まだまだ広がる!驚異のソフトラインナップ!!」

。。。うーん。まだ移植作しかないですけどね:;)

 

しかしチラシでは左ページに「アーケード」とあり、バーチャレーシングデラックス、スターウォーズアーケード、アフターバーナーコンプリート、スペースハリアーの4作が記載されています。

うん、たしかにアーケードの移植ハードとしてならこのラインナップはうなずけますし、

そこを狙ったハードだったのかな?32X。。。

そして右のページには「3Dポリゴン」とあり、メタルヘッドと、

いまでは超絶プレミア価格がついているステラーアサルトの2作が紹介されています。

新次元グラフィックスにはローンチタイトルのDOOM他4種、

そしてその下には「ゾクゾクのソフトがつ続々登場!期待も楽しさも32ビット!!」とダジャレから入って4本のソフトが紹介されています。。。

 

結論から言うと、ゾクゾクのこれらのソフト4本は、

1本たりとて国内では販売に至りませんでした:;)期待も32ビットだったのに!(謎

32XCDには本当に期待してたのに!(泣

なんでしょう。結末を知っている今じゃなくても、「あれこれ大丈夫?」とやや不安になる

広告です:;)

だからやっぱりシャイニングフォースあたりの新作を用意しとくべきだったんや><)

そして最後のページがこちら。たとえ32Xが発売になっても、メガドライブとメガCDからも目が離せない!ということのようです。

たしかに幽遊白書は4人集まれば延々遊んでいられる練られた対戦格闘ゲーでしたし、エイリアンソルジャーもメガドラ後期の名作アクションゲームですよね!

いずれもメガドラアクションの名作を数多く残したトレジャーの作品です。

ガンスターヒーローズもアクション好きにはたまらない出来でしたなあ。。。未だに遊べるし。

 

そして、イチダントアールもメガドラ名物「風邪声」ではありましたが、みんなの遊ぶには最高のパーティーゲームでした。

サージングオーラも発売日未定で紹介されています。いのまたむつみ絵でしかも魔法使いが主人公という大変面白いRPGでした。詠唱システムが本当に斬新で面白かったなあ。。。

あ、メガCDのタイトルも紹介されていますが。。。まあもういいですね(爆

 

一番下にはセガサターンの紹介が。定価は当初の44,800円が燦然と輝いています。

のちに色々と値下げする羽目になった当時の32ビット機では一番高い定価でしたねえ。。。

そして煽りも印象深い「64ビット級 ものすごいゲームマシン誕生。」

そういえば言ってましたね!32ビットRISC-CPU2基だから64bit級だ!という。

なにもかもがもう、なつかしいですね。

 

さて、ほとんど脱線しかしていませんが、スーパー32X5本目、新年最初のタイトルは

また移植ものまたシューティングゲームでした。

私のように、そんなにシューティングゲームにはまらない人間以外に訴求するソフトがないと

いうのが32X初期のきついところでした。

 

そしてついに、型番4004の謎が解かれ、渇望していた32X専用、完全新作ソフトがこの2週間後に

発表されます。そう、ここまでは鉄板名作ぞろいでむしろ良かったのです。

ここから続く「完全新作ソフト」ラインナップが32Xの命運をほとんど決定付けてしまいます。

ハンカチをいや、カセットを破壊するためのトンカチをご用意の上、次回以降にご期待ください

><)もちろん冗談ですよ^^;

 

 

 

 

 

  • 購入金額

    5,229円

  • 購入日

    2016年02月24日

  • 購入場所

8人がこのレビューをCOOLしました!

コメント (3)

  • Schrödingers Katzeさん

    2016/02/25

     左右逆なのは、仮に開発元がうっかりしてても納品されたSEGAの人が誰も気がつかないのはザルにも程が有る気がしなくも無いのですが、何故だったのでしょうねぇ?
     資料や機材が間違っていたとか、回路的にはこちらが正しかったとか。

     セガのアーケード基板じたいが容量とフレームバッファ方式のスプライトに物言わせてでっかいオブジェクトをどっさり出すのが特徴なので、これまた普通のゲーム機とかの設計だと厳しいゲームの一つなのですよねぇ。
     他の移植が迫力よりスピード感とゲームとしての感覚を重視しているのに対して、大量のオブジェクトによって迫力もちゃんと出ているという部分は32Xのパワーを見せるには都合は良かったかと思います。
     まぁ、音が…PCMが普通に使えるのは他の機種より大きく有利でした。

     実際これが店頭でデモしてるのは、ハリアー以上にハデに動くだけにインパクトはありました。でも、ゲームセンターの迫力が…というには古くて…パワーは魅せられるけど、じゃ「何で楽しませてくれるのか」が見えないラインナップが「作ったけどどうしよう」という迷走を感じさせます。

     海外だとMEGA-CDを併用するソフトもあるのですが、国内では出なかったですね。
     MEGA-CDがもっと安ければ32Xとセットで……サターンの足を引っ張ったかもしれません!…だめじゃん…。
     圧倒的とは言い難い性能の上位機種と、パフォーマンスをどうにかしたい下位機種に挟まれてそもそも居場所が狭かったのはかわいそうですね。

     スペースハリアーの代わりにアウトラン辺りがジャンルのばらつき的には良かったような気がしますが…。バーチャレーシングはレースゲームよりはシミュレータに近いので、レースゲームとはちょっと違うんですよね…。
  • takuroさん

    2016/02/25

    左右逆ってほんとに面白いですよねぇ(^_^;)
    32Xが今のセガの始まりだったという見方もあるみたいですね。32Xで行きたかったSEGA USAと、サターンを売っていきたい日本側と。。。その掛け違いで海外評価の高かったgenesisブランドごと吹き飛ばしてしまいましたから。。。
    目立つハードではなかったですが、ある意味終わりの始まりのハードだったと感じています。
    しかしスプライト信仰も完全に読み違えでしたね。もっと代表的な読み違え、PC-FXもいましたけどね(>_<)
    サターンでもスプライトを大切にしすぎたような気がします。
    32X開発にかけたお金で、素直にサターンの拡張RAMカートリッジ口をメガドライブソフトが刺さるようにしとけばよかったような気もします。
    まあ、終わって時間がたってるのでいろいろ言えてしまいますね。(>_<)当時はこんなこと(ハードのビット数まで上げる後付けハード発売)をしたメーカーはいなかったわけで、ワクワクさせてもらいました。ほんとに。
  • Schrödingers Katzeさん

    2016/02/25

     日本だとメガドライブがもう少し力を!って感じの時期で、サターンがそれなりにバー茶ファイターとかに引っ張られて元気だった時期ですし。
     ポリゴンについては「四角形とはいえ、変形機能があって助かった」とw
     セガの場合は、フレームバッファ的なスプライトで成功体験がありますし、ハードウェアを作ってる頃にゲームセンターのゲームを再現するなら…と考えれば、32Xと違ってヴィジョンはあったとは思いますし、捨てろというのは無茶な話ですし、作ろうと思うものがその時期に主流だったゲームの系譜なのですから、未来から来ないと作り続けているだけにああなったのは仕方なかったんじゃないかと。
     ただ、業務用に引っ張られて複数の処理系を同居させるのは地力はあってもパフォーマンスを引き出すのが難しいので、その基本設計の方が大きな問題だった気がします。

     PSのGTEがいいバランスで新しい体験を提供しつつ、買えなくはない値段というところを狙ってきたので、新規だから柵がない強みがいい方向に出てましたし、仕方ないかなと。ファミコンもそうですがたまーに神の手と思うようなバランスがどこかに舞い降りることってありますねw

     サターンのRAMスロットは普通に内部のバスが出てたはずなので、「その気があれば」派手な拡張もできたはずですし、ROMのゲームも出せたわけですがそうならなかったのは「やらなかったから」なんですよね。
     物理的に蓋に引っかかっちゃうので無理ですが、サターンタワーだってSEGAがやる気だったら出来たかもしれないです。が、開発費をかけても、互換機能は設計は出来ても商品の値段が上がってしまうので無理だったとは思います。

     結局は「うちの箱ならこんなゲームで遊べるよ」という体験を提供できるかどうかが大事なんだろうなと思います。ただ、「新しいし、遊んでみたい」と思ってもらえるかどうかも同じくらい大事で、何が受けるかわからない以上あんまり尖ったものって作るのは難しいですよね。

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