片や利益重視の粗雑化、片や最良への追究。
コンピュータへの文字入力の手段として、誰しも触れるこの“表現装置”。
その良さは、快適を超え、歓びへ。
Old IBMの伝統を影ながら受け継いだ、座屈発条(buckling spring)方式の一品。
Unicomp Customizer
歴史や構造についてはs3zm4r御大のレビューに詳しいので、そちらを参考にされたい。
同時に2本注文した内のこちらは、
・UK105キー ・Enhanced Quiet Touch ・黒/灰配色 ・PS/2接続
…ん、U「K」? そう、米式とは違う、英式の配列のキーボードなのです。
しかも一般的なスプリングではなく、世界的にも数少ない(?)Enhanced Quiet Touchタイプ
という日本の常識から見れば変態仕様この上ない1本と相成りました。
まあ、注文者が変態なだけなんだろうが。←
勿論と言えば勿論なのだが、この配列の違いとは記号の配置(QWERTYは英語圏で共通)。
上からUS、UK、そして英語以外の例としてフランスのAZERTY配列を併記。(出典;Wikipedia)
#以下フランス語キーについてはFRとします
後二者にはShiftの右に記号ボタンがあります。UKでは「\,|」(バックスラッシュ、パイプ)、
FRでは「<,>」(山括弧ないし不等号)として使われます。
かつ、2段目の文字キー数がひとつ少なく、3段目に多い点もあります。
こちらの点はEnterキーが横長キーか縦長(JIS配列とほぼ同型)キーかという部分に繋がります。
USの場合だと、他のキーボードのみで使われる分のキーに割り当てる物がないので、
それが宙に浮いてしまうと言う事もあって、US配列で105キーは成らなかったのだろうと考えます。
またこの105キーでは左シフトキーが、文字キーとほぼ同サイズまで小さくなってしまうので、
JISやUSで慣れている方が、特にブラインドタッチでたたく場合には不満が大きいかも知れません。
本題の実際打っての感触について。
Enhanced Quiet Touchは、従来のスプリングからラバーカップに変更する事でバネ廻りによる
カチカチ五月蝿いのを排除しようという物で、IBM時代にも「71G5794」などの型番で存在していた
ようです(参考:NOGU獣 KEYBOARD MANIA)。
打ってみると、キートップのカチャつき音の方が大きい、「普通の」音の部類。ただ少し、
安いメンブレンと較べると高域の音が弱く、「カチャカチャ」ではなく「コトコト」と言うのが適切か。
ただし、Enterなどの大きいキーはやや高域の出が強く「テッ」という様な音、スペースバーは
スプリングとほぼ同じ「ガチャッ」、ただし高音が抑えられているのは他のキーと共通です。
今時の安物に構造的には近似であれど、どっしりして浮ついたりしない安定感。段違いの堅実さ。
タッチはスプリングに傾向は似ているものの金属的なリニアさは無く、ラバーのコシのある打ち味
といった感があります。コシとか打ち味とかまるでうどんですねw でも近い物はあるかもですね。
この粘り(ネトつく、ではない)は押下感を与え、押し込んだときの感触をとても上品に纏めています。
尚、スプリングの方で提起したリリースポイントの点については、こちらではさほど体感されない
と言う事を明記しておく。スプリングと違い、形状復帰などで足枷にならないからであろうか。
ただ、USB-PS/2変換を噛ましたときに、接続が途切れる事が些か多い気がする。これは、或いは
105UKキーボードであるからという部分故かも知れないが。
そんじょそこらのメンブレンキーとはまるで違う、タッチ打ち心地そして存在感。
スプリングともまた違ったその粘りの、味と使い出を堪能出来る逸品だろう。
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購入金額
6,340円
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購入日
2011年05月26日
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購入場所
Unicomp公式通販
リーダーさん
2011/06/11
いいっすよねーーー(*´▽`*)
私の文字入力量だと、騒音レベルになるので
実母が来ているときは使えないかもしれないですが・・・w
タオル一枚おいて、ブラインドタッチかな・・・w
sakさん
2011/06/11
自分もかなり音立てる方ですねー
ホームポジション守らない人間なので、その分指の振り上げも大きいですし。
ラバーの方は何となく音が強く叩くなって言ってるようで一寸優しく打ってるかもですw
機会があれば打鍵動画も上げますね
s3zm4rさん
2011/06/12
「やはり」と言うべきか、Enhanced Quiet Touchはラバードーム型なんですね。
また、Customizerでも105配列ならば逆L型Enter keyになるんですね。
良い情報をありがとうございます。
sakさん
2011/06/12
ただ往時そういうモデルがあった様ですから、それである可能性は多分にありましょう。
逆L字のEnterキーについては、全体が膨らんでいるJISと違って2列分+隙間埋め、かつ凹みのRがキツいので押す感じはかなり異なる、と言うのを付け加えておきます。