レビューメディア「ジグソー」

C3 Steppingを採用したデュアルコア版BE登場!

AMDのデュアルコアCPU「Phenom II X2 555 Black Edition」を購入してみました。

Phenom II X2 555 Black Editionは倍率ロックが解除されたOC向けの製品で最新のC3 Steppingを採用しているのが特徴です。

C3 Steppingは消費電力効率が改善されてOC耐性も向上していると評判になっていたので気になっていたのと不幸担当 氏のレビューに触発されて使用してみたくなってしまい、先日秋葉原へ行く用事があったので勢いで購入してしまいました(^-^;

AMDのCPUはAthlon 1GHz(K75,Slot A)を使用したのが始まりでPentium 4(ネトバ時代)はAMDのCPUをメインで使用していました。Pentium Mをデスクトップに導入してからはIntel系に移ってしまったのでAMD系CPUの購入は久しぶりです。WinXP SP3でセットアップしてみたのでレビューしてみたいと思います。


テストに使用した環境は下記のとうりです。

<Callisto/AM3>
・CPU:Phenom II X2 555 Black Edition 3.2GHz
・CPUクーラー:Thermaltake Contac29
・マザー:ASUS M4A78T-E(BIOS 2503)
・VGA:PowerColor AX5850 1GBD5-MDH
・メモリ:Patriot PSD34G1600KH(2GBx2)
・電源:Amacrox FreeEarth AX550-GLN (550W)
・OS:Windows XP Pro SP3


●パッケージについて
Intelに続いてAMDもCPUパッケージが小型になっていて良い感じです。
中身はヒートシンクの入っている箱とCPUの収まっているブリスターパッケージに分かれています。


●Callistoコアについて
CallistoコアはDenebコアのC3 Steppingと同一コアとなります。4つのコアのうち2コアを無効化した製品のため別のコードネームが与えられているようです。

Denebコアを流用したトリプルコアやデュアルコア製品はクアッドコア製品の歩留まり(生産性)を向上させるために販売されています。クアッドコアとしては売れない1~2コアに不具合のある物、いわゆる選別落ちが利用されているというわけです。

しかし、製品としてリリースするには一定の数を確保する必要があるため4コアとも正常な物もトリプルコアやデュアルコア用として使用されているため4コア化が可能な固体も存在するということです。


●CPU電圧の設定について
使用しているマザーボードの仕様なのかAutoのままでは高めに設定されてしまうようなので、定格動作時はCPU-Z1.53.1で表示されていた適正値と思われる1.200Vに手動で設定しています。(補足:その後の検証で1.380Vあたりの高めの設定になっているようです。)


●4コア化について
マザーボードの4コア化機能を利用してディスエーブル化されているコアを利用して4コア化してみました。

自分の購入したPhenom II X2 555 Black Editionはクアッドコア化した状態でOSをセットアップし、Prime95で1時間負荷を与え続けてみましたが特に不具合等もなく動作しています。電圧は手動でVcore1.380Vに設定しています。この設定(状態)ではCPUをPhenom II X4 B55と認識しました。

<補足説明>
Phenom II X2 555 Black Editionは全ての固体でクアッドコア化出来るわけではありません。ディスエーブル化されている残りの2コアともに問題のない固体のみ可能となります。不良コアを含んでいない固体に当たるかどうかは運次第です。

マザーボードの機能次第となりますが、クアッドコア化が出来ないCPUに当たってしまった場合でもトリプルコア化(Core 0,1,2又はCore 0,1,3)に挑戦することができます。


=============


●2コアでのOCについて
2コアの状態ではVcore1.500V(倍率20倍)で4.0GHz動作が可能でした。Prime95で1時間の負荷テストをパスしています。Vcoreが高めなので常用するには微妙ですがベンチマークテスト程度なら問題ないと思います。

AMD系CPUでも空冷+適当OC設定でも4.0GHz動作が可能となりました!

4.0GHz以上のOCについては時間のあるときに試して見る予定です。


●4コア化でのOCについて
4コア化した状態でOCを試してみました。

定格電圧のVcore1.380Vでは3.6GHz(倍率18倍)でPrime95にて安定動作することを確認しています。

2コアで4.0GHzを達成したVcore1.500Vでは3.8GHz(倍率18倍)でPrime95で10分間の負荷テストをパスしています。

Vcore1.500Vでの4.0GHz動作はPrime95で負荷をかけるとシャットダウンしてしまい無理でした。


●ベンチマーク(2コア)
CPU性能が高いのでRADEON HD 5850を使用してベンチマークテストしてみました。(ベンチマークのスコアの低下が見られたのでConQはオフにしています。)

CCCを正常にインストールすることが出来ないためRADEON HD 5850はドライバーのみインストールしています。FFベンチマークのスコアが低い件についてはCCCの再インストールを試して検証してみる予定です。

<3.2GHz/RADEON HD 5850のスコア>
・3DMark06:15092
・3DMark05:22315
・3DMark03:64835
・MHF Benchi:15590
・FF Bench3(HI):4040
・SuperPI-MOD:21.392秒

定格動作時のベンチマーク結果です。1万円のCPUにしては悪くないスコアと思います。

<4.0GHz/RADEON HD 5850のスコア>
・3DMark06:17800
・3DMark05:25906
・3DMark03:68839
・MHF Benchi:15644
・FF Bench3(HI):4454
・SuperPI-MOD:17.469秒

4.0GHzOCした状態でのベンチマークテストの結果です。
MHFベンチについては差がありませんでしたがその他のベンチマークテストではスコアはかなり伸びています。


●ベンチマーク(4コア)
マザーボードの機能で4コア化した状態でRADEON HD 5850を使用してベンチマークテストしてみました。(ベンチマークのスコアの低下が見られたのでConQはオフにしています。)

CCCを正常にインストールすることが出来ないためRADEON HD 5850はドライバーのみインストールしています。FFベンチマークのスコアが低い件についてはCCCの再インストールを試して検証してみる予定です。

<3.2GHz/RADEON HD 5850のスコア>
・3DMark06:17494
・3DMark05:22392
・3DMark03:64867
・MHF Benchi:15161
・FF Bench3(HI):4052
・SuperPI-MOD:21.392秒

定格の3,2GHz動作で4コア化したときのベンチマークテストの結果です。
2コアのときと比べるとクロックが同じですからスコアに差はありませんでした。3DMark06のみCPUスコアの上昇により2500ほどスコアが伸びています。

<3.8GHz/RADEON HD 5850のスコア>
・3DMark06:19768
・3DMark05:25112
・3DMark03:68049
・MHF Benchi:15153
・FF Bench3(HI):4361
・SuperPI-MOD:18.234秒

4コア化に加えて3.8GHzにOCしたときのベンチマークテストの結果です。
3DMark06は2コアで4.0GHzよりスコアが高くなっています。


●ベンチマーク - CINEBENCHR10
マルチスレッド性能を計測可能なCINEBENCHR10で性能テストしてみました。
スコアは「1 CPU、x CPU、OpenGLベンチ」の順です。

<スコア>
・2core@3.2GHz(1.20V):2932/5659(x1.93)/7582
・2core@4.0GHz(1.50V):3658/7063(x1.93)/8913
・4core@3.2GHz(1.38V):2944/10439(x3.55/7405
・4core@3.8GHz(1.50V):3655/12992(x3.55)/8657

OCによるスコアの上昇もなかなかですが4コア化でのスコアの上昇はさすがです。4コア化前提なら1万円のCPUでこのスコアはすばらしいコストパフォーマンスと思います。


●発熱
Asusのマザーボード監視ツール「PC PROBE II」を使用してCPUの発熱を調べてみました。
カッコ内は負荷時の温度です。

<CPUの発熱>
・2core@3.2GHz(1.20V):24度(28度)
・2core@4.0GHz(1.50V):24度(32度)
・4core@3.2GHz(1.38V):24度(34度)
・4core@3.8GHz(1.50V):25度(37度)

発熱に関してはThermaltake Contac29を使用しているためかなり低い温度で維持できました。Vcoreを昇圧すると温度の上昇はありますがCore i7-920などに比べると全体的に少なく好印象です。冬という季節的な要因とヒートシンクのおかげとは思いますが4コア化+Vcore1.500V@3.8GHzで37度付近で安定しているのは非常に優秀かと思います。


●消費電力
ワットチェッカーを使用して消費電力を計測してみました。
数値は左から「アイドル時、SuperPI、FFベンチ、3DMark系、Prime95」の動作時の最大消費電力となります。

<消費電力>
・2core@3.2GHz(1.20V):105~117~150~187~133W
・2core@4.0GHz(1.50V):123~145~171~255~178W
・4core@3.2GHz(1.38V):117~130~161~245~180W
・4core@3.8GHz(1.50V):123~144~211~267~221W

消費電力についてはRADEON HD 5850を使用している関係でオンボードGPU使用時より大幅に増えていますm(_ _)m

参考までにマザーボードのオンボードGPU使用時のアイドル時の消費電力は73Wでした。


●感想
最新のC3 Steppingを採用するPhenom II X2 555 Black Editionを試してみた感想です。

OC耐性は非常に優秀でデュアルコアでは4.0GHzの大台に。4コア化した状態でも3.8GHzで安定と個人的な予想を上回る高耐性でした。コアの改良によりIntel系に負けないOC耐性を有しています。

自分の購入したロットも4コア化も可能でした。4コア化については成功すれば+5,000円の値段で販売されているPhenom II X4 955 Black Edition相当になるわけでコストパフォーマンスは非常に高いです。ただし、全ての個体で4コア化できるわけでは無いと思いますので注意は必要かと思います。Phenom II X4 955 Black Editionの実売価格は15,800円となっているので4コア化前提でPhenom II X2 555 Black Editionを購入して失敗するくらいなら初めからPhenom II X4 955/960 Black Editionを購入してしまうのも悪くないと思います。

C3 Steppingは評判どうり良い感じでした。Phenom II X2 555 Black Editionは「低価格、高OC耐性、CPU倍率アンロック、3or4コア化を狙える」など色々遊べる要素の多い優良なCPUと思います。

AM2+/AM3環境でのローエンドCPUユーザーのアップグレードパスとしてもお勧めです。
  • 購入金額

    9,980円

  • 購入日

    2010年02月頃

  • 購入場所

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