1992年にサンソフトから発売されたメガドライブ用のシューティングゲーム。
本作は、1986年にセガが開発したアーケードゲーム『ファンタジーゾーン』を踏襲したオリジナル作品になります(移植作でもリメイク作でもありません)。プレイヤーは主人公オパオパを操り、ダークメノンの侵攻からファンタジーゾーンを守ることが目的です。
第1、第2、第3ステージのボス(左から)
ゲームは全9ステージから構成されており、各ステージ(第8、第9ステージを除く)では敵の前線基地をすべて破壊してボス戦へと挑みます。画面は横スクロール形式で、左右どちらの方向にも進むことができます。また、シリーズの特徴でもありますが、敵を倒したら現れるコインを貯めて、ゲーム中に登場するショップで強化アイテムを購入すると、オパオパをパワーアップできます。
ショップで強化アイテムを購入する
サンソフトと言えば、ファミコン版『ファンタジーゾーン』で驚異的な移植を実現してくれたソフトメーカーです。本作では、アーケード版『ファンタジーゾーン』の雰囲気を受け継いでいるだけでなく、アーケード版へのリスペクトが随所に感じられます(例えば、幾つかの効果音がアーケード版と同じだったり、裏技を使えばBGMをアーケード版に置き換えることができます)。「どうしてサンソフトが新作を?」という疑問も、このようなアーケード版を大切にする姿勢を見せられると、批判の矛先が鈍らざるを得ません。
もちろん、システム的に変更された点もあります(例えば、回数制限のある武器がスペシャルウェポンとして独立して操作できます)。また、オプションでは難易度が選べるようになっています。本作は名作シューティングのひとつに数えられると思いますが、惜しむらくは当時、他のハードへと移植されなかったことでしょうか。
※2014年01月14日現在、以下のバーチャルコンソールが配信されています。
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購入金額
6,800円
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購入日
1992年01月14日
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購入場所
Schrödingers Katzeさん
2014/02/14
裏技BGMもよっぽど原曲を聞き込んでなければ、本物って言っても、気が付かないような人が多いんじゃないかってくらい、よくできてましたし。
ボス自体も、元祖をかなり意識したデザインや動きになっていますしね。
スペースハリアーIIがあの出来って考えると、もしかするとSEGA自身が作るよりよっぽどいいものが出来ちゃったんじゃないかって思わなくも無いです。
千里一歩さん
2014/02/14
色使いは如何にもメガドライブって感じを受けます。オープニングの日本語は賛否両論があるところですね(英語と併記すれば良かったかも知れません)。『ファンタジーゾーンⅡ』はマークⅢ版がオリジナルでしたから、どうしても作り込みの甘さが目立ちます。ボスについては、明らかにアーケード版を意識しているように感じますね。
『スペースハリアーⅡ』は、メガドライブのローンチタイトルとして製作されたオリジナル作品でしたよね。同時期に発売された『獣王記』のような移植作はそれなりの仕上がりでしたので、セガの技術力がまったく駄目とは思わないのですが、アーケードをベースにしないとき(移植作ではないとき)に作品の質が相対的に低くなる印象は持っています。
Schrödingers Katzeさん
2014/02/15
原作は「なんかわからん戦闘機っぽいけど生き物っぽい怪しい世界」だったですし、変なシーンじゃなくて作品だけで語るのが本当は一番だとは思います。
この手のものは本当は「説明したりさせたら負け」だし。
正直「機種」って「最初に作られたとき」にどれくらい本気かって問題なので、マークIIIだからっていうのは違うと思うんですよ。
それがオリジナルって事はマークIIIの仕様にベッタリなシステムだって作れたわけで。
ですから、機種の「特性に合わない」ゲームは移植してもあんまり良い結果にならない。単にファンタジーゾーンを「あのシステムしか」見ないで作っちゃったんだと思います。同じ会社なんだから、別部署でも関係者引っ張り込めばもうちょっとマシになったんじゃないかと。そういう「魂の無さ」がヤバいんじゃないかと思わなくも無いです。
スペースハリアーIIは、ほかの機種では省略されるような地面の模様などのフィーチャーは再現できていますが、「ゲームとしてイマイチ」なのが問題で。
移植についても、それっぽく動けばOKというか、なんとなくそれっぽい動作をすれば、あとは自由に実装ってそんなイメージがあります。なんか、「似てるけど違う」のがかなり多く。
なんか、「これ好きだからやりたい」ってより「うちのコンテンツで入りそうだからこれでいいか」みたいな。
だから、ほかの人が書いた曲は「採譜も適当」だったり、ゲームとしてちょっとやばいあうあー(ry 見たいなものも出てしまうと。
あれがまずいのは、ゲームとしてきちんと調整してないところなんですよね。
テストプログラムが元で云々ってそんなの「商品として出たら買う人には関係ない」ってことを意識できてたと思えないのですよねぇ。
ゲームの再現っていうより、似せた作り直し…なんですけど、ほかのメーカーほど上手く出来てない…なんだ、ここじゃないのか?SEGAがイマイチふるわなかった理由ってw
その辺りを逆に、「このゲームの要素って何だろう」って割り切った移植をしてたのが電波新聞社の松島氏辺りで、見た目をあきらめて、四角が迫ってくるスペースハリアーとか、地面のオブジェクトは少ないけどスピード感は失ってないアフターバーナーとか、そんな移植なんだろうと。
別ベクトルで、動作をそのままコンバートというエミュレーションに近い取り組みもやってましたけどね。
少なくともどっかのふぁナントカみたいに、原作が嫌いでこの出来になったなら、それはそれでものすごい才能とバランス感覚だと思います。
素直に見れば、ファンタジーゾーンが少なくとも大好きな人が中に絶対居ないと出来ないんじゃないかってくらい、「それっぽい」ですから。
千里一歩さん
2014/02/15
パステル調で統一されているかと問われると、ちょっと厳しいところはありますね。とは言え、個人的な印象ではメガドライブのゲームは全体的に色味を強く感じますので、ハード的にそうなってしまうのかも知れません(あるいは、海外展開を見据えて明暗をはっきりとさせたのかも……海外の色彩感覚は日本人とは違う感じですから)。
オープニングが「ちょっとわかりやすすぎる」点は、1990年頃から目立つようになったライトノベルの影響もあるのではないかと考えます。「説明したら負け」と言うよりも、製作者側が世界観を作り込んでしまった結果のような……(あいまいな世界観に留めておくほうが膨らみは広がるとは思いますが)。
シリーズの続編を製作するからには、少なくとも前作を超える努力が必要だと考えます。その点で言えば、アーケード版『Ⅰ』が基準になりますから、マークⅢ版『Ⅱ』は「作り込みの甘さが目立ちます」とコメントしました。もちろん、マークⅢの仕様に合わせて『Ⅱ』を新しく設計することもできたでしょうが、それだと『ファンタジーゾーン』とは言えないと思います(どちらかと言えば、新作となりますので)。
絶対にコンシューマー部門で成功してみせるという経営判断があれば別ですが、当時のセガの稼ぎ頭はアーケード部門だったと思いますので、どうしてもそちらに人材が優先されたはず……(ユーザーから見れば、そういう縦割りは止めてくれと訴えたいところですが)。
稼ぎ頭のアーケード部門であれば、次々と新しいことにもチャレンジできますが、コンシューマー部門は赤字を出さないことが命題で、しかも肝心のソフトはアーケード版の移植ばかり。そういう環境では、ゲーム制作も外見上が似ていることが最優先になりがちだと思いますので、ゲームとしての面白さは犠牲になるのかも知れません。加えて、『ファンタジーゾーンⅡ』のようなオリジナル作品を製作する折角の機会を駄目にしていた原因のように感じます。
少なくとも、『ファンタジーゾーン』好きが製作に関わったのは間違いないでしょうね。原作嫌いが功を奏してここまでのゲームが出来上がったとしたら、逸話として残っていると思いますw
Schrödingers Katzeさん
2014/02/15
誰か、SEGAから、元の人が入ってれば別ですが、無関係なら会社がおなじでも、変わらないでしょうし。
…素直に完全移植してくれっておもったユーザーも居るんじゃないかと思ったりしますw
2じゃなくても、関連商品として構成しても良かったわけですし、元の移植が厳しいゲームの続編は企画以前に難しいって思いそうなものですが。
それが「ファンタジーゾーン」になるのは、SYSTEM16版のファンタジーゾーン2が出るまで待たないといけなかったような気がします。
あのびみょーだったBGMもあの音色とアレンジで、しっかりそれっぽく生まれ変わっていますし。
M2の場合は、「移植」として職人芸なんですけど、これはこれで、変更するって事は、違うって事ですし。
KONAMIなんかは、サウンドが独立してますから、部署が違っても音がイメージをつないでるんですよね。
そういう意味で、社内なんだからソースコードとか内部資料の提供も受けられそうなのに社外のライセンス品のほうが出来がいいのは、ちと残念にも程があるようには思います。別に採譜しなくたって、元データあるんじゃないかと思うんですけど。
ファンタジーゾーン自体がちょっと操作感覚が特殊なんですが、ゲームとしても、このゲーム好みはあると思うんですが、よく出来てると思うんですよ。
似てるけど違う。そんな作品が多い中、ほかの会社と人たちが作ったものの雰囲気を引き継いで、ゲームとしても、ちゃんと作るって、作りたいもの作るよりもある意味難しいことを良くやったと思います。
オープニングは時代的にも「流行り」だったテンプレートに近いですし、みなきゃいいんで、好みの問題ですけど、蛇足だったかなと。
MSXのグラディウス2なんかもあんな感じです。
千里一歩さん
2014/02/15
次のようなフィクションが頭に浮かんだのですが……サンソフトは当初、アーケード版の完全移植をセガに打診した。しかし、セガはそれを拒否し、メガドライブ用の新作を製作するのであれば許可してやろうと応じため、サンソフトは新作として『スーパーファンタジーゾーン』を開発せざるを得なかった……ここでもセガが元凶だったり!w
セガの名作アルバム「第5回 ファンタジーゾーン」の開発者インタビューを読むかぎり、『Ⅰ』の時でさえ《この日までにゲームを作らなければならない》というスケジュールありきでオリジナルは無理な開発体制だったみたいですので、恐らく『Ⅱ』の製作でも同様の状態だったのだ思います。
また、SC-3000が発売された翌1984年からアーケードとコンシューマーの企画を切り分ける体制が構築されたみたいで、その辺りからそれぞれの企画チームだけで開発を完結してしまうような雰囲気を感じますね(ちょうどCSKグループの傘下に入った頃ですので、それも影響しているのかも知れません)。社内での風通し(ソースコード等のやりとり)の悪さの問題も、根は一緒のような……。
オリジナルを愛する人たちの製作した続編のほうが、本家の出来を上回ることはよく見られることかとw 『スーパーファンタジーゾーン』の場合、むしろ作りたいものを作りすぎてしまった結果かも……。オープニングは、年齢層がやや高いメガドライブユーザーには合いませんが、スーパーファミコン向けで企画が始まったと仮定すれば、ああいう出来も納得できる部分があります(いかにも子供っぽく感じます)。
Schrödingers Katzeさん
2014/02/17
1988年には、スペースハリアーのMZ-700版が雑誌掲載の許諾を得ています。
1989年のX68K版のアフターバーナーは、版権の許諾を「値切った」とドキュメントに書かれています。
このあたりで、ライセンスに対する、見直しなどが行われたような感じです。
続編のほうは、名前だけだから安かった…のかもしれませんね。
でも、本体メーカーが粗製乱造してたら、ゲームそのもののイメージも落としかねないんですがねぇ。
ちゃんと作らせるってのも、技術を習得させるって言う意味で大事だったりするんですけども…。そうやって、ハードウェアを育てないから、勝てなかったのかも知れませんねぇ。
なんだかんだで、任天堂って自社製品がそもそもゲームとして一定以上のクオリティー保ってますし。
千里一歩さん
2014/02/17
セガの会社沿革を確認したところ、1988年は東証2部に上場していますので、その辺りとの関係で「ライセンス」の取扱いが厳しくなったのかも知れません(推測にすぎませんが)。
「粗製乱造」という点では、任天堂はしっかりとした考えを持っていましたよね(当時の社長であった山内溥さんは、アタリショックの原因がソフトの粗製乱造にあったと認識していましたし)。
この点、セガについて言えば、マークⅢ(マスターシステム)まではサードパーティーの参入が全く見込めない状況で、自社で何とかソフトの供給を継続しなければならなかった事情は理解できます。とは言え、メガドライブ以降はサードパーティーの参入も増えましたので、腰を据えて自社の開発体制を整えるべきだったように思います(任天堂に比べると、自社開発の名作が少ないですよね^^;)。