レビューメディア「ジグソー」

NOT IdeaPad S10e

香港からLenovo IdeaPad Lite S10 (※IdeaPad S10eじゃない)を買いました。

当初はIdeaPad S10eをレノボジャパンから買おうとしていて、サポート部門である日本IBMの部品センターで米国英語キーボードのモジュール(NMB製の黒は42T4187/白は42T4265、Chicony製の黒は42T4163/白は42T4241っぽい)を取り寄せようとしたら、「IdeaPadの多国語キーボードは扱いがございません。今後も扱う予定がありません、要望が多ければ検討します」とのことで、ああこれじゃキーボード無理じゃね? と。

本体を発注する前にTranscendの2GB DDR2-667 200pin SODIMMと64GB SSDを買って、自分を追い込みました。買ってしばらくしてから「本体在庫が押さえられました」という連絡をもらって発注という。

EMSで送られてきた本体が昼過ぎに届いてすぐに裏蓋を開けてメモリとSSDを換装して、とりあえずWindows XP Professionalをセットアップして、ATOKとPhotoshopとOfficeをセットアップして動作確認してる間に15時からの仕事の打ち合わせの時間が迫ってきて、そのままお客様先まで持っていったり。でも私の仕事は極度にGoogleのWebサービスに依存しているので、GmailとGoogle Docsがあれば割となんとか仕事ができます。Googleが障害とか起こさないといいですね。

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香港版のIdeaPad Lite S10と、日本で売られているIdeaPad S9e/S10eを比べると、以下の違いがあります。

・「IdeaPad」ではなく「IdeaPad Lite」ファミリ
・LCDが非光沢の10.2インチ1024x600 (日本版は光沢の8.9インチ1024x600/10.1インチ1024x576)
・101配列準拠の英語キーボード (日本版は106配列準拠の日本語キーボード)
・D2Dリカバリ方式の国内版と違って、XP Home ULCPC版のリカバリCDとドライバCDが添付されている

「IdeaPad Lite」ファミリなのは、香港の「IdeaPad」ファミリにはUシリーズとYシリーズ、Zシリーズの3種類があるからだと思いますが、これは米国でも事情が同じはずなので見当違いかもしれません。

画面に関しては、ブラウザで1行くらいしか違わないくらいの、24ドット差のLCD解像度は割とどうでもいいんだけど、「Enterキーが横長で101配列準拠のキーボード」というのと「液晶がノングレアじゃないと嫌」というのが大きくて、アメリカから取り寄せる方策とヨーロッパから取り寄せる方策と香港から取り寄せる方策を検討して、いちばん親身に対応していただけた買物隊さんから購入に至ったのでした。価格は他より若干(※といっても数千円です)高かったけど、トータルの満足度と国内の銀行口座への振り込みでいいってのがとっても楽です。海外送金は手数料と送達日数がとんでもなくて、いろいろめんどくさい。

その他の細かい違い。型式番号が日本や米国の4000番台じゃなくて、中国や香港では20000番台のようです。香港版は型式番号が20015でした。中国の大陸側では製品名自体が違うようで、製品名は「Zhaoyang M10」(※S10ではありません。Zhaoyangは本来なら漢字名だと思いますが、正確な漢字がわかりません。たぶん『昭阳』じゃないかなー)・型番がたぶん20014です。

香港版のIdeaPad LiteファミリにはS9e/S9/S10e/S10と4シリーズありますが、香港電脳街にはあまり出回っていないようで、電脳街での入手は結構難しいようです。でも、その割に香港ではネットブックのトップシェアだと言っています(ソース: GfK Hong Kong)。
また、色もシリーズによって限られてきます。S10なら白しかありません。黒いIdeaPad S10は米国版です(この色は正式にはDark Grayと呼ぶらしいです)。キーボードとOSも、簡体中文版と英語版があります。

キーボードはネットブックにしてはまともです。私の購入した筐体には、アジア向けの大半のThinkPadと同じくNMB製のモジュールが搭載されていました。ただし、これもアジア向けのThinkPadと同じく、Chicony製のいわゆる“ハズレ”モジュールを搭載した筐体も出荷されていますので、ハズレを引いたらご愁傷様です。キーボードに適度なクリック感がなかったらChicony製です。曰く、「大理石の上ではNMBもChiconyも一緒」。TrackPointがないのは個人的にはあまり気になりませんが、むしろ周りが「Lenovoなのに赤いポッチがない!」と驚きます。マルチタッチ対応のSynaptics Touchpadはふつうに使いやすいです。

気に入らないのは、Fnキーとの組み合わせで発効されるイベントが、ThinkPadと同じ配列になっていないことです。Fn+F4でスタンバイとかFn+F7で無線関係切り替えとか、ThinkPadユーザーには常識なのに、これがすべて配列違いになっています。同じLenovoの製品なのにややこしすぎだろJK。ThinkPadと比べてEscの位置がおかしいとかチルダの位置がおかしいとか、ここら辺は妥協するけども……。
無線キーと無線スイッチが別々のキーで実装されていて、無線スイッチで無線を切っている場合は無線キーを押してもエラーが出るだけ、というあたりのソフトウェアの作り込みの甘さも、Thinkファミリと比べるとたいへんよろしくないです。
Lenovoが旧IBM時代から掲げる“ThinkVantage Design”には、「機種が違っても同じユーザー体験を」というものが含まれているのだから、ここら辺は何とか次機種以降でできるだけ早急に改善してほしいところですね。

バッテリーは日本のS9e/S10eと違って3セルのスリムタイプだけど、Celxpertという台湾の新興メーカーのセルを使用したものでした。日本版はたぶんSanyoかなんかのはず。SSD換装後の数値なので参考程度ですが、LCDの輝度と無線関係を適度に設定していれば、だいたい2時間半程度は持ちます。当初は6セルバッテリーを買おうと思っていて、これなら要らないかなーという程度には持ちます。
電源管理ユーティリティが結構ゆるふわな感じ(バッテリーの残容量が危険値を切ると、毎パーセント残ごとにLCD輝度が発狂したり)なのと、無線電波管理ツールのインタフェースがわかりにくいです(ON/OFFの表示色が背景にとけ込んだり、そもそもボタンがどれだかよくわからない)。このあたりは聯想北京のチームの仕事のようです。ソフトウェアはレノボジャパンのチームにやらせればいいのに。

デザインは3セルバッテリーであることもあって、閉じれば完全フラットで美しいです。開いても、眩しいLED光源は絶対に直接見せずに半透過にするとか、余白のデザインエッセンスを共通化させるとか、穴の空いている部分に必ずメッシュやアクセントを入れるとか、おそらく中国聯想のデザインをレノボジャパン大和のデザインチームでリファインしたんだろうなーという部分があって、結構完成度が高いと思います。
旧Lenovo 3000シリーズのころは、外見・(基板を含む)中身両方ともの北京のデザイン全般に内藤副社長がぶち切れて、その全部を数週間徹夜して手直ししたとかいう伝説があるので、きっとそういうところがあったのでしょう。ハードウェア全般のデザインには、日本チームのエッセンスを適度に感じます。だから余計に、頭の悪いソフトウェア群をどうにかしてください。

添付のACアダプタは本体と同色なんだけど、3ピンのいわゆるミッキー型コネクタで、電源ケーブルは英・香港仕様のジャックに極太ケーブルなので、日本での使用には変換ジャックが必要です。これは同梱されていました(※買物隊さんで同梱してくれたようです)。
が、それでも実用にはおよそ遠いので、ACアダプタの色は黒になっちゃいますが、日本版のS9e/S10e用ACアダプタ「41R4444」を買いました。日本版なら普通の2ピンのメガネコネクタなので、ケーブルも細いです(※付属のものは240V対応なので、100V用を買う必要がありますが)。
白いほうを自宅用にするにあたって、ダイヤテックの変換コネクタ「YL-3114」を買って、メガネケーブルが使用できるようにしました。変換コネクタが結構大きいので、やっぱりこっちは持ち歩きには向かない(大半のネットブックはミッキー型コネクタなので、これ含めて持ち歩いてる人多いけど)。

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以下、自分の知りたいことをぐぐれる人向け情報。もうちょっと詳しいことは、どこかのWikiに書いておきました。

IdeaPad Sシリーズは、いわゆる〝OSX86の夢〟が見やすいマシンです。Wi-FiやBluetoothがBroadcomチップなので素体としての相性がいいようで。RGB端子からの出力が不可能(ミラーリングが壊れる)なのと、内蔵LANポートが死ぬ以外はほぼ完璧に動作するようです。LANポートはApple純正のMacBook Air用USB Ethernet Adaptorを使うといいですね。
msiwindosx86とかBoot-132とかの夢を見るためのインストール手段は問いませんが、基本的にはLenovo_S10.zipがあればふつうに使えるという夢が見られますし、ソフトウェアアップデートでOS X 10.5.4→10.5.6という夢を見ることが出来ると思います。
なお、ソフトウェアアップデートからOSのマイナーバージョンアップを実行すると、キーボードドライバが一時的に死ぬので、夢の中にUSBキーボードがあるといいかもしれません。こういう面倒を避けるために、10.5.6へのアップデートだけは、ソフトウェアアップデートでなくMacOSXUpdCombo10.5.6.dmgからアップデートして、再起動前にWindPS2Files.zip内のファイルをKext Helperに食わせると楽だと思います。

日本のS9e/S10eがどうだかはわかりませんが、少なくとも手元のS10では内蔵Bluetoothが接続されているとスリープに入れないという夢でした。このためにプリンストンの外付けのBluetoothアダプタを買ったという夢を見ました。

OS X 10.5.6がPANを食べないときは、ネットワークの設定からBluetooth PANをいったん削除して、同じ名前でBluetooth PANを作り直すといいようです。

Adobeのアプリケーションが解像度の問題で入らない場合は、画面共有を有効にして、XGA以上の解像度を持つPCからネットワーク越しにアクセスして、その画面上からインストールするといいようです。
  • 購入金額

    55,000円

  • 購入日

    2009年03月05日

  • 購入場所

    香港電脳買物隊

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