幕末も倒幕直前に藩の権力を握ったため、大勢が決まってからの決断が藩に不利に働く。そのため新政府軍に反抗し、北越戦争で散ってしまうのだが、その生きざまは英雄そのもの。
この人物にスポットライトを浴びせ、世に紹介したのが司馬遼太郎であるが、目指した目標に到達できなかった悲劇性は坂本竜馬に通じるものがある。
その信念は知行合一の陽明学の精神が行動哲学となっており、考えと行動は常にひとつとなっていなければならないという理念であり、長岡藩は小藩でありながらも武装中立を目指し新政府軍に対抗。日本で初めてガトリング砲を使用し、新政府軍を何度も苦しめた。
敗退途中に詠んだ「八十里 腰抜け武士の 越す峠」と自嘲する句はその無念を噛みしめる継之助の苦しい心中を感じずにはいられない。
果たして現在に生きる我々はこの歴史から何を学ぶべきか?
人の評価とは何なのかを考えさせられる。
「何をなしたかではなく、何をなそうとしたのか?」そんな尺度で評価すべきではないかと感じずにはいられない。
河井は後に地元長岡では随分嫌われたそうだが、他府県人は単純に英雄などと言うべきではないのかもしれないが、少なくとも潔い生き方や美意識を学ぶには格好の教材であると思う。
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購入金額
1,500円
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購入日
1997年頃
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購入場所
朝屋書店
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