レビューメディア「ジグソー」

HDDの回転数が速いことは良いことだ。

15000rpm、300GBのSAS HDDです。
3.5インチモデルだけあって、シーケンシャル性能が秀でています。
SAS6/iRで計測
SAS6/iRで計測


発熱は思ったよりありません。
また、ケースが2.5インチHDDよりも大きく重たいためか、振動・騒音も気にならないレベル。
これを2台でRAID0とかも良さそうですね。
SASは業務用だけあって、速度もそうですが信頼性が高いのが気に入っています。

3000円弱で入手できたのでラッキーでした。
ちなみに、発売当時は17万円もしたお高いHDDです。

某所に登録した際の紹介文ですが、せっかくなのでこちらでもご紹介。

■HDDの回転数は速いほど良い?!

回転数が速いということは、シーケンシャルのデータ転送が速いというメリットもありますが、ランダムアクセスの高速化に寄与するという大きなメリットが存在します。
シーケンシャルのデータ転送はヘッドが一定距離を移動する間にどれだけのデータにアクセス出来るか、という項目でほぼ決まりますので、数式で表すと『回転数×プラッタ密度』でほぼその性能が決まります。
最近のSATA HDDでは1枚あたり1TBという大容量のプラッタも登場していますので、1プラッタ100GBだと思われるST3300655SSはかなり不利となります。※1

HDDで重要なのは、どちらかというとシーケンシャルアクセス性能よりも、ランダムアクセス性能がキモとなります。
OSやアプリケーションの起動においては、HDDの様々な箇所に記録されているデータを読み込む必要があるため、ランダムアクセスが大量に発生します。

HDDのプラッタは回転しているため、読みたいデータが通り過ぎてしまうと、プラッタが1回転して戻ってくるのを待つ必要があります。
回転寿司で欲しいネタを取り損ねた場合、もう1周待たないといけない、という状況を想像していただければわかりやすいかな…と。
「あ、そこの大トロ取って!」「って、このタイミングで?!」「ぎゃー、取り損ねたっ!」「orz」という状況です。
そうなると、次に大トロが廻ってくるまでには、大量の待ち時間が発生してしまいます。※2

では、物理的な方法で、大トロが流れてくるまでの時間を短くするにはどうすれば良いか…そうです、回転寿司のレーンの速度を2倍、3倍にしてしまえばいいわけです。※3
そうすれば、取りたいネタがすぐ廻ってきますので、待ち時間をぐっと減らすことが出来ます。
つまり、最近一般的になりつつある5400rpm付近のHDDや7200rpmのHDDよりもランダム性能を重視した結果、SAS HDDでは10000rpm、15000rpmと回転数が極めて高速になっているワケです。

当然、回転数を上げると発熱・消費電力も増えますし、パーツに求められる精度も格段に上がりますから、コストの上昇を招きます。
民生用ではVelociRaptorの10000rpmが最高ですが、他社からは7200rpmまでのHDDしか登場してこなかったことを考えると、やはり騒音と発熱というデメリットを抱える15000rpmのHDDは一般向きとは言えないと思います。

しかし、HDD最高の回転数である15000rpmにロマンを感じる人や、エンタープライズ向けの信頼性の高さ、SSDに比べると大容量というメリットはまだあります。
昔は目が飛び出るほど高額だったエンタープライズ向け製品を安く買える現在、半分(8割?)ネタとしてSASに走ってみるのも、面白いのではないか、と思います。

あ、でも一般の方はやはりSSDを買われた方が、総合的な満足度は遙かに上です。
物理的なモーターやヘッドの移動がないSSDのランダムアクセス性能には、SAS HDDはどうやっても勝てませんので。
ノーマルのミニ四駆(SATA HDD)と、ハイパーダッシュモーターPROを積んで速いゼ!!!(SAS HDD)と言っている世界に、現役のF1マシンを持ってきてぶっちぎるくらい別世界です、ハイ。※4


※1:厳密に言えばコンシューマ向けの3.5インチHDDでは、回転数が低いためプラッタの直径がHDDのフレームの幅ぎりぎりの大きなものになっていますので、プラッタ面積が大きく取れ、大容量です。
15000rpmの3.5インチSAS HDDでは、ブレや振動が生じないように小型のプラッタが入っているため、面積あたりのデータ密度が同じであっても、プラッタ単位の容量となるとかなり少なくなってしまいます。

※2:板前さんにオーダーするとか、途中で誰かに食べられてしまうことは想定外とします。

※3:レーン速度を上げると、カーブのところですべての皿が遠心力に逆らえず、すべて床にダイヴしてしまうか、皿の重力による抵抗とシャリの粘着力によるグリップでかろうじてカーブに耐えたとしても、ネタがフライングしてしまい、レーンの上にはシャリだけが乗った皿が並んでしまうことが予想されます。
ですので、実際にこの方法を採用するお寿司屋さんは存在しないと思われます。

※4:比較すること自体大人げないことですので、SASはHDDの世界でお楽しみ下さい。
SSDの速さは、卑怯だ(笑
(…という理由で、私もメインPCはSSDです)
  • 購入金額

    3,000円

  • 購入日

    2012年02月03日

  • 購入場所

19人がこのレビューをCOOLしました!

コメント (2)

  • JUN8731さん

    2012/02/03

    17万→3000円 !?
    ラッキーですねーーー!
  • ちょもさん

    2012/02/03

    JUN8731さん:
    2006年に発売になったHDDですので、今では激安です。
    リースが終わったサーバーからの取り外し品など、中古でそこそこ潤沢に出回ってますので、結構安く買えたりします。

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