レビューメディア「ジグソー」

外します

コルセアのメンテナンスフリー水冷キット。
大流行しましたね。

ともかく、改めて見直してみましょう。

■冷却■
冷却性能については、そこそこいけるレベル。
近年の最新のハイエンド空冷クーラーの実力は半端ないので、それらと比べるとかなり落ちます。
が、CWCH50-1が登場した近辺で言うと、トップレベルの空冷クーラーと、そこそこ張り合えたレベルでした。

プチオーバークロックはできるでしょうが、限界ギリギリのオーバークロックには、はっきりと言って向いていませんでした。

フル水冷化したi7 920をオーバークロックしていましたが、50cmを超える480サイズのラジエターを使ってました。
それでも、もう少しラジエターを追加したいな、と思うくらいです。

限界までオーバークロックするには、明らかにラジエターサイズが小さすぎますし、ポンプも弱い、さらに水枕の構造上、熱交換能力が低くいのが致命的。
オーバークロックする場合、CWCH50-1よりもHR-02程度の実力のある空冷クーラーに強力なファンを取り付けたほうが冷えます。

■排気方法■
通常、廃熱はケース外に排出するのが当たり前と思われていましたが、完全出来上がりのメンテナンスフリーという形状の問題上、どうしてもケース内部に排気したほうがCPUが冷えやすいという理由から、「ケース外から吸気してケース内に排気」をメーカーが推奨していたのも面白いですよね。
そのおかげかはわかりませんが、何故か普通の水冷でも「ケース外から吸気してラジエターの熱をケース内に排気」している、という人が増えたのは面白い現象でした。

■流行語■
このCWCH50-1は、簡易水冷というにわかに新しい言葉を作ったクーラーといえます。
いつ、誰が、どこで、言い始めたのかはまったく不明ですが。
ともかくこのクーラーが現れるまではまったく使われなかった、いや、存在していなかった言葉でした。
同じくして、「簡易」の対義語として、「本格」という言葉も登場。
本格って何を指して?って思ってしまいますが、どうも、簡易水冷以外の水冷が「本格」のようです。
じゃあ簡易って?ってことなんですが、これは「メンテナンスフリー製品」全般を指しているのか、「CWCH50-1のような概観をした製品のこと」なのか、よくわかりません。
メンテナンスフリーの製品は実は結構多くて、Rhythm CL-W0042のような大型の組み立て型水冷キットも。


そうすると、簡単に設置できるから「簡易」なんでしょうか。
それだと、普通の水冷キットも「簡易」に入ってしまうものもある。
つまり、やっぱり「CWCH50-1のような概観をした製品のこと」をさしている言葉のように思えます。
昔あった「マルチメディア」のような曖昧な一種の流行語の感じ。
もし分けるとしたら、普通はローエンドとハイエンドですよね。

■メンテナンスフリー■
そもそもこの水冷キットは、メンテナンスフリーというのが特徴で、2年のメーカー保証が付いています。
つまり2年間は絶対動くからね、とメーカーが保障しているわけですね。
ただ、この点についてはポンプにいささか心配も。
そもそも、CWCH50-1は、コルセアが作ってるのではなく、他のメーカーがOEM生産していて、サーバー用クーラーとしても搭載されていたので、耐久性はそれなりに大丈夫なんだろうとは思いますが。

また、銅とアルミの混合だという点も。
アルミニウムの化学的性質(耐食性)
確かに、クーラントを使用していれば、急速な電蝕は防ぐことはできるのですが、電蝕という反応そのものは、導電性のある溶液中に浸っている場合は必ず起きる自然現象なので、導電性の度合いによって多かれ少なかれ進行します。
アルミに穴が開くほどの年限が経過する前に、ポンプが先に壊れるのですが、電蝕によって分解したアルミは、成分が冷却液内に溶け出して水路を巡回します。
それらはごく少量なのですが、水枕内部や、ラジエターの内側にへばりついていくことで、薄い膜となり、徐々に冷却性能が低下します。
水冷ユーザー、少なくとも自分がメンテナンス(分解清掃)を行うのは、そういう汚れの清掃も含んでいます。
当たり前ですが、メーカーは動作を保障しているのであって、冷却性能の維持までは保障していません。

■功績■
ともかく、メンテフリー(メンテナンスフリー)というジャンルを開拓し、完全出来上がり水冷キットの地位をある程度確保したという功績は大きいのではないでしょうか。



■あとがき■
ところでこのCWCH50-1。
サブPCにつけていましたが、そろそろお蔵入りにしようかと思っています。
というのは、単純に飽きてきたから。
見た目としては、太いパイプがうねっていたり、でかいヒートシンクがドカーンと乗ってるほうが好みというのもあります。

また、サブPCはできるだけ単純な構成にしておきたいというのも理由のひとつ。
知らない間にポンプ止まってた、というのは少し困る。
メインPCなら毎日目をかけているので、異常があればわかりますが、サブPCは、普段は自動で休止から復帰して自動でbat処理しているようなサーバー的な使い方をしているので、異常があっても気付きにくいので。

これからは検証用のまな板で使用します。
お疲れ様でした、そしてありがとうCWCH50-1。
  • 購入金額

    12,000円

  • 購入日

    2011年01月30日

  • 購入場所

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