レビューメディア「ジグソー」

かわいいレトロPC

更新: 2016/08/05
スペック

当時のノートとしては標準的

CPU: Motorola 68030 33MHz

RAM: 4MB(MAX 28MB)

Storage: 200MB HDD

Display: 9.1inch Grayscale TFT

Comm: 14.4kbps Express Modem

Expansion: Duo PDS

 

CPUのスペックは当時のノートとしては標準的。

メモリは、少し少なかったが、私の所有品は、12MBくらいはあったと記憶している。

ストレージは、200MBのHDD。これも当時としては標準的であり、また、私の所有品は、1GBくらいの物に換装されていたと記憶している。

 

現代の目に逆に新鮮なのはディスプレイ。

これは、最近の製品でいえばポメラの備えるようなモノクロ液晶であった。

ただし、使い続けると、四隅にクマができるというものであった。

視認性はまずまず。

明るいところでは、バックライトを消して運用することで、バッテリーの動作時間を長くすることができた。

 

特筆すべきは、その拡張性。

最近のタブレットでこそ、拡張ポートはUSBのみ、といったものも少なくないが、本製品は、拡張ポートは、モデムとシリアルポート(通信ポート)の他には、別売のDuo Dock・Duo Mini Dockを接続するためのポートがあるのみであった。

つまり、マウスを繋ぐにも、Dockを繋がないといけないというシロモノであったのだ。(もちろん当時はワイヤレスマウスまど存在しない)

また、外部のリムーバブルストレージとして、当時一般的であった「フロッピーディスク」も、本体には搭載せず、別売のフロッピードライブを購入することで接続ができた。

つまり、現代の「モバイルノート」あるいはタブレットの元祖とも言える。

 

ただ、このDuo PDSに接続できるDockというドッキングステーションがまた画期的なものであり、純正・サードパーティーから用途に合わせて様々なものが発売されていた。

私は、このPowerBook Duoを、当時雑誌で取り上げられていたようなリアルタイムで所有していた訳ではないが、このDuo PDSからは無限に可能性が広がっていたように見えたものである。

更新: 2016/08/05
キー配列

クセのないMac標準配列。

Macの標準配列で、とりわけ他社にありがちな、ノートPC特有の、変則配列などはない。

また、キーピッチ・キーストロークも適切に確保されている。

このDuoのキーボードの押し心地は、少し固めであり、お世辞にも打ちやすいというものではないが、かといって、極端に押しにくいこともない。キーの取りこぼしもなく、キーボードとしての機能は十分に果たしている。

更新: 2016/08/05
バッテリーの持ち

当時としては標準的?

この製品が発売・活躍していた当時としては、標準的な稼働時間であったかと思うが、少しでも稼働時間を伸ばそうと、さまざまな苦労がされていたようである。

例えば、ディスプレイの輝度を落とすのは当然として、ディスプレイの次に電力を消費するハードディスクの回転を少しでも減らすために、RAMディスク(搭載メモリの一部をストレージとして使用する)によく使うアプリや日本語入力の変換辞書、ディスクキャッシュを置いたりするなどしていた。

更新: 2016/08/05
デザイン性

プラスチックでできていて高級感はないが、スマートなデザイン。

グレーのプラスチック樹脂でできた本製品に高級感はないが、デザインは洗練されていて、とてもスマートである。

更新: 2016/09/11
使用感

使用感はまずまず

世の中的にも既に一線を退いて大分してから入手したが、この機種がまだまだ世の中で多くの人に愛好されていた時代のOS「漢字Talk 7.5.5」で運用していると、当時としても1~2世代前のCPUを搭載していた割に、サクサク動いていた。

 

キーボードのタッチは若干硬めであったが、意外とクセになるような感触である。

ポインティングデバイスは、トラックボールを採用している。通常のPowerBookより一回り小さいが、感触は良好。

クリックボタンは、使い続けるとヘタるが、なんとボタンがボールを挟んで前後に二つあるので、どうにかなる。

個人的には、キーボード側のボタンの方が、ホームポジションから手を離さずに押せるので好みである。

更新: 2016/08/05
実用性

当時としては用途を限定すれば十分実用的であったと思われる

当時、本製品を持ち歩いていたのは、出先でテキスト作成をしたり、「パソコン通信」をする必要があった層である。

まだまだパソコンの重量が重かった時代にあっては、いらないものを少しでも減らして、1gでも軽く、というような設計思想に基づいて作られた製品がもてはやされた。

そんな時代にあっては、本製品は十分実用的であったと思われる。

 

もちろん、2016年現在においては、本製品の用途は、Raspberry Piなどのコンソールや、純粋なテキスト入力用くらいにしか使用できないだろうが、当時としては画期的であり、かつ実用品であったことが偲ばれる。

更新: 2016/09/11
残念なところ

Dockがなければほとんど何もできない

前項にも書いたが、通常のPowerBookから外部接続インターフェースやストレージを減らし、マウスを接続するためのポートでさえも削っていて若干の不便さがある。

(通信のためのシリアルポートとモデムは搭載していた)

 

当時、ハードディスクやCD-ROMドライブを接続するために使用していたSCSIポート、マウスやキーボードを接続するためのADBポート、高速ネットワークに接続するためのEthernetポートは、別途Duo DockまたはMini Dock、Micro Dockと呼ばれるポートリプリケータ(ドッキングステーション)を必要としていた。

 

このDockがまた高く、Mini Dockが90,000円、Duo Dockに至っては200,000円、micro Dockでさえも30,000円という価格であった。

 

なお、携帯性と引き換えに、拡張性を犠牲にするというこのDuoの発想は、約15年後のMacBook Airでも健在であった。

  • 購入金額

    0円

  • 購入日

    2004年頃

  • 購入場所

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