レビューメディア「ジグソー」

Core2シリーズとは比較にならない処理性能

これまではCore2Duo E8500を3.8GHzにOCして使っていましたが、こっちの定格使用の方が断然早いです。ビデオカードを換えなくとも、CPUを換えただけでベンチのスコアがグンと上がりました。今はOCして3.5GHzで使っていますが、動画編集などでの処理速度はE8500を遙かに超えてます。これまでのCPUとは使い方が微妙に変わっているので、Core2シリーズから乗り換えるには多少の知識が必要ですが、金銭的に余裕がある人は乗り換えて損はないと思います。


購入を考えている方やCorei7の詳細を知りたい方はここからの記述が参考になると思います。


●定格時とオーバークロック時の比較

注:検証機の主要スペックは下記の通りです。

CPU: Corei7-860(定格2.80GHz)
CPUクーラー: リテール品および Thermaltake 桜扇ISGC400
M/B: GIGABYTE P55-UD3R(Rev1.0)
MEM: UMAX Cetus DCDDR3-4GB-1333(全8GB うち4.5GBがRAMDISK)
VGA: MSI N275GTX Twin Frozr(GeForce GTX275)
電源:Antec TP-750BLUEAP
SSD: OCZ Vertex30GB×3 RAID-0(OS用)
サウンドカード: CREATIVE Sound Blaster X-Fi Ttanium(PCI-E×1)
CACE: ZALMAN GS-1000(ブラック)
(天板2基、背面1基、底板1基、120mm38mm厚ファン、全て排気)
OS: WindowsXP pro SP3

LGA1156の Corei5/i7シリーズでは、オーバークロックの手法が従来のCore2シリーズまでとは大きく異なります。CPUの動作クロックは「FSB(ベースクロック)×倍率」によって決定されますが、従来は基本的に倍率が固定であったため、実際にはFSBを変えることで動作周波数の変更を行ってきました。

一方、新i5/i7シリーズでは倍率の手動変更も可能になっています。「Turbo Boost(以下TB)」では、CPUの負荷状況に応じて、ベースクロック(BCLK)ではなく倍率を自動的に上げることによって動作周波数を引き上げる仕様になっています。i7-860では、動作コア数に応じて引き上げ幅(bin=133MHz)が以下のように変わります。

(BCLK=133MHz)
4コアの場合:1倍
3コアの場合:1倍
2コアの場合:4倍
1コアの場合:5倍

すなわち、CPUの余力に応じて下記のように動的にOCが行われることになります。

定格:133MHz×21=2373(2.80GHz)
4コア使用可能な時:133MHz×21=2373(2.80GHz)
3コア使用可能な時:133MHz×21=2373(2.80GHz)
2コア使用可能な時:133MHz×(21+4)=3325(3.33GHz)
1コア使用可能な時:133MHz×(21+5)=3458(3.46GHz)

つまり、TBによる倍率の引き上げ幅は使用コア数が少ない時ほど大きいため、マルチコア対応のソフトウェアを使用する場合など、全コアにおいて性能の底上げを狙うならばTBをOFFにし、従来通りBCLKを引き上げてOCする方法が有効であり、シングルスレッド対応、すなわちマルチコア非対応のソフトウェアを多く使う場合は、TBによるOCが効果的になる、というわけです。

なお、従来通りベースクロック(BCLK=133MHz)の変更によるOCをしていてもTBは有効ですので、BCLKの上昇による全コア動作周波数の引き上げをしつつ、TBによるさらなるOCによって最大のパフォーマンスを得ることができるわけです。ただし、その場合はCPUの限界を超える動作周波数設定になることがあるため、BCLKの上げすぎには注意が必要です。

次に、実際にOCテストをした結果をレポートしてみたいと思います。

まずはCPU温度のテストから。
TBによる各レベル設定をBIOSで固定して測定してみました。
CPU負荷時はOCCTを使用しています。室温は25℃。
また、CPUクーラーはリテール品を使用。
なお、参考としてPC全体の消費電力も調べてみました。

アイドル時(2.50GHz):50℃ 消費電力:252W
CPU負荷時(TB無効):82℃ 消費電力:266W
TB有効時(3.33GHz):85℃ 消費電力:345W
TB有効時(3.46GHz):99℃(OCCT完走せず) 消費電力:381W

OCによって発熱と消費電力がかなり増加する状況が分かると思います。また、3.46GHzの時点で既にCPUが限界まで過熱してしまったので、リテールクーラーでは自ずとOCの限界が見えてきます。従って、OCを突き詰めていくのであれば、CPUクーラーの換装が前提になります。別の言い方をすれば、性能の高いCPUクーラーを使った方が、より高い周波数で動作させることができる、ということが言えると思います。これは、どのCPUに対しても言えることではありますが、このCPUでは特にその傾向が大きいと思います。

OCを突き詰めていきたいのであれば、ケース内のエアフローも含め、CPU冷却の方法をあれこれ工夫する必要がありそうですね。ちなみに、CPUクーラー換装後のOCでは、最大で4.2GHzでの動作を確認しています。ただし、冷却がとてもシビアになりそうで、常用したくないレベルなので特に測定は行いませんでした。

とりあえず私は3.50GHz、TB有効の設定で常用してみることにしました。もちろん、CPUクーラーは換装しており、この設定でOCCT、3DMark06の完走を確認しています。

次に、グラフィック性能の変化を見るため、ベンチマークを走らせてみました。今時なら3DMark Vantageを使用するのが妥当なのでしょうが、あいにくXPでは使用できないため、3DMark06を使用しています。ビデオカードの設定変更は一切せず、CPUの設定変更のみです。

CPU定格(2.80GHz):3DMark06 Score 17801
CPU OC(3.50GHz):3DMark06 Score 20351

ビデオカードの持つポテンシャルを十分に引き出す結果となりました。現状では、ビデオカードにはまだまだ余力があり、CPUの能力が上がればそれに比例してスコアが伸びる傾向が見られます。ちなみに、3DMark06の実行中は、消費電力が最大で450Wを超えました(EIST無効)。


●雑記

CPUのサイズはLGA775時代の物とほとんど変わりません。その一方で、ソケットの数字通り、接点の数が 775個から1156個に増えています。つまり、それだけソケットのピンの密度も上がっており、LGA775よりも作りが華奢になっている印象を受けました。誤ってCPUを落としたり、ドライバの先などが接触したりすると、簡単にピンが折れてしまいそうだと思いました。取り扱いには十分注意した方が良いと思います。

また、付属のリテールクーラーですが、冷えない上にかなりうるさいです。マザーボードのヘッダピンに挿してPWMによる回転数制御をさせていたのですが、ブラウザを立ち上げたり、ファイルのコピーを行うなど、何か少しでも操作をするたびに、リニアに反応して回転数が上がります。これが結構耳障りなので、特にオーバークロックはしないという方でも、静音性を少しでも考慮するならクーラーの換装をお勧めします。










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  • 購入金額

    28,705円

  • 購入日

    2009年10月頃

  • 購入場所

    クレバリー

36人がこのレビューをCOOLしました!

コメント (42)

  • GORO助さん

    2010/03/07

    Thank Yoooooooooooooou!

    ・・・・って、どこかで同じことやった覚えが(笑)。

    でも、本当にこのCPUは良いです。LGA775世代から乗り換えると性能アップしたことがはっきりと体感できますね。メモリの転送速度も大きく向上しているので、RAMDISKのスコアも大きくアップしてます。

    ただ、CPUをOCすると3DMark06のスコアがアップするので、グラフィックの性能に関してはこのCPUを以てしてもまだCPUがボトルネックになっている可能性があります。GTX275の方はまだまだ余裕がありそうですので、OCも含めてどこまでCPUを強化したらスコアが頭打ちになるのか、 GTX275、CPU共にポテンシャルを最大に引き出し、底力を試してみたい物です。


    ・・・・しかし、検証するお金がないのが現状で最大のボトルネックになってますw
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