レビューメディア「ジグソー」

ちょっとしたメディアサーバー化も可能 セカンドPCにはもってこい

溜めた動画や音楽を外出先や違うPCなどから再生したい。
そこでAtomPCをメディアサーバーとして運用開始してみました。
今回はサーバーにするために、「Orb」というフリーソフトを使用しました。
メディアサーバーとしてだけではなく、ファイルサーバーとして、PCにおいてあるいろんなファイルも見たり、ダウンロードすることができます。

サーバーとして使用しようと思うと、基本的に、R11S4MI-BAの電源はつけっぱなしにしておかないといけません。
比較的、消費電力は低いので、つけっぱなしでもいいのですが、今回は、BHR-4RVというBUFFLALOから発売されているリモートアクセス可能なルーターを使用しました。
このルーターはVPN接続という、暗号化された安全性の高い通信で、職場やホテルなどの外出先から自宅のPCに接続できる優れもののルーターです。
これを使うと、外にいても、ネットブックなどから、インターネットを通じて、家においてあるPCの電源をONにして起動できます。

このOrbと、BHR-4RVという二つのアイテムを使って、R11S4MI-BAを完全リモート操作OKなメディアサーバーとして使用してみました。

..音楽を聴く..

Orbが最高で320Kbpsくらいの高ビットレートで再生してくれるので音質に問題はありません。
WMV、MP3、APE、など、いろいろなファイルフォーマットに対応しているようです。
LAN内であればファイルの最高ビットレートで再生可能で、iPhoneなどでインターネットを通して聞く場合は、あらかじめ設定したレートか、そのときの最適なビットレートで視聴できます。

Orbがリアルタイムでストリーミング処理をして配信してくれるため、ダウンロードを待つ必要が無く、スムーズに音楽を選曲、試聴できます。

このとき、サーバーとして稼動しているときのCPU使用率は約6%ほどになり、まったく問題ありません。

..動画を見る..

OrbがPC内にある動画をリアルタイムでストリーミング処理して配信してくれます。
LAN内であれば元のファイルのビットレートに近いクオリティで再生可能で、iPhoneなどでインターネットを通して聞く場合は、あらかじめ設定したレートか、そのときの最適なビットレートで視聴できます。

R11S4MI-BAでフルHD動画を視聴するには無理があります。
かなりがんばっているのですが、やはりパワー不足です。
普通に見ることもできないので、サーバーとして、さらにそれを処理して送信するのはもっと無理があります。
DVD以下の画質なら、なんら問題なく視聴可能ですし、Orbで見ることもできます。

h264で作成された動画は、1280x720以上のサイズになってくると、ffdshowなどのコーデックでは負荷が高すぎてカクカクになり、音がずれてきたりしてまともに視聴できません。
ちなみに再生用コーデックにCoreAVC 1.9.5を使用し、フルスクリーンで見た場合であれば、スムーズに視聴ができました。

..組み立て..

ほとんど完成した形のベアボーンキットなのでとても楽です。

..形状..

意外と重いですね。
一番の利点はやはりコンパクトであるということだと思います。

..静音性..

BIOSの設定で、一定の温度以下になると自動でファンを止めることができるなど、細かい設定ができます
が、回りだすと結構うるさいです。

..ドライバ..

ドライバは付属CDからのインストールとなります。
BIOSやその他のドライバは同時にインストールできるアップデートツールを使用することで最新のものにアップデートすることが可能です。
なるべくアップデートを行っておいたほうがいいでしょう。

..TVを視聴する..

R11S4MI-BAに余っていたアナログTVチューナーを取り付けてみました。
PC-MV31XR/PCIというチューナーです。
これでメディアサーバーとしてOrbを通してネット越しにiPhoneでTVも見れるようになります。
LAN内では普通に同程度のクオリティで視聴が可能でした。

QRS-UT100Bを使い、USB接続で地デジを視聴してみましたが、まったく問題なく視聴できます。
視聴録画にはTVtestやTvRockを使いましたが、録画に関してもまったく問題なく録画可能でした。
ただ、録画した生のtsファイルをMedia Player Classicなどで視聴するのは処理が追いつかなくてカクカクになります。

..消費電力..

PCIにTVチューナーを設置し、HDDを2台接続した状態で、アイドル時50W前後、負荷時60W前後、となりました。
TVチューナーが6Wほど使用していますので、HDD1台の最低限の状態ですと、アイドル40W前後、負荷50W前後になるようです。
このあたりは他のatomマシンとほぼ同じです。



実際に使った感想

普通にパソコンとして使った感じでは、Pentium 4 3GHzを搭載したパソコンと比べると、速度は少し速いかな?という印象です。
ですが、フルHDといわれるタイプの動画を再生するには無理がありますし、最近の3Dのゲームを動かすのも無理があります。
そのあたりも、Pentium 4 3GHzのパソコンと同じ程度だと感じました。

h264を使用している動画でサイズの大きいものは、処理が追いつかないため、再生コーデックにCoreAVC 1.9.5を使用するなどの工夫が必要です。
ION搭載のatomを使用すればそのあたりの苦労は無くなるかもしれません。
そのあたりが唯一残念なところです。

ファイルサーバーとして運用するのであればまったく問題ありませんが、今回のように、動画再生まで行うメディアサーバーとして運用するにはパワー不足かなという印象です。

通常のネットサーフィンをしたり、youtubeで動画を見たり、たまに文章を打ったりする用途には、十分すぎる性能を持っていると思います。
ただし、それ以上の何かをしようと思うと、どうしても物足りないというジレンマにはまります。
一方で、値段やコンパクトさ、消費電力の低さを考慮すると、とてもよくできているという印象になります。
デュアルコアでHTの4スレッドCPUですからすごいですよね。

ちょっとネットがしたいときや、リビングにPCを置きたいときや、ちょっとしたサーバーを構築したいときには、本当にはまり役です。
まさに静かな名脇役、セカンドPCですね。

6ヶ月ほど普通にR11S4MI-BAを使ってきましたが、かなり使いやすいですね。
3Dゲームをするわけでもないのであれば、全くといっていいほど問題はありません。
Pentium 4 3.0GHz のPCと比べてみた感想を書きましたが、やはり、P4 3G と比べても、こちらのほうが使いやすいと感じました。
なんといっても、CPUがデュアルコアのAtom330で、しかもHTで動きますから、擬似的に4つのCPUで処理できる点が大きく違います。

CrystalMark 2004というベンチマークソフトで、Pentium 4 3GHzと、Atom330で比べてみました。

Pentium 4 3GHz
ALU=10487
FPU=9650

Atom330
ALU=10382
FPU=8767

若干、Pentium 4 3GHzのほうが上ですが、Atom330は擬似クアッドコアとして動く点と、メモリの速度が速いという点で、R11S4MI-BAのほうが、使っていて速いと感じたのでしょう。

ともあれ、ベアボーンキットということもあり、非常にコストパフォーマンスにすぐれていますよね。
5インチベイをひとつ備えている点も大きなポイントでしょう。
普段使いに便利なこともあって、かなり気に入っています。
本来、メインのPCはcore i7 920のPCなのですが、今ではこちらがメインPCのように稼動しています。
  • 購入金額

    16,800円

  • 購入日

    2009年06月12日

  • 購入場所

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