この三巻はまさしく物語の「転」を担う巻です。
ここで一番謎になっていた「ダリアの宴」の本質が見えてきます。
さらに玄児の出生も明らかになり、「私」にも読者にも衝撃を与えます。
加速する物語と謎。
読者はここで果たして自分はミステリを読んでいるのだろうかと頭を抱えるかもしれません。
幻想小説、ホラー小説、悪魔主義的小説、神秘主義的小説。
ミステリとまるでかけ離れたこの巻に眩暈すら感じます。
綾辻氏のもう一つのシリーズ「囁き」がここに反映されている気がします。
暗黒館で一番暗い「闇」の部分がこの巻にぎゅうっと圧縮されていて、読者は気圧されるかもしれません。
それほど、この「闇」の深さは深いです。
明らかにされた謎と、深まる謎。
二つを混濁に抱き合わせたまま、最終巻へ物語りは雪崩れ込みます。
-
購入金額
880円
-
購入日
2008年頃
-
購入場所
どこかの本屋さん
ZIGSOWにログインするとコメントやこのアイテムを持っているユーザー全員に質問できます。