それほど、これは推理小説らしい推理小説であった。
ヴァン・ダインの名前を知らないミステリ愛好家は少ないと思う。
そして恥ずかしながら、僕の初ヴァン・ダインはこれだった。
読むことが出来て僕は幸せだった。
犯人はすぐに分かったし、動機もある程度あっていた。
ある意味、読者にはすべての手がかりが与えられていて、そこから緻密に組み立てるならば、誰でも確実に犯人にたどり着ける。
そう、これは無骨なミステリ小説なのである。
僕はこれより先に「黒死館」を読んでいたので、それに通ずる何かを感じたが、案の定「黒死館」はグリーン家殺人事件のオマージュであった。
最も、その悪趣味さ故に「黒死館」は本作から乖離しているものの、中央に流れる「悪意」は確実に受け継がれていた。
グリーン家殺人事件の一番際立っている点は実際に起きた犯罪をベースにトリックが組み立てられている所だろうか。
それ以外にも、雑学的な知識を探偵がひけらかしているあたり、読み物としての面白さをトッピングされていると思う。
願わくば、高校生ぐらいの時に読みたかった作品である。
これはスレた大人にはちょっと向かない作品なのかもしれない。
大人になりかけの子供にぴったりだと思う。
そして、推理小説の面白さにぜひ目覚めて欲しいとも思った。
まだ読んだことが無い人にもお勧めできます。
「これぞ推理小説!」って感じなので、かなり楽しめると思います。
途中で確実に犯人が分かるので、推理が苦手な人も是非チャレンジ!
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購入金額
714円
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購入日
2008年頃
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購入場所
どこかの本屋さん
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