蓮丈那智フィールドファイルシリーズにハマって、こちらの作品にも手を伸ばしました。
レビュータイトルにも書いてある通り、この作品は、とあるビアバーを営む主人が、客が持ち込んだ謎、事件などを解きほぐしていく、というスタイルです。
特筆すべきは、その料理の描写。
香りや、色どりなども伝わってくるような表現で、そこに合わされるビール。
となると、実際に食べてみたくなります。
一つの事件で、一冊、ではなくて、いくつかの短編を収録した形になります。
その積み重ねで、少しずつ時が進んでいき、ビアバーを始める前の主人のお話が語られていき……。
そして、シリーズは完結します。
少しネタバレですが、料理に合わされるビールのように、ほろ苦いその結末は、寂しいというか、もう一声欲しい、というか…。
北森鴻氏が存命であったなら、全く別のシリーズにゲスト出演したりして近況が……。
いや、きっとそれを望むと蛇足になるのでしょうね。
全4冊の短いシリーズですが、作中の時の流れを感じて、長く感じたり、或いは、一気に読了して短く感じたり、と素晴らしい作品ならではの雰囲気があります。
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購入金額
560円
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購入日
不明
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購入場所
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