まず、マザーボードの内容物は特に特別な物は無く、いたって普通ですね。SATAケーブルが4本なのと、I/Oシールドがカラフルなのは評価できますね。他にも、マニュアルが日本語なのも初心者には優しいです。
次にマザーボード本体ですが、ソケットはFM1なのでCPU自体はAM3以前のものとは互換性がありませんが、CPUクーラーは流用できる物も多いです。
CPU電源は4ピンなので、大幅なオーバークロックには向きませんね。ただ、VRMにヒートシンクが付いてるのはグッドです。
拡張スロットは以下の通りです。PT2ユーザにとってはPCI×2でもよかったですね。
・PCIEX×16
・PCIEX×1
・PCI
・PCIEX×16(×4)
サウスブリッジには大きめのヒートシンクが設置されています。まな板状態で結構な発熱で熱い事は熱いですが、触っていられないほどではありません。
内部のSATAポートは5つあり、全てSATA3.0に対応しています。インテルさんも一刻も早くチップセットレベルでSATA3.0ポート×4つ以上に対応してほしいものです。
USB3.0はバックパネルだけでなくピンヘッダにも対応しているので、最近のケースにも安心して使用できますね。
バックパネルのパネルの端子類は可もなく不可もといったところでしょうか。特徴的なのはUSB2.0ポートが全て赤い事でしょうか。最近のGIGABYTEでは赤いですね。
VRMのヒートシンクはチープなものではなく結構しっかりとしています。ただし、意外と背が高いので大きなCPUクーラーは干渉に注意です。
さて、本題のグラフィックス性能ですが、内蔵GPUの性能がわかりやすいように比較対象にCore i3-2100とCore i7-2600Kの内蔵GPUを選びました。
今回、あまり時間がなくベンチのスコアをグラフに出来ず、申し訳ありません。時間が出来た時にわかりやすくグラフにしたいと思います。
なお、SandyBridgeの内蔵GPUはDirectX 11に対応していないため、一部のDirectX 11のベンチマークソフトのスコアは計測出来ておりません。
検証環境(Sandy Bridge)
・OS:Windows 7 Professional 32bit
・CPU:Core i3-2100
Core i7-2600K
・CPUクーラー:Prolimatech Samuel 17
・MB:ASUS P8H67-M EVO
・メモリ: PSD34G1600KH
・電源:超力2 プラグイン 650W
・ケース:Silverstone SST-TJ08B-E
・HDD: HDP725050GLA360(システム)
WD10EADS
ST2000DL003
検証環境(Llano)
・OS:Windows 7 Professional 32bit
・CPU:A8-3850
・CPUクーラー:Prolimatech Samuel 17
・MB: GA-A75M-UD2H
・メモリ: PSD34G1600KH
・電源:超力2 プラグイン 650W
・ケース:Silverstone SST-TJ08B-E
・HDD: HDP725050GLA360(システム)
WD10EADS
ST2000DL003
ベンチ用のソフトとして使用したのは、以下のソフトです。
・エクスペリエンスインデックス
・CINEBENCH
・3D MARK06
・3D MARK11
・FF14 HIGH&LOW
・バイオハザード5 DX9&10(1920×1080、全項目最低設定)
・ロストプラネット2 DX9&11(1920×1080、全項目最低設定)
・モンスターハンター 絆(1920×1080)
・リアル彼女 クオリティ&ハイクオリティ設定
・エクスぺリエンスインデックス(グラフィックス、ゲーム用グラフィックス)
Core i3-2100…………………5.7 & 6.2
Core i7-2600K………………6.4 & 6.4
A8-3850(メモリ1333MHz)…5.7 & 6.6
A8-3850(メモリ1600MHz)…6.7 & 6.7
HD 6670………………………6.9 & 6.9
Dual Graphics…………………6.7 & 6.7
メモリを1600NHzにすることで、グラフィックの値が大幅に向上しましたね。しかし、Dual Graphicsの効果は反映されていません。
・CINEBENCH(Open GL )
Core i3-2100…………………6.08
Core i7-2600K………………13.44
A8-3850(メモリ1333MHz)…26.22
A8-3850(メモリ1600MHz)…29.58
HD 6670………………………43.04
Dual Graphics…………………29.63
CINEBENCHにおいてはメモリを1600MHzにしても誤差の程度しかアップしませんでした。また、Dual Graphicsにおいてもその効果を感じることはできません。
・3D MARK06
Core i3-2100…………………3150
Core i7-2600K………………5050
A8-3850(メモリ1333MHz)…6216
A8-3850(メモリ1600MHz)…6781
HD 6670………………………9028
Dual Graphics…………………7681
メモリが1600MHzになることで、およそ10%程の向上が見られました。しかし、Dual Graphicsでは6670単体よりもスコアがダウン。
・3D MARK11
Core i3-2100…………………N/A
Core i7-2600K………………N/A
A8-3850(メモリ1333MHz)…1009
A8-3850(メモリ1600MHz)…1068
HD 6670………………………1509
Dual Graphics…………………2103
3D MARK06の時とは逆に、メモリのクロック違いによるスコアは誤差の範囲だが、Dual Graphics時ではA8-3850の2倍のスコアをたたき出す。
・FF14 HIGH&LOW
Core i3-2100…………………388 & 201
Core i7-2600K………………872 &433
A8-3850(メモリ1333MHz)…1551 & 788
A8-3850(メモリ1600MHz)…1705 & 888
HD 6670………………………2378 & 1256
Dual Graphics…………………2328 & 1227
メモリのクロックの違いによるスコアは気持ち程度のアップだが、HD 6670とDual Graphicsのスコアがほぼ同じであることを考えると、HD 6670単体で描画されてる?
・バイオハザード5 DX9&10(1920×1080、全項目最低設定)
Core i3-2100…………………15.0 & 15.0
Core i7-2600K………………31.5 & 28.6
A8-3850(メモリ1333MHz)…38.2 & 35.4
A8-3850(メモリ1600MHz)…44.2 & 40.7
HD 6670………………………66.1 & 60.0
Dual Graphics…………………53.3 & 83.3
1600MHzでは1333より10%程アップ。DX9ではHD 6670単体に負けるが、DX10ではDual Graphicsが大幅にスコアアップ。
・ロストプラネット2 DX9&11(1920×1080、全項目最低設定)
Core i3-2100…………………14.0
Core i7-2600K………………28.0
A8-3850(メモリ1333MHz)…33.3 & 27.2
A8-3850(メモリ1600MHz)…37.1 & 30.1
HD 6670………………………56.1 & 38.8
Dual Graphics…………………47.1 & 56.2
こちらもバイオハザード5と同じ傾向で、1600MHzでは10%アップし、DX11のDual GraphicsはA8-3850の2倍ほどのスコア。
・モンスターハンター 絆(1920×1080)
Core i3-2100…………………548
Core i7-2600K………………1323
A8-3850(メモリ1333MHz)…1372
A8-3850(メモリ1600MHz)…1516
HD 6670………………………2173
Dual Graphics…………………1925
メモリの違いでは10%程のアップ。Dual Graphicsの優位性は見られず、6670単体の方が良いスコアを出している。
おまけ
・リアル彼女 クオリティ&ハイクオリティ設定
Core i3-2100…………………20 & 7
Core i7-2600K………………38 & 13
A8-3850(メモリ1333MHz)…34 & 22
A8-3850(メモリ1600MHz)…35 & 23
HD 6670………………………37 & 28
Dual Graphics…………………34 & 26
これらのベンチを通して言える事は、メモリを1333→1600に変更することで概ね10%程度のスコアアップが狙える事がわかりました。おそらく、今がメモリの最安値だと思うので、どうせなら1600MHzのメモリを
買う事をお勧めします。
また、Dual Graphicsは万能でない事も気づかされました。ベンチによってはA8-3850単体の2倍ものスコアをたたき出してくれますが、そうでないものはHD 6670単体のスコア、もしくは、それ以下のスコアになってしまうこともあります。このため、Dual Graphicsは一長一短があり、使用するゲームソフトが対応しているかを確認する必要がありそうです。
とはいえ、スコアが良いといっても所詮は内蔵GPUです。解像度を下げればもう少しスムーズに遊べるでしょうが、PCでゲームするならやっぱり高解像度のフルHDでプレイした方が良いと思います。遊びでDual Graphicsを試してみるには良いかもしれませんが、あくまでベンチを眺めて楽しむものであると、個人的には感じました。
特に、将来重たいゲームをするかもしれない人は、素直に2万円前後のビデオカードと3次キャッシュのある4コア以上のCPUを買った方が後悔しません。
ちなみに…
Dual Graphicsの構築方法は以下の通りです。
お詫び
今回、ワットチェッカーを使ってベンチ実行時の消費電力を調べ、1時間あたりの消費電力を比較する予定でしたが、レビューを書いている途中で電力を計測し忘れたことに気づきました。
各種ベンチを計測し終わっていた上に、レビューを書き終わったのがレビュー投稿締め切り直前だったために、電力に関しては諦めてしまいました。
以後、この様なことがないように気をつけます。本当に申し訳ありませんでした。
深海さん
2011/09/03
GTX-560Ti ベンチスコア
・CINEBENCH(Open GL )
64.58
・3D MARK06
29639
・3D MARK11
4977
・FF14 LOW、HIGH
7426、4681
・バイオハザード5 DX9&10(1920×1080、全項目最高設定)
92.4 & 83.4
・ロストプラネット2 DX9&11(1920×1080、全項目最高設定)
55.7 & 41.8
・モンスターハンター 絆(1920×1080)
10936
・リアル彼女 ハイクオリティ設定
56
改めて言いますが検証環境が異なるので、あくまで参考程度に留めておいてください。それでも、現状の単体のアッパーミドルクラスのビデオカードであるGTX-560Tiとは雲泥の差です。
今後発売されていくタイトルはこれまでのソフト以上に動作環境のハードルが高くなるので、現状のソフトをフルHDかつある程度の設定で満足に遊べないDual Graphicsでは明らかな力不足といわざるを得ません。XBOX 360よりもスムーズかつ高解像度の環境でゲームをしたいなら、素直にゲーム用PCを作りましょう。