【解説】
長唄交響曲「鶴亀」は、今や西洋古典音楽が巷に溢れかえる現代を生きる私たちに、どんな感情を抱かせるでしょう。驚愕か、新鮮か、懐古か。当作品は19世紀半ばの長唄をそのまま演奏し、そこに管弦楽を付したもの。「明治頌歌」は、鎖国時代に始まり黒船来襲・文明開化・明治天皇崩御などを描きながら、やはり西洋音楽の受容がテーマと考えられる交響曲、また「マグダラのマリア」は、今さらながら作曲者の輝かしい才能に恐れ入る、堂々たる管弦楽曲で、いずれも欧米諸国でも演奏されました。この記念碑的なアルバムにより、私たちは日本の作曲界における偉大な先駆者の苦闘を再認識し、感謝の念を新たにするのです。
【収録曲】
1.長唄交響曲「鶴亀」
2.交響曲「明治頌歌」
3.舞踊交響曲「マグダラのマリア」
演奏: 長唄: 東音宮田哲男(人間国宝) 東音村治利光 東音山口太郎 東音味見 純 東音宮田圭三
三味線: 東音味見亨 東音蓑田司郎 東音宮田由多加 東音阪本剛二郎 東音高橋武久(上調子)
囃子: 望月左太郎(小鼓) 望月太津之(大鼓) 望月寿文(小鼓) 藤舎呂英(太鼓) 福原 徹(能管/篠笛) 溝入由美子(篳篥)
湯浅卓雄指揮 東京都交響楽団
【感想】
山田耕筰。いわゆる私たちが小学校で歌っていた「赤とんぼ」の作者の山田耕作である。
一曲目の「鶴亀」は初め聴いた時は能!?歌舞伎!?クラッシック!?どっち!?って思いました。ほとんどの方がそう思われるでしょう。どうも能の技法で長唄を歌ったものらしい。そのバックにはオーケストラ。何ともいえない『マニアック』な組み合わせである。今で言う「futuring」ですね。
今年のグラミーを取ったエミネムとリアーナのfuturingにも負けないと思います(^_^;)
ちなみに「鶴亀」はお祝いの席で歌われることが多かったのこと。
二曲目の「明治頌歌」は明治時代に生きた耕筰がその時代を表現せんばかりの曲調。開国~幕末の争乱~文明開化~明治天皇崩御~日本と西洋文明との真の融合を表現した構成になっている。静かな曲調から始まり壮大なスケールのクライマックス。
やはり一曲目と同じく、和と洋の融合を描いていると思います。
今回少し山田耕筰について勉強させていただいたが、海外での活躍など私が思っていた以上の作曲家であり、指揮者であったことがわかった。
三曲目の「マグダラのマリア」は舞踏交響曲であり、振り付けられるための交響曲。こう書くとリズミカルなメロディーを想像するかもしれませんが、至って静かな曲調。時折明るい雰囲気なるが、15分の曲のほとんどが緩徐的な音楽が支配している
それぞれ15分以上もの長い演奏だが、山田耕筰の残した偉業の凄さを実感させられました。
偉業、それは西洋文化の輸入と日本文化の発信だったと思います。
こちらの方々もレビューされてます(^o^)
げるねおさん
2011/02/28
笑 ! ! 確かに ! クラシックのはずなのにこれはいったい ! ? ってなっちゃいますよね~w
ナンチャンさん
2011/02/28
operaさん
2011/03/01
私もこちらからと思っていましたが。。(^^ゞ
リーダーさん
2011/03/01
ちょっと聴いてみたいですね~~~
赤とんぼと言えば・・・
こんな歌い手さんもいますね。
ナンチャンさん
2011/03/01