【解説】
ヴィオラの特徴的な音色・・・それはしばしば悲しげと表現されたり、内省的で感傷的と銘打たれたり・・・と、とにかく同族のヴァイオリンに比べて控え目な評価を与えられがちです。作曲家ブリッジに至っては、自らが才能あるヴィオラ奏者であったにも拘わらず、この楽器のための作品はほとんど作曲しなかったというから驚きです。ここで聴けるブリス以外の楽曲のほとんどは他の楽器のために書かれた作品をヴィオラ用に編曲したものですが、こうして聴いてみると実に味のある音楽に仕上がっていると思います。まさに濡れたように輝く音色がぴったりはまっています。ここでピアノを担当している今井氏は才能ある日本のピアニスト。彼の表現豊かで説得力ある音楽はヴィオラの旋律を引き立たせるとともに、驚くほどじっくりと胸にしみるはずです。
【曲目リスト】
1. ブリス(1891-1975):ヴィオラ・ソナタ(1933)
2. ディーリアス(1862-1934):ヴァイオリン・ソナタ第3 番(1930)~L. ターティスによるヴィオラとピアノ編
3. ブリッジ(1879-1941):ヴィオラとピアノのための小品集
4. アレグロ・アパッショナート
5. セレナーデ
6. 思い出
7. ゴンドリエラ
8. 沈思せる人
9. ノルウェーの伝説
10. 子守歌
【感想】
ヴィオラのソロアルバムを聴くこと自体が初めてでしたが、ヴィオラの音色には不思議な繊細さと魅力を感じました。全体的に悲しみや切なさといった印象を抱きましたが、
第3楽章では、ピアノとの激しい怒涛の展開の掛け合いで、ピアノに引き立てられたヴィオラのメロディで曲の世界に引き込まれて行きました。繊細さの中にもヴィオラの力強さを感じる事が出来ました。
揺れ動く葛藤や怒りや悲しみ、孤独といった感情の内面を映し出したかのようなメロディーでした。後半にかけては悲しみの中にも穏やかさが表れ、希望に向かって進むかのような心地よさを感じられました。
今回のアルバムに接しヴィオラという弦楽器の繊細さの中にある力強さを知る事が出来ました。曲の展開にメリハリがあり感情をのせやすくとても聴きやすかったです。
クラッシック曲を改めて身近に感じられました。
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リーダーさん
2011/03/04
このCDは自腹で買おうかな。
ナンチャンさん
2011/03/04
operaさん
2011/03/04
ナンチャンさん
2011/03/04
hiroさん
2011/03/04
ナンチャンさん
2011/03/04