レビューメディア「ジグソー」

静かで大風量! エアーフローを味方にしたファンのファンになる

CORSAIR AF140 QUIET EDITION(以下,AF140 QE)は,140mm径の大風量&静音ファンです.

同時レビューは,こちらになります.
お勉強バージョンを入れておきましたので,まずはAF120 PERFORMANCE EDITIONの冒頭をお読み頂くとわかりやすいと思います.




【結論】
一言で言えば,このAF140 QUIET EDITIONは,排気ファンに使用するのがベストです.
なぜなら,このAF140 QEは,静音重視のため,風量は確保できますが,静圧があまり取れません.
故に,吸気ファンとして使用する場合,ファンフィルターの圧力損失で,風量が仕様どおり確保できなくなります.
排気ファンの場合には,障害物もなく,吸気ファンによる正圧補助のおかげで,静圧が必要となりません.
よって,PCケースのリアまたはトップに設置して,排気方向で使用するのが最適です.

【比較ファン】
CORSAIR AF140 QE 1800rpm (本レビュー品)
AF140 QUIET EDITION
AF140 QUIET EDITION



ANTEC TRUEQUIET 140 800rpm



SCYTHE KAMAFLEX 135 SA13525FDB12M 1200rpm



NZXT DF1402512 1000rpm



TITAN KUKRI P14 TFD-14025H12ZP/KU 1800rpm




【実験①】
風量を見てみます.
140mmのファンガードに,ティッシュペーパーの短冊を取り付け,はためき具合を調べます.回転数は最大です.
ファンフィルターを利用した静圧確認は,AF140 QEの特徴ではないので,省略します.

AF140 QUIET EDITION
AF140 QUIET EDITION

TRUEQUIET 140
TRUEQUIET 140

KAMA FLEX 135
KAMA FLEX 135

NZXT
NZXT

TITAN KUKRI
TITAN KUKRI


回転数の高いTITAN KUKURI の風量が一番多く,AF140 QEとKAMA FLEX 135が互角です.
TRUEQUIET140は,静かな分,明らかに風量も少ないです.
NZXTは,風量が少ない割に,直線的な流れのようです.


【実験②】
ファン同士の綱引き勝負をしてみます.
お互いに引き合う様に背中合わせにし,ファンコンで回転数の変動を確認します.
使用したファンコンはこれです.



AF140綱引き(最大回転数)
AF140綱引き(最大回転数)

無負荷時と勝負時で,変動量が少ない方が優秀なファンとなります.
ただ,ファンの消費電力,つまり回転数が違いますので,有利/不利が出てしまいます.

そこで,同一回転数で勝負してみます.
AF140綱引き(同一回転数)
AF140綱引き(同一回転数)


SCYTHEのKAMA FLEX 135が,ほぼ同じくらいの性能であることがわかります.
その他のファンは,変動量が大きく,AF140 QEに完全に負けています.
AF140 QEは,静圧タイプのファンではありませんが,静音ファンの中では静圧が確保できるファンです.


【実験③】
静音性能を見てみます.
各ファンの最大回転数と800rpmにVR制御ときの音をICレコーダーで録音し,スペクトルを比べます.

ICレコーダーは,これです.PCM(16bit/44kHz)で録音します.



吸気側に10cmと約1cmの距離で,ICレコーダーに録音します.こんな感じです.
ファンノイズ測定風景
ファンノイズ測定風景


スペクトルは,横軸周波数,縦軸は音圧になります.
スペクトルの積分値(面積)が,ノイズとして感じる事になります.よって,スペクトルの積分値(棒グラフの面積)が大きいほど,うるさいということになります.

まずは,10cm離れた位置のスペクトル比較です.
FAN spectrum 10cm
FAN spectrum 10cm


TRUEQUIET140がダントツで静かです.
TITAN KUKURIは,最大定格ではうるさいですが,AF140 QEと同じ回転数では静かになります.
KAMA FLEX 135とAF140 QEは,ここでも互角のようです.

さらに近づき,1cmの結果です.
FAN spectrum 1cm
FAN spectrum 1cm

傾向はあまり変わっていません.TRUEQUIET140が静かです.
KAMA FLEX 135との比較では,AF140 QEのほうが,静かなようです.

こうやって比較すると,各ファンに特徴的な周波数があることがわかります.
なので,同じ静音と言っても,人によって,感じ方が異なりそうです.


【実験④】
PCケース(CORSAIR 400R)のリアファンとして取り付けてみました.
交換前
KAMA FLEX 135
KAMA FLEX 135

交換後
AF140 QUIET EDITION
AF140 QUIET EDITION


オリジナルの120mmリアファンから,KAMA FLEX 135に変更していることもあり,マザーボードのファンコン制御状態では差がありませんでした.

OCCT(POWER SUPPLY)で,ファン交換前後の状況です.
KAMA FLEX 135
 CPU:57~61℃
 GPU:64℃
AF140 QUIET EDITION
 CPU:57~62℃
 GPU:64℃
そもそも,トップに120mmファンが2つラジエーター用に排気していますから,リアファンの特性は出にくいと思います.

CORSAIR 400Rは,ファン取付穴はすべてゴムブッシュがあるため,普通のリブ品でも振動が抑えられています.
よって,ノイズ面でも,振動面でも,その差を感じることはありませんでした.
ただし,カラーリングのおかげで,とても見栄えが良くなります.
こだわりの自作erであれば,このカラーリングを統一することも,とても意味のあることだと思います.



【まとめ】
AF140 QUIET EDITIONは,静音/低振動なオシャレなファンとして,PCケースのリアまたはトップに排気ファンとして使用することをお勧めします.

AF140 結論
AF140 結論



謝辞
リンクスインターナショナル様,zigsow事務局様,この度は,プレミアムレビューの機会を与えていただき,ありがとうございました.
また,おものだちの皆さんをはじめ,いつも拙いレビューを読んでいただいている皆さん,ありがとうございます.

コメント (8)

  • ナンチャンさん

    2012/12/06

    レビューお疲れ様です!!

    14㎝はやっぱり、リアかトップですね。私もそう思いました。

    しかし、12㎝のレビューとは視点を変えてやられる。あっぱれです!!

    (^^)
  • bibirikotetuさん

    2012/12/06

    なるほど!押し出す力が強いからこそ排気側に障害物があっても
    メリットがあるという事は盲点でした。
  • harmankardonさん

    2012/12/06

    ナンチャンさん,コメントありがとうございます.

    同じ内容にはしたくなかったので,苦労しました.
    スペクトル比較が,きちんと出来て安心しました.
    これがダメだったら,やることありませんでした.
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