zigsowプレミアムレビューに選考いただき、この場をお借りして御礼申し上げます。
早速ですがレビューをしていきたいと思います。
■パッケージ■
左がAF140、右がAF120
内容物
交換用ベゼルリング、抵抗ケーブル、取り付けネジ、Corsairミニカタログ、簡易説明書
■ファンを細かく確認■
ファン本体
標準で赤ベゼルリングが装備されています。
0.19Aと標準的な消費電力でケーブルはスリーブこそ無いものの、黒で主張はしません。
長さは30cm程度と短めなので注意が必要です。
四隅には防振ゴムブッシュが確認できます。
ブレードとハウジングの隙間は大体2mm程度と狭目になっています。
ベゼルリングは軽く力を加え歪ませることで、ツメを外して交換できます。
写真のように、四隅にツメがついており、これがフレームに噛んで固定されています。
私は大丈夫でしたが、交換時にリングが割れた人も結構居るようですので注意が必要です。
リングを交換したイメージ
写真のように、かなり雰囲気を変わっているのがわかります。
ケース内部のカラーや、マザー、グラボ等の色に合わせて変えることで、
ケース内部に統一感を演出してくれます。
実際取り付けてみるとこんな感じ。
赤いリングがインパクト大!ブレードデザインも「イケメン」なファンです。
上部ファンはSilverStoneのAP121です。ケースは同社のPS07です。
上ファンも変えてやることでより統一感が出ますが、諸事情により上がAP121です(後述)
■ファンをより詳しく確認■
左がAF140、右がAF120。
フィンの湾曲も枚数も異なるのが確認できると思います。
AF140はブレードが11枚に対し、AF120は9枚。
左がAF140、右がAF120です。
ブレードの湾曲がAF140では根元では角度が同じくらいに取り付けられていますが、
先端に行くに従ってAF140では角度が軸に対して直交する角度に変わっていきますが、
対してAF120ではAF140ほど角度が変化していません。
120mmと140mmではブレード長の違いから、同じ回転数でも翼端の速度に違いが生じます。
それを設計に反映したデザインがされており、騒音と風量のバランスを良くしていると思います。
■実際に使用した感想■
実際に使用し、他の近い回転数のファンと比較した感想を主観ですが書いていきます。
※私の主観になりますので、実際に使用された場合の違いを保障するものではありません。
比較を行ったファン(一基写真に写っておりません)
左上:Corsair AF120 QUIET EDITION 1100rpm (AF120)
右上:SilverStone FN121 1200rpm (FN121)
左下:SilverStone AP121 1500rpm (AP121)
右下:Akasa Apache Black 1300rpm (Apache)
写真外:Coolink SWiF2-1201 1200rpm (1201)
日本サーボ GentleTyphoon D1225C12B4AP-14 1450rpm (紳士)
山洋電気 SanAce SF12-S4 1400rpm (SF12)
以上7種で比較を行いました。(カッコ内は略称)
回転数の異なるものに関しては、ファンコンを用いて1100prmに落として比較しました。
■風量■ ★★★★★
AF120=Apache=SF12≦FN121=1201≦紳士≦AP121
これは風の拡散角度の違いもあり、取り付けた場合の有意義な温度差としても出なかったため
私の感覚でしかありませんが、AF120とApacheが少し多いかなといった感じでした。
■風圧■ ★★★
紳士<AP121<SF12<Apache=1201<FN121<AF120
これはブレードの違い、設計思想の違いから当然の結果だと思います。
AP121や紳士は静圧をしっかりと出せる羽形状なのに対して、AF120は風量重視の設計。
フィルター、特に密度の高いものを利用すると、風量はガクっと落ちました。
■風切音■ ★★★★★
AP121>Apache>SF12≧紳士>FN121>1201=AF120
さすがの風切音の小ささといったところですね。
AP121のように整流用フィンがついているものや、Apacheのようにモーターに伸びている
フレームが平坦で処理のしていないものはゴーという音が大きく聞こえます。
SF12はブーンという音、紳士はプーンという高音、FN121と1201は低いゴーという音。
対してAF120は、低すぎず高すぎずのフーンという軽い音を立てており、
静かに聞こえるようチューニングされている音だと感じました。
■軸音■ ★★★★
1201=AP121≦Apache≦AF120<FN121<紳士=SF12
ボールベアリングの2機種(紳士、SF12)、FN121のスリーブベアリング、その他は流体軸。
やはりボールベアリングの2種は独特の転がり音が聞こえ、それに次ぐ形でFN121のスリーブ
流体軸受け機種は全て気にならないレベルに収まっていました。
しかし、AF120にはスイッチングノイズが聞かれ、回転数を落としていくにつれて風切音が小さく
なっていき、相対的にスイッチングノイズが目立つようになってしまう点は残念に感じました。
2台とも同じ音がしていましたので、固体差とも考えにくかったためこのような評価です。
■総合的評価■ ★★★★
総合評価としては★4としました。
★4の理由としては
・同回転数帯のファンと比較して、音量低減と風量増加を達成している。
・スイッチングノイズが軸音より気になってしまう点。
これらより★4+αとさせていただきました。
音量などに関しては以上のような評価です。
■問題点■
これは実際に取り付けの際に発生した問題です。
先の取り付け時の写真で、上のファンがAP121を利用していた理由でもあります。
※ロットや個体差もあるかもしれませんので、全てに当てはまるとは限りません。
先ずは写真をご覧ください。
発生した問題がこの写真では分かりにくいので、もう1枚の写真をご覧ください。
これは上の写真の表側からねじ切れてしまった物です。
一言で言えば、ゴムブッシュ部の耐久性が問題ということです。
ゴムブッシュ内部には、黒いプラスティック製の軸が入っています。
これは吸気側、排気側両方に入っており、ゴム内部で薄い板状になり、互いに連結しています。
しかし、硬度が高すぎるためか、ネジを締めこむ際に、ゴムごと下写真のようによじれてしまい、
耐えられなくなり、捻じ切れてしまうといった問題です。
このように、ネジを回そうとすると、ゴムベースも同時に引っ張られてしまい、余計に斜めにネジ
が入ってしまうという状況が発生し、よりこの問題を大きなものにしてしまっているのです。
対策として、手で出来る限りねじれて浮き上がらないように押さえ、慎重にネジを回しましたが、
4本中1本が内部捻じ切れ、空転してしまったため、やはり設計に問題ありだと思います。
内部のプラスティックをもう少し柔軟性が高く、やわらかいものに変更していただければ、
このようなことは発生しないと思います。
ファンの出来がデザインも良く、性能的にも非常に優秀といえるファンなので、
ここは是非とも改善して頂きたいと思います。
■最後に■
この問題点を含めても、取り扱いを注意して取り扱えば良いだけですので、ケースのデザインを
より統一したものにしたり、静音化をする上では非常に良いファンであるといえます。
オススメできるファンであることは間違いありません。
2012年12月7日追記
このファンのもうひとつの特徴を見つけたため報告します。
一般的な流体軸やスリーブ(ボールベアリング以外)のファンは、垂直設置はOKでも、
水平設置すると、回転数が落ちて耐久性もがた落ちするという特徴があるものが多くあります。
しかし、AF120、140共に、角度によって回転数が変わることが無く、設置方向を選ばない
という下部吸気、上部排気レイアウトが多い、現在主流のケースにも使いやすいと思います。
2013年1月13日追記
取り付けたファンを掃除せず、約1ヶ月利用し、フィルターにどれだけのホコリが付着したかを撮影してみました。
上がAP121、下がAF120です。
AP121に比べ、ファンの風量が多いためか、付着しているホコリの量に明らかな差が見られます。
AP121はグラボに連動させ、風量を変化させているのですが、私の用途の場合、
グラボの方が熱を持つため、CPU連動のAF120よりも高回転に推移しているのです。
アイドル時でどちらも830rpmほどで稼動しています。
それでも、このホコリの量の差ということは、AF120の風量がいかに多いかを表していると思います。
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