当時から携帯電話に多額の通信費をかけることに抵抗があった私ですから、音声のみで契約してWi-Fi運用していました。
当時は携帯電話用のOSとして急速にシェアを伸ばしていた、Symbian OSを採用しています。当時のフィーチャーフォンにもSymbian OSを採用した製品は多くあったのですが、それらとの違いはUIQと呼ばれる、ユーザー側でのカスタマイズ性の高いユーザーインターフェースを採用していたことでした。UIQはSDKを公開していたため、自由にアプリケーションを開発することが出来ました。一方ドコモから発売されていたフィーチャーフォンでは、同じSymbian OSを採用していてもドコモ端末向けのUIであるMOAPを採用していて、これがクローズドな規格であったためにユーザー側でのカスタマイズ手段が提供されていなかったのです。
もっとも、UIQはSymbian OS端末でも採用例はあまり多くなく、発売される端末に合わせたアプリケーションがいくつか公開された程度であり、あまり活発な開発は行われなかったようです。
当時の私はPalm OS端末を好んで使っていましたので、M1000も「Symbian OSを触ってみたい」という程度で買ったもので、それほど積極的に活用していたというわけではありませんでした。
さらに悪いことに、1年弱程度使ったところで中央の十字キーボタンが突然根元から折れてしまいました。ドコモのサポートに相談したところ「落とすか激しくぶつけるかしなければ絶対に壊れない場所だ」と主張されたのですが、私の端末では突然ポロリと落ちてきたわけで、ぶつけるどころか触ってもいない状態でした。「壊れるはずのない場所なので保証期間内でも有償修理」というあまりにもふざけた回答が返ってきたため、その足で即刻auにMNPしに行き、それ以降この端末は全く使っていません。実はそれ以降ドコモには常に不信感を持っているため、16年使っている音声契約以外は他社回線を常に優先して契約しています。
この端末自身は、まさに「スマートフォンのプロトタイプ」というべき存在で、やろうとしていることは現在のスマートフォンと同じなのですが、性能面でも環境面でも実用性はかなり乏しいものでした。PDAとしての魅力も、当時のCLIEの方がずっと上でした。
iPhoneの登場以降、スマートフォンは指でタッチ操作する形式が一般化しましたが、この端末の時代にはまだスタイラスで操作する方が主流であり、この端末も妙に平たい伸縮型のスタイラスを内蔵出来るよう設計されています。個人的にはスタイラス操作の方が慣れ親しんだもので、画面サイズがどうしても小型となるスマートフォンでは、スタイラスを使うのもアリなのではないかと思っています。
今ではSymbian OS自体がほぼ絶滅してしまいましたし、こんなものもあったな、と思い出す程度の存在となっています。
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購入金額
1,650円
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購入日
2006年06月25日
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購入場所
takamizuさん
2014/03/19
jive9821さん
2014/03/19
私の場合は、Palm Treoシリーズが欲しかったのですが、日本の回線で使えるPalmはWindows Mobileモデルのみで、Palm OS採用モデルが絶望的だったので、他のOSも考えてみようと思って買ったのがこのモデルでした。
一時期はWindows Mobile 6採用の富士通F1100を考えていたのですが、ドコモに戻る気になれず、結局SoftbankからのMNPの一時退避先としたXPERIAまでは、スマートフォンを買うこともありませんでした。