コンサートなどで、「新世界」などと省略されることがあるが、省略してはいけない。交響曲第9番 ホ短調 作品95『新世界より』と「より」は題名の一部である。「(曲名)より第一楽章のみをお送りします」と言う時の「より」ではない。だから、「新世界より」の第四楽章だけを紹介する時は「『「新世界より』より」としなければならない。
この曲は、アントニン・ドヴォルザークが1893年に作曲した、4つの楽章からなる最後の交響曲である。昔は、出版順で呼んでいたので「第5番」と呼ばれていたが、その後作曲順に番号が整理されたため、現在では第9番で定着している。
(カラヤン指揮による演奏です)
ドボルザークが3年間アメリカに渡り、故郷を想いながら「アメリカ」を見つめ、アメリカの音楽と故郷の音楽の共通性などに感動して書いた曲で、故郷「ボヘミア」に向けた強いメッセージが込められた曲だ。
場所は、横浜の中華街の近くの「野外音楽ステージ」。野球の「横浜スタジアム」のすぐ近くであり、友人の家がやっていた写真館などがある商店街の近くだ。学校のクラブの先輩らと数人でプール遊びの帰りに立ち寄った。横浜交響楽団の無料公演があり、「プロムナードコンサート」と名前が付いている通り、サラリーマンらが仕事が終わり夕涼みがてらに見て帰る。
たしか、自衛隊だったか海兵隊だったかの音楽隊のゲスト出演もあり、合同で「ラデツキー行進曲」なんかも披露してくれた…。この時の印象は強く、今でも目に浮かんでくる。
先輩の家は音楽家家族だったので、事前に何人分かの「スコア」(全パートの楽譜をまとめた物)を持って来て、もちろん「これは、ウチの指揮者のお前の分」と言って貸してくれる…。本人も、指揮をする格好をしながらスコアを見て演奏を聞く。学校でバンドを見てくれる講師は今日は出演者側で「ティンパニー」の担当だ。普段「ハンチング」を被っており、如何にも「芸術家風」の出で立ちだ。
この日の日中は、「近くのプール」で思いっ切り遊んだ。そして、初めての交響曲に感動をして、何回も足のつま先から頭のてっぺんまで電気が走った…。
この曲(新世界より)は初めて真剣に聞いた交響曲なのだが、予め先輩から様々な予備知識を教え込まれていた。
この作品の第2楽章の主部の旋律を歌に編曲することは古くから行われている。日本では堀内敬三による『遠き山に日は落ちて』のタイトルの日本語詞が広く親しまれている。そのほか野上彰も『家路』のタイトルで日本語詞を作っている。どちらも、お馴染みだ。
コンサートが終わって、我々の「家路」では、「シンバルの音って聞こえた?」とか、「いや、1回だけなので居眠りをしていて忘れたんじゃ?」。「ドボルザークは、アメリカの黒人やインディアンの民族音楽の旋律を多く主題に借りている」ってのは、早い話が「パクった」って事か?などと無責任な話もしていた。
その日、家に帰ってから、どうも様子がおかしい…。食事も摂らずにすぐに休もうとしたが寒気はするは悪寒はするはで顔が真っ赤に…。しまいには嘔吐もするし39度の熱を出し、次の日は学校を休んだ。親は「音楽で感動した知恵熱みたいなもの」と、別に心配はしていない。たぶん、日中プールで遊び過ぎて疲れた上に音楽を聞いて感動して熱が出たのだろう。もしかすると、「プール熱」とか言う物だったのかも知れない。
「音楽で感動した」と言うのは本当なので、本人も全く気にしなかった。「病気では無い!」。学校を一日休んだ翌日は、何事も無かった様にまた元気に登校し、部活もいつも通りにやった。
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購入金額
0円
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購入日
不明
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購入場所
北のラブリエさん
2014/09/13
若いうちにそういう機会があると言うのは実に羨ましいです。
hachiさん
2014/09/13
ありがとうございます。
今は札幌ですが、学生時代は(小学生から大学まで)横浜に住んでいました。良い仲間との出会いは「財産」ですね!