レビューメディア「ジグソー」

高性能な19インチスクエアモニタ

モデル自体は2003年に発売されたモデルで、EIZO(NANAO)としては最初の19型液晶モニタ。
その前は18型とか微妙なサイズを出していた気がする。

解像度はお決まりの1280*1024。スクエアなデザインは癖がない。ベゼルも現行液晶並みに狭めており、入力系統はDVIとD-Subの2系統。音が鳴ればいいレベルとはいえ、スピーカーも内蔵し、そこから更にヘッドフォンを接続するための出力端子もある(但し下向きに装着されているので使い難い)。…とまあ現在の19型液晶の基本形を全て備えている。


更に十字型に設置された操作ボタンは自然に各種設定を操作できる。この十字型ボタン配置は最近の高級モニタでも見られなくなってしまった。
入力切り替えやプロファイル切り替えももボタン一つワンタッチ。OSDの操作系に関しては手持ちのモニタの中でも屈指の扱いやすさだ。

パワーLEDはブルーだが、輝度は控えめで目障り感もない。ちなみに本体はブラックというよりダークグレーといった雰囲気なので、他のブラックベゼル液晶と並べると若干明るい。


更にオフィスユーズが主な用途となった現在のスクエア液晶に対し、マルチメディア・グラフィックモデルとして高級な作りになっている。TNパネルではなく(正式なリリースな無いので推定だが)VAパネルを搭載し、TN系のそれより色が濃く、視野角が広い。色調設定もかなり細かくカスタマイズ可能。

独特の斜めにスライドするスタンドは重量感バッチリで地震でもまず倒れないし、高さ調節も無段階でしっかりとポジションを選べる。
…とまあ旧型ながら至れり尽くせりの19インチ液晶。その分当時はかなりの高級品だったのだが、NANAO最初の19インチ液晶でありながら、既に19インチ液晶モニタとしての完成系を示しているモデルと言える。その分製造期間もモニタとしては長かったようだ。


以前別モニタレビュー時に消費電力を計測しているが、さすがに液晶としては大きめの部類で、現行の24インチLEDモニタと同等かそれ以上の数値だ。とはいえ当時の置き換え元がCRTモニタであった場合もあるだろうし、極端な数値というわけではない。

現在では一部業務用を除いて販売されていないスクエアタイプの高級液晶として貴重な存在。
輝度が今時のモノに比べれば低い点と、応答速度の低さ故動きの多い用途には向かない点を除けば今の目で見てもスペック上は悪くない。
…が、いかんせん9年前のモデル。最大の敵は経年劣化、今あえて中古品を買うようなモデルではないだろう。

以下、今更何で登録したんだの現品話
以下、今更何で登録したんだの現品話

これを購入したのは数年前。当時既に型落ちしていたのと、画面の色が劣化で黄色くなりだしていたので、当時としては廉価な10000円程度で購入した。その時既に使用時間も9000時間に迫る勢いだったのであまり状態がいいものではない。

正確にいつごろ購入したかは記憶が曖昧だ。何せ自室ではデュアルモニタ環境を使用していたのだが、とにかく19インチ&17インチモニタが壊れまくる時期が3年程続いた最中だ。なんかもう半年に1度は片方が入れ替わっていた始末。


そんな中なのでかなりの台数とデュアルを組んだのだが、一時期臨時で復活させたCRTと並べてもしっかりとした発色と、ある程度の視野角を備え、更に隣のモニタにあわせて自在に高さを調整できるL767はさすがEIZOといった感があった。
しかし更に経年劣化が進み、画面の黄色が強くなっていたので色調整はどんどんシビアに。

また電源が入っていない時にジーというコイル鳴きが発生し、それもじわじわと大きくなっていた。気づけばこのモデルが発売してから9年目。そりゃムリだ。


最終的にRDT196LMと組んでデュアル環境を構築していたのだが、そちらと比べると発熱も大きく(後に比べると消費電力にも結構な差が出ていた)、TNパネルのRDT196LMをメインに、VAパネルのL767をセカンダリにするという逆転な配置に。
とはいえ、ナナメの位置で使うことが多いセカンダリモニタに、視野角の広いL767を配置するのはそんなにおかしな話でもなかったかもしれない。


しかしネトゲのイベントでNEC製高級IPS液晶LCD-PA241W(BK)をゲットしてしまい、さすがにコイツを使う意味も無くなり常用から外される。すると今度は重たいスタンドが仇となり、テスト用等には小回りの効く15型液晶を使ってしまうので案外出番が無い。
一番左
一番左

何度か作業の関係でサードモニタとして配置した事もあったがそれも一時的だった(PowerDirector10&2700Kレビュー時とか)。



とかなんとか言っていたらRDT196LMが3年3ヶ月目で故障。3年の保障期間は過ぎているので買い替えコースに。とはいえすぐには購入できないので「繋ぎ」として3年ぶりにL767を常用再開だ。

相変わらず画面が黄色く、色温度10000Kでも黄色が目立ってしまう。私自身が色あわせの時を除くとかなり高い色温度で使う(青強め)のが好みなのもあり、そこから更に手動設定で赤と緑を削る始末。本来出る色を削っているので画面は暗くなってしまうが、どうにかなりそうだ。
というかここまで来てもムチャな色設定でなんとななるとはさすがEIZO、自由度が高い。


当初は急いで新品の19インチを購入するつもりだったのだが、グラボを買った直後だったり他のパーツを買いたいのもあるので、余裕が出るまで暫くはL767に頑張ってもらおう。
  • 購入金額

    10,000円

  • 購入日

    2007年頃

  • 購入場所

    sofmap

30人がこのレビューをCOOLしました!

コメント (4)

  • きっちょむさん

    2012/10/16

    おーーL797ですか!
    黄色くても1万円だと割安感が漂いますね。

    というか、自分の調子悪い液晶のことを思い出してしまった!
    はやくPA242Wでないかな~w
  • 下小川さん

    2012/10/16

    あ、L767ですね。L797がIPSでL767が(たぶん)VAパネルらしいです。
    とはいえ今となっては一般的な19スクエアはTNしか選択肢がないので壊れるまで手放さないモニタの一つになりそうです。

    確かこれを買った時は、他社TNパネル19スクエアでも状態のいいものだと中古で12000円とかしていたので、sofmapさんが現物の写りとかをしっかり確認させてくれたのもあり、黄色が強い&使用時間が9000時間オーバーとはいえ買ってしまいました。

    コチラはサブ扱いだけに、買い替え先も19インチスクエア保障の長いもの(多分三菱のオフィス向け)を買えば大丈夫なんですが、メインに使うマルチメディア・グラフィック向けIPSだと買うタイミング悩みますよね~
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