EIZO FlexScan L885 はディスプレイ機器メーカーとして有名な(株)ナナオが2003年10月に発売を開始した20.1インチ、1600x1200ドット(UXGA)表示に対応した液晶ディスプレイだ。
2003年当時と言えば、OSはWindows Xpが主流になりつつあり、モニタの主流も液晶モニタに移り変わっていた時期だと記憶している。
JEITA(一般社団法人 電子情報技術産業協会)による2004年のディスプレイ市場規模予測によれば
この時期のモニタは15型のスクエア型(4:3比率のモニタ)から17型モニタへの大型化が進んでいた時期であり、XGA解像度(1024x768)からSXGA解像度(1280x1024)への高精細化進んだ時期でもある。
今日ほど液晶パネルの技術も進んでおらず、格安製品ではCRTモニタの発色に全くとどいていない状態で、液晶に行くか、先細りしていくのが目に見えているCRTモニタで頑張るかで悩んでいた時期であったとも記憶している。
また、地上波デジタル放送が開始されたのもこの年、2003年である。
この後、CRTモニタは急速に液晶モニタへと切り替わっていくのだが、本機は当時のトレンドの更に上を行く上位機種として登場した。
市場に現れた当初の値段は20万円前後で、個人が気軽に手を出せる製品とは言えず、CRTモニタに迫る発色は大変な魅力ではあったが、店頭で見かけても指をくわえて眺めていたのを良く覚えている。
その後しばらくして、幸運にも本機を譲り受ける機会を得た。
ドット抜け(常時発光、常時消灯)も無く、DVI-I、D-Sub15ピン二系統の入力切り替えも問題なく動作
し、OSDの機能も全て正常であった。
それから現在までの間、ある時はメインモニタとして、ある時はサブモニタとして安定した動作を続けている。
長期運用時には良く聞く症状であるパネル四隅の変色も無い。
もちろん当たり個体であるとは思うが、10年超の期間変わらない(様に見える)のは驚嘆の一言に尽きる。
現在の液晶モニタと比較すれば確かに見劣りする部分もあるが、一般使用やサブモニタとしての用途には全く問題なく使用する事が出来る。
筆者はCRT時代からのナナオ信奉者であるが、液晶モニタに時代が移り変わっても製品のクオリティは高く、流石ナナオと改めて感じている。
この後どこまでバックライトの寿命があるのか、回路に電気的な不具合が来るのかわからないが、今のところそういった兆候は全く見られない。
当面の間は強力なサブモニタとして、仕事にも趣味にも良き相棒でいてくれそうである。
変わらない事の凄さ
譲り受けてから相当の時間が経過しているが、経年劣化による表示品質の低下や機能の不具合が全く出ていない。
個体差による要因も十分に考えられるが、これだけの期間安定して使用し続けられるのは基本的な製品設計が非常に高いレベルで行われている事の表れでもある。
仕事に使用する場合、変化無く安定して使用できる事は大変重要であり、特筆すべき点であろう。
ハイアマチュア以上でも不足の無い機能
現在のモニタと比べるとハードウェア的な部分では見劣りする部分も確かに存在する(HDCPに非対応など)
だが、表示設定など(OSD設定項目)については現行製品と比べてもそれほど見劣りする事は無い。
入力系統が世代を感じる構成ではあるが、それもユーザーの一工夫で解決できる。
十分に現役で使用する事が出来るだろう。
今となっては無骨だがシンプル故の落ち着きがある
発売当時の技術ではかなりの狭額縁であったが、流石に現行製品とは比べるものでは無い。
直線主体のデザインなのだが、現行製品のシャープさから比較すると無骨なイメージになる。
だが、過度な装飾も無くシンプルなデザインであるため現行製品と並べても落ち着いた印象となるだろう。
安定して使える、まだまだ現役
流石に長期運用を続けている故、不安が無いと言えば嘘になる。
だが、現状では全く動作に問題が無いため、まだまだ現役で使い続けられる。
動作時間の短い、程度の良い中古在庫があれば是非とも確保したくなるレベルの信頼感だ。
流石、世界のナナオと言ったところであろう。
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購入金額
120,000円
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購入日
2004年05月頃
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購入場所
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