左手用・親指操作タイプのワイヤレストラックボールを購入。左手用だと販売されている製品が少なく選択肢が無いので、あまり迷わないで済むというか。エレコムの M-XT4DRBK-G を買いました。
「赤玉」と呼ばれる赤いボールがはさまっています。
このボール、逆さまにしたら落ちてくるのかなと思っていたのですが、ちゃんと固定されているんですね。
このボールは中空ではなく、樹脂の塊を削り出すか成形して作られているそうです。だからがっちりと重いのですね。赤や青や黒の玉があるのですが、表面に特殊な塗装やコーティングを施すことで、センサーの読み取り精度や耐久性を調整しているのだそうです。
この赤球はカーソルの追従性や精度が黒玉より優れているのだそうです。
- 赤玉:光学センサーとの相性が良く、精密作業や高速操作に向いている。光沢仕上げ(ポリッシュ加工)。表面がツルツルで反射が強く、光学センサーが模様を認識しやすい。コストが高い。
- 黒玉:摩擦がやや強く、ゆっくりした操作や安定性を重視する用途に適している。マット仕上げ(梨地加工)。表面がやや粗く、摩擦が強めで動きが落ち着く。コストが安い。
- 青玉:見た目の好みや、赤玉・黒玉の中間的な操作感を求めるユーザー向けに採用されることがある。赤玉と黒玉の中間的な仕上げ。見た目のバリエーションも重視される。
普通に考えると赤球の一択じゃないのとなるのですが、長時間の事務作業や「カーソルが動きすぎない方が安心」という人が黒玉を好んだりするらしいです。
パッケージ。質素。
まず強調したいのは、左手用デバイスというニッチな製品を販売するメーカーの心意気。
左手用デバイスという限られた市場に挑み、製品を形にして世に送り出す。その姿勢こそが真のものづくり精神だと思います。大きな需要に頼らずとも、必要とする人に確かな価値を届けようとする心意気に敬意を表します。
また、一般的な右利きユーザーにとって、右手はキーボードのショートカットやペンタブ、テンキー操作を担うことが多く、ポインタ操作を左手に分散することで作業の二重化が可能になるので作業効率化としても面白い左手デバイスになるかと思います。
右手はキーボードやペンタブ、テンキーなど他の操作に専念することで、役割の分担による効率化。
左手だけでマウス操作・ショートカットも完結 することで、手戻りの排除。
キーボードとマウス移動による無駄な時間・疲労を減らすことで集中力維持。
このような使い方で作業効率化できます。
ちなみに右手マウス、左手トラックボールという二刀流も実際に可能です。
開けたら、もっと質素だった。輸送に特化した梱包だったのですね。
レシーバーの他、乾電池なども入っていてすぐに使用できます。
マニュアル。とりあえずすぐ繋がるので、急ぐ人は見ない人もいるかも。
裏面。電源スイッチがあり、不使用時の電池の消耗を防止できます。しばらく使わないとスリープモードになり電力消費を抑えています。
レシーバーを収納しておきためのポケットも付いています。
単3乾電池を使用しますが、簡単に手に入るものなので使い勝手も良いです。
僕はエネループ充電池を入れましたが、問題なく動くので乾電池の調達という手間もかかりません。
物理設計というところでは、エレコムらしい構造機能美があります。よく言えば機能美、悪く言えばカッコ悪い。古臭いですがセオリー通りのデザインだと思います。
左手の自然な外旋角に合わせた傾斜、手のひら全体を乗せられる高いパームレストと、基本的なシルエットはマウスに準拠したものになっており、指に触れる部分がすべて曲面で構成され、触り心地と滑り止め性能が両立されています。
全体的にボールの回転は極めて滑らかで、初動が軽く慣性制御もしやすく、スイッチ配置が合理的で、左親指〜中指の動線が自然。ボール直径は 2.5mm の大型人工ルビーで、精密動作と高速移動のバランスが良いです。
特に、クリック感はエレコム機特有のストローク浅め×軽いタクタイル感で、長時間の連続クリックも疲れにくい印象です。
また、底部にはセラミック支持球×3点の構造が採用され、支持点の摩擦を低減して回転が長く続く慣性設計になっています。
6ボタン構成 & チルトホイールでカスタマイズ性も高く、専用ソフト「エレコム マウスアシスタント 6」、ドライバ「ELECOM Mouse Assistant」をインストールすることでボタン割当が柔軟にできます。このソフトをインストールしなくてもトラックボールや左右クリックボタン、Webページ閲覧の「進む」、「戻る」ボタン、左右スクロールは動きます。動かないのは薬指のカスタマイズボタン。
DPI 切り替えボタンがあり、ポインタの移動速度を1500/750カウントの2段階に切り替え、用途に応じた切替が可能です。
特に、3D-CAD、Photoshop や音楽制作ソフトDAWなどの複合アプリ操作で、右手マウスとのデュアル運用またはペンタブとの併用が非常に効率的に思います。
このトラックボールを実際に使用してみた感じですが、わずかな操作で大きくポインタが動くため、長時間の作業でも手首や腕への負担が少なく、疲れにくいという点です。特に細かいカーソル移動を必要としない場面では、快適さが際立ちます。
一方で、デザイン業務においては課題もあります。私は普段マウスで円や曲線を描くことに慣れているため、トラックボールでは思い通りに綺麗な円を描くのが難しく感じました。これは操作感の違いによるもので、慣れ次第で克服できる可能性はありますが、即座にマウスと同じ精度を期待するのは難しいかもしれません。
また、物理的な利点も見逃せません。カウンターテーブルのような狭い机でも本体を動かす必要がないためスペースを取らず、操作音も静かです。さらに机との接触面がないので、摩耗や汚れの心配が少ないのも好印象でした。
総じてトラックボール、は「省スペース」「疲労軽減」といったメリットを強く感じられる一方、デザイン用途では慣れが必要なデバイスです。左手用という希少な選択肢を提供している点も含め、ニッチながら確かな価値を持つ製品だといえるでしょう。
「M-XT4DRBK-G」という製品そのものの感想としては、まず本体の造りがしっかりしており、安定感があります。ボタン配置は左手操作を前提に設計されているため、自然な指の動きでクリックやスクロールができ、長時間の使用でもストレスが少ないと感じました。
トラックボール部分は滑らかで、軽い操作でもカーソルが大きく動くため、効率的な操作が可能です。慣れないうちは細かい作業に苦労する場面もありますが、ポインタ移動の快適さはこの製品の大きな魅力です。
むしろ「左手専用」という希少性と、安定した品質を両立している点で、M-XT4DRBK-Gは存在意義のある一台だといえます。
まとめ
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長時間作業の疲労を劇的に削減
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両手運用による作業効率の最適化
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場所を選ばない安定した操作感
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左手デバイス設計としての完成度
おすすめ対象
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クリエイター(動画 / 画像 / 音楽 / 3D)
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マルチディスプレイ環境
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長時間PC作業が多い人
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右手肘・肩を痛めている人
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生産性向上に価値を見出す人
トラックボールの優位性
トラックボールは加速度制御と感度調整が相性良く、微細操作に強いです。
1.
普通のマウスはポインタ移動のために本体を移動させる必要があり、手首、前腕、肩までを連動させる大きな運動が発生しますが、一方、トラックボールは親指(もしくは指先)の微小な回転運動だけでカーソル操作が可能です。
- マウスでは本体の質量+摩擦力をオーバーカムする必要がありますが、トラックボールでは指先の動きに直接追随するため慣性の影響を最小化することができ反応性が高い
- 移動距離が少なく、力の入力量も少なく、運動エネルギーの低減が可能
結果として、長時間操作時の疲労蓄積が圧倒的に少ないです。
2.
普通のマウスはデスク表面との摩擦係数の影響を受け、操作性が変動します。
特に布製パッド、木材、ガラスなどで摩擦特性が大きく変わるため、再現性が低いです。
トラックボールはセンサーで直接ボール表面を読み取るため、外部摩擦環境の影響を受けないです。
常に一定の操作感覚を維持でき、場所を問わない(膝上、ベッド、狭い机)。
3.
普通のマウスはカーソル移動のために手首の反復回転(回外・回内)や肩周りの前方挙上運動が発生しており、長時間のデスクワークでは腱鞘炎・肩こり・手根管症候群のリスクを増大させます。
トラックボールでは、手首は中立位置をほぼ維持し、回転運動は親指や指の屈曲のみ。筋負荷が局所から分散されて、疲労の蓄積を大幅に抑え、長時間作業に最適です。
トラックボールは、運動エネルギー、摩擦特性、人体工学、制御性能の4領域で優位性を持つ入力デバイスです。
“手を動かすのではなく、指で動かす”
それがトラックボールの本質かと思います。
左手右手を解放し、作業効率を根本から再構築するデバイス
外観についてはオーソドックスのもので、語るところもなし。
トラックボールを親指で操作する形状にするか、人差し指で操作する形状にするかは利用環境と作業の質に左右されるため、どちらを選ぶかは考えた方が良いと思います。
クリーニング & 長期運用
ボール着脱はワンタッチ、支持球の清掃も簡単。
ボール表面の加工が汚れや皮脂の付着を抑制しており、いつもピカピカ。
触る部分、動かす部分が少なく摩擦が少ないぶん、手入れ頻度は一般的な右手用より少なめになるかと思います。数ヶ月の継続利用でも操作感の劣化が少なく、長期的安定性に優れるデバイスだと思います。
エレコムという大企業のため、交換用のトラックボールも販売されているのでもしもの時にも安心。
最高コスパ
左手用というニッチなカテゴリながら、競合と比較してもリーズナブルだと思います。
専用設計で唯一無二。左手トラックボールの最高コスパと言って良いです。
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購入金額
3,990円
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購入日
2025年11月28日
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購入場所
Amazon







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