仕事場が変わって不便になったことの1つに、入力環境がある。
以前も社用PCはノートPCだったのだが、それ以前に使っていたスリムデスクトップPCのキーボードを使い回して入力していたので、全く問題なかった。しかし、今度の勤務地はフリーアドレスでフルPCキーボードを置きっぱなしに出来ない。私用の荷物を収めておくために割り当てられたロッカーも、テンキー付きのフルキーボードが入るほどの幅はない。
また、新しく配布された社有PCはVAIO Pro PKで、カーソルキーが薄くて小さく、極めて使いづらい。
自分の業務は、csvファイルやそれを読み込んだExcelファイルに、数値・数式を打ち込んで、加工するという業務がかなりの割合を占めている。
そうなると、
・テンキーではなく横一直線の通常キーしかないと数値入力速度が遅い
・カーソル移動も多いのにVAIO Pro PKの上下幅が薄くてタッチ感に乏しいキーだとミスタッチが
・自分がカナ入力優勢であるため、日本語数値入り交じり文では切り替えが煩雑
と言う問題が発生する。
当初出張が多かったこともあり、1ヶ月ほどガマンしたが、ついにガマンしきれず、テンキーを追加することに。
テンキーがあれば効率が上がることは確定していたので、最低テンキーがあれば良かったのだが、追加でいくつか条件を出して探してみた。
・継続的に使うものなので、電池式より充電式
・今後のことを考えると端子はmicro-B等ではなく、Type-C
・有線だと少ないポートを潰すので無線接続、それも本体標準で備えるBluetooth
・テンキーだけよりは他のキーもあると嬉しい(特に「=」キー)
・キータッチはVAIO Pro PKに合わせて薄型
...という感じ。
一部について解説すると、関数にしろ数式(計算)にしろ「=」キーは多用するのだが、IBM PC系のキーボードはフルキーボードの109でさえ、=の単独キーはなく、Shift+「-」。自分はPC初期はPC9801の時代なので、NECフルキーボードにはあった「=」が現在のIBM PC系109キーボードにないのがとても不便に思っていた。そのため、独立「=」キーを備えるテンキーがあれば、選択したかった。
あと家ではREALFORCE遣い
なので、キータッチとしては「深い」静電容量式やメカニカルが好きなのだが、メインの入力キーとなるVAIO Pro PKの薄型キー(たぶんパンタグラフ)と、ストロークに大きな違いがあると打ちづらいので、社用は薄型キーに統一しようかと。
で、探していると、面白いものが見つかった。
上記の条件は全て満たしているのだが、さらに「計算機としても使える」テンキーボード。
実は、数値を扱うことが多い業務で、いままではPCの前で関数電卓叩いていたこともあった。もちろん、Excelを立ち上げて計算させても良いのだけれど、Wordの報告書を打っている時はわざわざExcelを一瞬の計算のためだけに立ち上げることになるし、Excel使用中でも多窓で複数枚のExcel立ち上げている時などは、参照に開いているブック/シートに不用意に手を加えたくないため、ちょっとした計算は別に手元でやりたいニーズがあった。それがこのテンキーボードは、テンキーボード⇔電卓の切り替えが出来るらしい。
興味を惹かれて入手してみたのが、スイッチや映像入出力切り替え機、多機能USB接続カードリーダーなどPC周辺機器を扱うArkidyn PlusのBluetooth接続テンキーボード B0FPF4P264。
使って見ると
・USB充電式
・Type-C(付属充電ケーブルはType-C⇔USB-A)
・Bluetooth5.1(USBの有線接続も可)
・34キーで「=」はもちろん、カーソルキーやBackSpaceやDelete、「00」キーなど追加
・キータッチは薄型パンタグラフ
と条件を満たすのはもちろん、
・Bluetoothは2つのPCとペアリング可
・テンキー⇔電卓はワンボタンで切替可
・奇跡的に?VAIO Pro PKのキーボードの傾斜と近似の傾斜で打ちやすい
と良いところが多い。

この配置で使うことが多いが、VAIO Pro PKとほぼ傾斜も合っていて使いやすい
自分にとっての欠点は、スリープからの復帰が手間取ることと、PCとのペアリング後の接続性がいまいちなこと
この商品、「20分間操作がないと自動的にスリープモードに入る省エネ設計」というのが売りなのだが、結構入力途中に作業が中断されることが多い職場なので、頻繁にスリープモードに入ってしまう。
このとき、キーボードを「起こす」のにキーを何回か打鍵しないと起きないのが面倒。意味なく「1111」などと打って、繋がったらその文字を消しているというムダ作業。
また、Bluetoothマウス
やヘッドセット
などは、PCを再起動などしてもすぐに「接続済み」となり、バッテリー容量などが表示されるが、本品は「ペアリング済み」は表示されているものの、接続されていないことがある(入力が反映されない)。
この接続部分がいまいちな部分があるものの、一旦繋がって、入力が続いている間は全く問題がない(購入店のレビューに「連続入力時にチャタリング様症状-2つ同時にキーを押した(前入力キーの押下が終了しないうちに次入力キーを打鍵した)時に発生-が出ることがある」とのことだったが、自分の打鍵方法では一度もそうなったことがない)。
「=」キーがあるのは思った通りたいへん便利。加えてVAIO Pro PKの上下幅が薄くて打ちづらいカーソルキーとは違い、カーソルキーは大きな正方形のものになり、位置も良いので、数値打ち込みのあと「→」キーで入力セルを横移動させるのが楽になった。さらにVAIO Pro PKはノートPCのため、BackSpaceとDeleteのキーが隣接していて打ちづらかったのが、完全に別になり打ちやすくなった。

「=」キー、BackSpaceの位置は遠いし、「00」キーも特殊な位置だが、あるとないでは...
ちょっと「=」が標準のテンキーの範囲を超えて、「*」の上にあるとか、BackSpaceはさらにその隣、「-」キーの上にあるなど慣れが必要な部分もあるが、大きなExcelの表と格闘する場合は、劇的に作業効率を上げた。
テンキー+電卓、自分の業務内容ではかなり使いやすい追加機器でした。

電卓は12桁。左上のキーで切り換える。オレンジの文字が電卓用。

この位置に「K」が表示されていると、テンキーモード。できればLEDのほうが良かったか?
【仕様】
接続方法:Bluetooth、USB有線
Bluetooth:5.1(2機器設定可能)
電源:充電式
端子:Type-C
キー数:34
その他機能:電卓機能
付属品:6ヶ国語説明書、充電用UDBケーブル(Type-C⇔USB-A)
眠るな、タヒぬぞ!
公称フル充電120時間(一部の表示では150時間)使用可能なバッテリーライフと、いざというときは有線接続(つまり充電線も接続)可能の2way接続機能もあるので、電源切り忘れによる電池消耗より、スリープをたたき起こす時のストレスの方が大きい。
不眠不休モード(ブラック企業モード?)と切り替えが出来ると良いのだが。
使用開始時に再接続が通らないことがある
一旦繋がると不安定なことはないのだが、PCを終了して、次の日繋ごうとするとなかなか繋がらないことがある。マウスなどは、PCより前に電源点けようが、あとから入れようがすぐに繋がるのに比べると接続性はイマイチ。
ワンアクションで「=」が入力できる利便性は何物にも代えがたい
ノートPCはもちろん、現在主流のIBM PC系109フルキーボードですら、独立「=」キーがないが、Excelではこれがあるかないかで効率性が1割は違う。
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購入金額
2,559円
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購入日
2025年10月06日
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購入場所
SHEN ZHEN SHI XIAO ZHI YA XUN KE JI YOU XIAN GONG (Amazon)





まこりんさん
11/20
ちなみにUSB接続の場合はスリープにはさすがにならないかな?
cybercatさん
11/21
有線接続だと30分放置でもスリープしませんでした。
ただ一度だけ動きが妙な感じになってしまいました。
USBケーブルで繋ぐと、通常のBluetooth接続時に出ている「Bluetooth Keypad」のほかに「USB Keypad」が追加されるのですが、これが競合するのか、num lockが押されているのと外されているのが交互に現れるような状況(例えば「2」を2回打鍵すると「22」にならず、「2」が入力された後、下にカーソルが動く(つまり↓)、「7」なら「7」入力後先頭移動(home)する)になったことがありました。
そのときは、「USB Keypad」の方を削除して再起動したら直りました(再起動→再有線接続で「USB Keypad」出現)。
不具合はその一回だけですが。
*検証環境:
PC=VAIO Pro PK、両端Type-Cケーブルで有線接続