現在イヤホン類を持ち出すケースで一番使っているのは、以前イベントでいただいたSIMGOTのEN700専用ケース。

これにはスマホなどで動画サイトのセリフを聞く時に使っているType-Cのイヤホンと、仕事などで業務用PCに繋いでteamsやzoomを行う3.5mmアンバランスプラグのイヤホンを入れて持ち歩いている。

いわゆる「まち」があって、元々EN700という少々大きめのハウジングを持つイヤホンの純正ケースのため、小さめ（細め）のイヤホンであれば2つ入るので便利に使っていたのだが、カバンのポケットのなかで押されるなどして、接着剤留めの「まち」の部分が取れてきてしまった。一度は万能ボンドで再接着して復活したのだが、先日また外れてしまった。前回は外側の部分だけで、内張り側はくっついていたのだが、今回は外側も内側も両方取れてしまった。

一応、「のりしろ部分」の革は破れてはいなかったので、その「のりしろ」を内外の「まち」で挟んで再接着し、なんとかまたケースの形に戻すことはできたが、「次分解したら終わりかな」という感じだった。

そこで、2本のイヤホンを持ち歩けるケースを探すことにした。

以前ケーブル用に購入したNICEHCK Earphone Case

は容量と剛性感あるケースの造りは言うことないのだが、唯一の欠点として蓋と本体の固定がマグネットで、それがあまり強くないため、すぐパカッと開いてしまう。今使っているSIMGOT EN700専用ケースも蓋はマグネット固定なのだが、結構強力でなかなか不意には開かない。さらに形状が、そもそもかぶせ型の蓋なので、多少蓋部分が浮いてもケース本体の中にイヤホン類はとどまっている。一方、NICEHCKのEarphone Caseは、本のように「開く」形状なので、カバンの中で蓋が開いてしまうとイヤホン自体が外にこぼれてしまう。

そこで、しっかりとした造りで、蓋が不意に開いてしまわない構造のケースを探していたところ、AliExpressで良さげなケースが販売されていることが、イヤホンレビューサイトのXで紹介された。

それがYongse トップグレインレザー収納バッグ。

これ、しっかりとした「まち」部分があり、蓋の固定はファスナーで不意に開くことは無さそう。

そして、最大のポイントが「牛革」。

この手のケース、AliExpressには2,000円台を中心に複数メーカー（KBEARやNICEHCKなど）が扱っているのだが、それらはPUレザー、つまりポリウレタンレザー＝合皮製。一部牛革のものもあるのだが、それらはかなり高額で4,000円台中盤。

自分はバイクに乗っていた時の経験上、合皮を強度的に全く信用しておらず、またヘッドホンのイヤーパッドやヘッドバンド部に使われている場合、加水分解でボロボロになって崩壊するのをいくつも経験しているので、合皮の耐久性にも信を置いていない。

そんなわけで革製に関しては、天然皮革一択なのだが、なんにせよ高い。

本品も定価は4,500円前後（為替などで多少前後）、セールでも1割引あたりが相場。

それが半額になって、PUレザー並みの価格になったとのアナウンスがあったので、購入してみた。

到着して見ると、造りとしてはしっかりとしたケースで、サイドにも芯が入っていて、上下方向に少し圧をかけても形を保つ。内側には蓋側にポケットがあり、換えイヤピなどを入れておくのに便利そう。

円筒型のイヤホンケース。サイドにもしっかり芯が入っている。

蓋側（写真では右）にはポケットがあり、イヤピなどを入れておくのに便利。

表皮は型押しされているのは、やや好みを分けるかも知れないが、風合いは流石天然皮革、手触りなども良い。

型押しされているのは好みを分ける？社名も読みづらいし。

大きさとしては、内径で8cm、厚みも5cmあり、結構大きめのIEM等でも問題なく入る。

大きめのCIEMでも余裕ではいる。

．．．．と、ここまでは問題ないのだが、唯一の問題はファスナー。

そもそも、やや引っかかるような感じで動きがスムーズではない。さらに少し入れるイヤホン類が多いと、外れてしまう。それも「すでに閉めた側が弾けて開いてしまう」のだ。この外れ方をした場合、勢いを付けて戻して旧に復することもあるが、最悪ファスナーが壊れてしまい、使い物にならなくなる。いままで2回この外れ方になり、なんとか元に戻すことが出来たが、定価5,000円弱クラスのケースとしてはちょっとオソマツ。毎回使う部分でもあり、YKK製とは言わんので、もう少しちゃんとした部材を採用して欲しかった部分。

CIEMを2つ入れると、弾けてしまう場合あり．．．ザンネン。

それ以外は大きさと言い、質感と言い申し分ないので、その部分だけ非常に惜しいケースです。

Yongseは、ユーザーからのフィードバックをきちんと聞いているメーカーなので、この部分もぜひ改良して欲しい部分です。

．．．．．．．なんて、記載した本レビューを公開したら、Yongseより良品送付の申し出があった。

【タイムスケジュール】

・2025/09/17 20:44：本レビューをXに投稿

・2025/09/19 15:27：Yongse OfficialよりXのDM

・2025/09/19 15:51：AliExpressの注文番号をXのDMで連絡

・2025/09/21 17:40：AliExpressに立った「After Sale Gift」の送料（15円）の支払

・2025/09/22 14:39：代替品発送

・2025/10/03 11:14：代替品到着

中国⇒日本までの輸送に10日ほどかかっているが、レビューを公にしてから2日で先方より連絡があり、その2日後には代替品発送できているので、正規のクレームルートを踏んでいない割に爆速。

「Yongseは、ユーザーからのフィードバックをきちんと聞いているメーカー」とは書いたが、まさかエゴサまでして品質向上・顧客満足度向上に努めているとは．．．．

で、送られてきた代替品と比較してみた。

ファスナーの滑りが明らかに違う。

初回購入品は、ちょうつがい部分？から一番離れた位置で、ファスナーが引っかかるような部分があるが、代替品はそれがない。

また、ファスナーの金属部分を固定している布？が硬く、“たわまない”上、閉じたファスナーをこじ開けるように爪を立てても入っていかない。

※初回購入品は、ファスナーが弾けた状態の写真としてみた

さらに一番最後まで閉めきった時に、最後に余る？空間というかコマ数が明らかに少ない。

【初回購入品】左右のコマも少しズレているせいか、端まで閉まらず「穴」が開いている。

【代替品】写真では違いが捕らえづらいが、現物は明らかに端まで閉まっている

そもそもコマのピッチがやや密な気がする←ファスナーのパーツ自体が異なる？？

【初回購入品】ややパーツが角張っていて、手触りがザラザラしている。

少しコマ間のピッチが少し詰まっている？？手触りは比較するとなめらか。

．．．ということで、代替品は全く問題なく、牛革ケースに合いふさわしいファスナーだった。

ただ、今回の対応で、Yongseに対する信頼度はアップしたが、このファスナー動作の改善が、改良によるモノなのか、単なる個体差なのか（ファスナーパーツの入手先の問題や、縫製のブレ含めて）は判断できず。

いずれにしても、ユーザーサービスは非常に良いので、不具合があれば報告、というのが当面は良さそうです。

【仕様】

素材：牛革（トップグレイン）、抗酸化ゴールドジッパー
寸法：高さ5cm×直径8.8cm

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2025/10/05　良品送付の顛末追記オーディオなんちゃってマニア道