レビューメディア「ジグソー」

思考のキャンバス、情報が透明な余白に舞い降りる

 

会議室にホワイトボードが必要になり購入。

ガラスで囲まれて外から中が見える会議室のため、壁に設置するのではなく移動式のものを選びました。脚部も曲線で装飾性があり、道具であると同時にオブジェでもある印象。

 

ホワイトボードは日常のインテリアとは違う、ビジネスシーンのイメージが重いですが、この製品はホワイトカラーなこともあり、そこまで目立ちすぎずに置きやすいです。 

生活感を抑えながらも、知的な空気を演出する。家具とガジェットのちょうど中間にいる存在。そんなかんじ。

 

現代の情報共有は、メッセージアプリやグループウェアによるものだと思うのですが、ガジェットの有無に関わらずリアルタイムで目視で確認できる形式は、やはり廃れるものではないと思います。

 

情報を一方通行でなく、手書きで共有する。しかもそれが消せる、重ねられる、広げられる。
これはアナログ回帰ではなく、情報と向き合う所作の進化だと思っています。

 

キャスター付きでどこにでも移動できるこのスタンド型は、家庭内のミーティングからクリエイティブな会議まで、シーンを選ばないです。

 

市販されているホワイトボード用の水性ペンを使用するのですが、ガラス面だから、マーカーの色残りもほとんどなし。専用のイレイザーで軽くなでるだけで新品同様の表面に戻るので、日々のメンテナンスが億劫にならない。むしろ、使うほどに手放せなくなる使用感です。

 

ガラス製のホワイトボードの特筆すべきところは、まずは書き心地の滑らかさ。
ペン先がガラスをすべる感覚は、紙ともプラスチックとも違う。「書いている」というより「描いている」に近い。
そして、消す瞬間の気持ちよさも特徴です。インクが跡を残さずスッと消える。考えの整理すらスムーズにしてくれるような感覚にもなります。

ガラス製品といえど、ちゃんとマグネット対応なので、メモや資料を貼って使うこともでき、使用の柔軟性が高いです。

 

ガラスという素材には、どこか凛とした緊張感がある。
無機質なのに、美しい。冷たいのに、開かれている。


この Putenahoto のガラス製ホワイトボードは、そんな静かな強さを、空間に持ち込む製品です。

 

 

 

こんなかんじの梱包です。

男性1人でぎりぎり持てる重さで、女性にはキツイいです。

 

Putenahoto(プテナホト)というブランドについて知らなかったですが、、高品質な磁気ホワイトボードや黒板の研究・開発および販売に特化したブランドで、そのプロダクトを通じて、学習やビジネス現場における「創造性と効率性の共存」を目指しているとのことです。

特にホワイトボードシートは厚さ約 0.65 mm、内部に高分子鉄粉を豊富に含んでおり、A4紙5枚分程度の磁力を安定的に維持できるという仕様で、粘着性と磁性のバランスにこだわっているとのこと。

 

素材は説明によると、自動車用防爆強化ガラスだそうです。

強化ガラスとは、高温(約650℃〜700℃)に加熱し、急冷することで表面に強い圧縮応力を与えたガラスのことです。英語では「Tempered Glass(テンパードガラス)」と呼ばれます。
この処理により、通常のフロートガラスの約3〜5倍の強度を持つようになります。

 

「自動車用」のものはさらに上級品で、高い耐衝撃性・破損時の安全性(粒状に砕ける)・歪みの少ない視認性、といった厳しい基準をクリアしたものをいいます。

Putenahoto のホワイトボードに使われているのは、この自動車規格に準拠したガラスであり、厚さ4mm という点もポイントです。視覚的にスリムで美しく、かつ必要十分な強度を確保しています。

 

自動車用「防爆」強化ガラスなのも長所です。

ここでの「防爆(英語ではshatterproof/explosion-proof)」という表現は、文字通り「爆発に耐える」ものではなく、破裂・破損時に安全性を保つ設計であることを意味します。

 

万が一、強い衝撃で割れてしまっても、一気に粉々にならず、粒状に砕けて飛び散らず、ユーザーに刺さるような鋭利な破片が出ない、という安全工学的配慮がされています。これは自動車のフロントガラスとまったく同じ安全思想になっており、それをイメージすると分かりやすいと思います。

 

単に「壊れにくいガラス」ではなく、機能・安全・審美性のバランスが取れた素材として、空間に置く道具として非常に理にかなった選定です。

また、ガラスが持つ「透明感」「軽やかさ」は、重さのある脚付き構造と組み合わせることで全体の視覚的バランスが取れる。いわば、「剛と柔」の素材的シナジーが感じられます。

 

また、ガラス表面には酸化防止コーティングが処理されているようです。

 

酸化とは、空気中の酸素、水分、油分などと素材が反応し、表面が変質・劣化してしまう現象です。金属ではサビ、ガラスや鏡では「曇り」や「くもり」として現れます。ガラスは化学的に安定している素材ではありますが、長期間使用する中で、マーカーの成分が残って焼き付く・手垢や皮脂が浸透して跡が残る・湿気や空気中の汚染物質で表面が劣化する、といった問題が生じることがあります。

 酸化防止コーティングは、そういった変質を防ぐために、ナノレベルでガラスの表面に保護膜を形成する技術です。一般的には、防汚性、滑らかさの向上といった効果があります。

 

Putenahoto のホワイトボードについて明記はされていませんが、製品の使用感や耐久性から見るに、おそらくシリカ系またはフッ素系のナノコーティングが採用されていると推察されます。自動車のガラスにも使われるというものは撥水性が高く、指紋がつきにくく掃除が楽です。

 

 

 

 説明書は英語か……と組み立てていたのですが、2枚目をめくったら全く同じ日本語の説明書だったので、まずは落ち着いて全ページを読んでみた方が良いですね。

 

 実際にブレスト会議などで使ってみた感想ですが、競合品と大きく違う部分は、移動式・組み立て式だからこそなのですが、高さや位置を調節できるところが使い勝手として大きいです。

壁に備え付けのものは1人が立ち上がって書きに行く「書記」が必要なのですが、この製品の場合は自分の近くに引き寄せることが可能、高さを低くしておけば座りながら書き込めるという利点があります。スタンディングではない会議などでは地味に便利です。

 

S字型のスタンド基部には厚鋼フレームを採用し、見た目の洗練性と強度を両立しています。

ただし、脚部の安定性は少し低め。どっしりとした重量級のホワイトボードに比較して軽量で少し不安定で転倒リスクを感じます。ただし逆に美しく安定したビジュアルともいえます。

書き込み時の振れは、思ったより少なかったです。

更新: 2025/07/27
デザイン性と機能美

「書く」「伝える」「整理する」——そのすべてを、美しく更新してくれる道具

マットな質感の脚部、洗練されたフレーム、そして透明感のあるガラス面。まるで空間の中に「思考のキャンバス」を置いたかのような印象だ。

 

このホワイトボードは、単なる連絡板やメモの延長ではないです。
空間の温度を下げずに、思考を研ぎ澄ませてくれる存在。
ミニマルな環境にこそ映える、知性のスイッチだ。

 

 

更新: 2025/07/27
メンテナンス性

気遣いなし

ガラス表面+酸化防止コーティングのおかげで汚れが付きにくく、軽い拭き取りだけで常にクリアな状態を保てます。インクの残りや劣化もしにくく、長期使用でも美観と書き心地を維持できるメンテナンス性に優れた製品だと思います。

更新: 2025/07/27
コストパフォーマンス

長持ちならでは

強化ガラスの高耐久性と長期保証、使うほどに実感する書き心地の良さを考えれば、初期コスト以上の価値が長く続くと思います。頻繁な買い替えが不要なため、総合的に見て非常にコスパが高い製品です。

  • 購入金額

    34,980円

  • 購入日

    2025年07月27日

  • 購入場所

    Amazon

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