1832年創業『京扇堂』の京扇子です。
10年以上前に購入した京扇堂の扇子を外出した際にうっかり紛失してしまったので、代わりに別のお店の扇子を購入したのですが、並行して無くしたものと同じ絵柄の扇子がないか探していました。
京扇堂のオンラインストアでは同じものは見当たらず、画像検索でも購入できるものは見当たりませんでしたので、最後にダメ元で京扇堂に直接問い合わせてみたところ、似たものがあるという返事を頂きました。
若干色合いや絵柄などが異なるようでしたが、折角なので購入してみることにしました。
サイズは7寸5分(約22cm)の紳士用で、親骨と中骨を合わせて35間となっています。名称は『スス染扇子(富士山、ゴールド)』です。
以前より派手さが増している
表側はゴールド地に黒と白で富士山が描かれているシンプルなモノです。地味な絵柄ですが、地色がゴールドなのでパッ見派手な感じに見えてしまいます。
というか、以前のモノはもっと全面が落ち着いた淡い色合いのゴールドだった記憶があるので、さほど派手な印象はありませんでしたが、今回の下地はゴールドというより黄色地に金色の塗料を吹きかけたような感じで妙に目立ちます。※見本の写真とかなり違うじゃん!w
絵柄については、よく見ると富士山の裾野の部分が以前のモノよりも長く描かれています。富士山は今回の方が綺麗に描かれているような気がします。
裏側は白の無地で多少パールの掠れ感があります。以前のモノはさらに軽く金色の塗料を散らしたような感じでしたので、少し違う印象を受けました。
親骨と中骨は、スス染め(松を燃やしてできた墨で染める手法)で渋い風合いに仕上がっています。また、中骨には透かし彫りが入っています。
全体的に作りはしっかりしていて、中骨の厚みや形状が均一で収まりも良いです。同時期に購入した青い扇子よりも中骨が5本多いのに、畳んだ時の『要』部分の厚みが同じなので、中骨の薄さと精度の高さを感じます。
ただ、扇面の方は折りの数が青い扇子よりも単純に5回分増えたことで先端部分の厚みが増しています。それでも収まりが良くなるよう親骨を絞っているので、見た目にはかなりスリムに見えます。
◇京扇子だけど京扇子ではない?
今回購入した扇子には、「扇面」「扇骨」「仕上げ」のすべてが国内生産されたものである証しの『京扇子』マークが表示されていなかったので、「扇面」「扇骨」「仕上げ」のどれかが海外生産品なのではないかと思われます。
なので、見た目に『京扇子』であっても、京都扇子団扇商工協同組合としては『京扇子』とは謳えなかったのだと思います。
個人的には、国内生産かどうかよりも製品の完成度の方が重要なので、たとえ正式に京扇子と謳えなかったとしても老舗で扱っている扇子ということだけで十分信用できます。
安心感がある
使い勝手としては、まだ新しいのでやや硬めの使い心地で、手に馴染むまではしばらく掛かると思いますが、しっかりとした作りが安心感を与えてくれます。以前のモノと同様に丁寧に扱えば10年以上使えると思います。
骨に浸み込んだ香りが和の涼しさを演出してくれます
一振りするだけで、優しい風と共にほんのり甘くて白檀のような癒される香りを運んでくれます。この香りがより涼感を高めていると感じます。
以前お店に問い合わせた時と香りの成分が変わっていなければ、パッチョリ(催淫効果のあるハーブ)、ワニリン(バニラのような甘い香り)、イランイラン(東洋的な香り)、サンタレックス(白檀の代替香)という香り成分です。
中骨に染み込んだ香りということなので、すぐに飛んでしまう香りではありませんが、使うたびに薄れていって、気が付くと全く香らなくなっているという感じになるでしょう。
香らなくなったら、市販の扇子用フレグランスなどで後付けしてみようかと思っています。
他の同サイズの京扇子と比べて風が強いとか弱いとかは全くないと思いますが、仰ぐ動作ひとつで涼感が変わるので、ハンディファンとはまた違った風情のある和の風を楽しむことができます。
見つかった!
購入してから暫くして紛失していた旧扇子が見つかりました!何と上の子の車の中に落ちていたそうです^_^;
そんな訳で、新旧で比較することが可能になりました。うーん、経年劣化を考慮してもやはり色合いがかなり違いますね〜 ここまで違うと別物と言っても良さそうですね。
ということで、一気に扇子が増えてしまった2025年の夏でしたが、今後もずっとお世話になるアイテムなので、紛失や破損に気を付けながら大事に使いたいと思います。
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購入金額
3,190円
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購入日
2025年07月頃
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購入場所
京扇堂














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