レビューメディア「ジグソー」

SPEKTOR 1からのステップアップ

以前、親にプレゼントしたミニコンポ、Marantz M-CR612と組み合わせるスピーカーとして、壁掛け可能で安価でそこそこの音という点を評価して、DALI(Danish Audiophile Loudspeaker Industries)のローエンドモデル、SPEKTOR 1を導入しました。

 

 

 

 

 

 

SPEKTOR 1は当時ペアで2万円弱という安価な製品でしたが、DALIのブランドを冠するだけの実力を見せてくれました。M-CR612との組み合わせで主にDavid Garrettのヴァイオリンを聴くために使われていましたが、壁掛けという音質面では極めて不利な環境でありながら十分鑑賞に堪える音は出してくれました。

 

はっきり言ってしまえば特に入れ替える必要は無い程度に満足していたのですが、先日営業終了を発表したオーディオ店「Onsite Audio」さんで展示品や中古品の格安販売を開始していて、主に海外製の比較的手頃な小型スピーカーが多く販売されていました。その処分品の中にはSPEKTORの上位シリーズOBERONの小型モデルOBERON 1や、より上位のOPTICONの小型モデルOPTICON 1も含まれていたのです。また同じように壁掛け対応の小型モデルFYNE AUDIO F300なども魅力的でした。

 

価格的には現行製品のOBERON 1が素晴らしく魅力的だったのですが、どうせならDALIの本拠地デンマークの国内工場で生産されているDALI製品を使ってみたいということで、OPTICON 1に目を付けました。

 

現在はOPTICON 1 MKIIへとマイナーチェンジされている製品ですが、実はこのマイナーチェンジによって日本向けモデルに用意されていた壁掛け金具対応のネジ穴がなくなってしまったのです。つまり壁掛けでこのクラスを使える機会は当面ないということが決め手となり、OPTICON 1を購入することにした訳です。

 

 

 

 

 

 

 

スピーカー本体が小さいためか、SPEKTOR 1の時と同様に1つの箱にスピーカーがペアで収められていました。

 

 

 

 

 

 

 

金具やフットなど付属品もきちんと揃っています。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

SPEKTOR 1よりは少し大きいという程度ですが、重量はSPEKTOR 1の2.6kgに対してOPTICON 1は4.5kgと結構増えています。

 

 

 

 

 

 

 

壁掛け金具用のネジ穴は所謂60mmピッチのもので、例えばBOSE 101MMなどで使われる汎用規格のものです。DALIの代理店のD&MではDENONから発売されていた金具を推奨していましたが、この金具は既に生産完了となってしまっています。

更新: 2025/05/30
総評

傾向は似ているが質は向上する

最終的には角度などを調整できるようきちんとした金具でマウントするつもりですが、取り敢えずは時間と気力が無かったのでSPEKTOR 1と同様にフックに引っかける形で設置しました。

 

 

 

 

 

 

 

取り敢えず用意していた汎用金具のスピーカー側のパーツだけを取り付け、フックで使えるようにしました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

奥行きがSPEKTOR 1よりも大きいため、前にせり出してきたような印象を受けます。なお、実際には金具に脱落防止用の紐を通していて、上にあるフックと結ぶことで負荷を分散するように設置しています。

 

 

さて、早速出てくる音について触れますと、基本的な傾向はSPEKTOR 1とあまり変わりません。見た目よりも力強い低音が出てきますし、壁掛けという不利な条件でありながらもそこそこきちんと音場も構築してくれます。

 

それでは何が違うのかといえば、楽器やヴォーカルの質感が確実に向上します。SPEKTOR 1ではDavid Garrettのヴァイオリンが少し一本調子に感じられる部分があったのですが、OPTICON 1では弦の僅かな擦れのようなものまでリアルに描写してくれます。

 

またStingの最新ライブ盤「STING 3.0 LIVE」をQobuzで(丁度DENON / MarantzのHEOS対応デバイスがQobuz Connectに対応してM-CR612でもQobuzが利用可能となったタイミングでした)再生してみると、Stingのヴォーカルがライブならではの質感で鳴ってくれます。

 

当然バスレフポートが壁に近すぎるなど問題もありますから、オーディオ的な完成度がそこまで高い音が出てくるわけではありませんが、生活の中で鳴っている音楽としてはこれで十分すぎる音です。

 

強いて言えば低域の力感がSPEKTOR 1よりも向上しているため、音量を上げるとお世辞にも強度が高いとはいえない壁に共振してしまうことがありました。スピーカーとしての実力は高まったのですが、その意味での使い勝手はやや劣ってしまいます。まあ通常聴いている音量であれば問題はありませんが。

 

壁掛け可能なスピーカーという条件を考慮すると、マウンター金具対応であることは当然として、重量も無理なく使えるのは1本5kg以下まででしょう。OPTICON 1は壁掛け可能なスピーカーとしてはグレード的にも高い製品ですし、重量もギリギリ許容範囲ですから、今回の用途には最適だったのではないかと満足しています。

  • 購入金額

    37,400円

  • 購入日

    2025年05月18日

  • 購入場所

    Onsite Audio

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