最近ライブによく行くようになったのですが、ちょっと物足りないのが席の遠さ。
多くの会場ではモニターなどもありますし、基本音楽を聞いているのでいいとは思いつつ、
演奏やダンスなどがもうちょっとみられるといいなぁと。
会場でもよく双眼鏡は売っているのですが、安っぽくてあまり買う気にはなれず。
時間があった昨年末にじっくり比較して購入してみました。
(ちなみに、いまだにアリーナ席が当たったことは一度もありません)
購入したのはケンコーの「ウルトラビュー」というシリーズ。
同価格帯の中で結構吟味しましたが、色も落ち着いていてレンズも良さそうなこちらにしました。
双眼鏡なんて、物心ついたときになぜかうちにあった大きな野鳥観察用以来。
もちろん、こんな小さなモデルは初めてです。
ポイントとしては、
・シャープさと画質はどうか
・ライブの暗がりの中でどれくらい見えるか
・手振れはしっかり抑えられるか
といったところ。
どこまで実用的だと感じたかを振り返ってみたいと思います。
選択基準は映像のシャープさ
まずはこのモデルのスペックから。
というか、双眼鏡のスペックはどう読めばいいのか勉強してみました。
この手のコンパクトモデルは、倍率がだいたい8倍か10倍の単焦点です。
ズーム機能とかついてると一気に値段もサイズも大きくなりますが、
F値も変わるので暗がりのライブ会場ではあまり良くないと判断しました。高いですし。
ビックカメラの店頭には、代表的なホールとこの席だとこの倍率がいいという
ポップが飾られていてかなり選びやすくなっています。
ただ、その日の席はよくても他の日の席はもっと遠いかもしれない。
使うのは1回だけではないので、一番遠い席からの見え方を基準に考え、
10倍にしました。
スペックは箱に英語で書かれています。グローバルモデルなんでしょう。
SPEC
倍率 10倍
対物レンズ有効径 21mm
実視界 5.4°
1000m先の視野 94.3m
ひとみ径 2.1mm
明るさ 4.4
眼幅 56.5~72.5mm
アイレリーフ 8.5mm
最短合焦距離 3m
重量 190g
サイズ 87×37×112mm
レンズコート フルマルチコーティング
材質 本体ボディ:アルミダイカスト
本体カバー:ABS
目当てラバー:EPDM、転輪ラバー:EPDM
スペックの中でまず気になったのは明るさです。
4.4はF値のことだと思うので、一眼レフのレンズで考えればまあ明るい方かなという感じ。
ズームはないので固定です。
安いモデルにもF値が高いものはあるのですが、
実際に覗いてみると像がぼやけてたりします。
カメラレンズのような回折現象が双眼鏡にあるのかはわかりませんが、
明らかにこのモデルよりもボケて見えるものもありました。
実際に覗いた中で候補にしたのは、ニコン、ペンタックス、オリンパスあたりのモデル。
もともとニコンユーザーでもあり、やっぱりレンズメーカー製はいいのかなと。
最後まで悩んだのは以下の2つです。
ニコン ACULON T02 10x21
https://www.nikon-image.com/products/sportoptics/binoculars/aculon_t02_10x21/
リコー(ペンタックス) UD 10x21
https://www.ricoh-imaging.co.jp/japan/products/binoculars/u-series/index.html
決め手になったのは、実際に覗いてみた印象、持ったりしまったりする時の感覚です。
ケンコーは全体的にしっとりしていたのと、親指を置くところの凹みがちょうどいいなど、
作りがしっかりしていたところです。
設定できるのは3カ所あります。久々にPCで書いてるので、太字も使ってみようかな。
接眼部
レンズの接眼部は回すことで、左右とも少しだけ長くなります。
メガネの人とか、レンズとの距離を調整したい時に使えたりするようです。
自分は裸眼なのであまり変化は感じなかったかな。
この回転部分、一番伸ばすと隙間ができるのですが、中にグリスが塗られており、
店頭で見るとここがかなりベタベタに汚れてしまいます。
なので、普段は縮めておいて、必要な時だけ伸ばすのがよさそうです。
視度調節
右側のレンズに付いているスライダーは、デジカメのファインダー部分にある視度調整機能っぽい。
つまみを回すと、像を結ぶ距離が少し動いて、きれいに見えるところが調整できます。
調節幅はそれほど大きくはないです。
ピントリング
中央のダイヤルはピント調整。
こちらは距離によっては少し変えることもあり、覗きながら人差し指で調整する感じです。
一番遠かった場合、舞台上とそこから移動した先とだと10mくらいずれるので、
前後移動する人を見るには調整しないとボケることも。
慣れるとホールドしたまま指で動かすことができるようになります。
本体はアルミ筐体で、カバーはABSですが、しっとりしていて手触りはよいです。
カラー違いのモデルはプラスチックっぽい感じなので、
こちらを選んだのは正解でした。
サイズの割に重量感はほどよく、安定感を感じます。
いくつか持ってみた中では、重めなモデルの方が使いやすく感じました。
一応このモデルはレンズがコーティングされていて、逆光などにも多少強いそうです。
ケンコーといえば、レンズフィルターやメガネのHOYAの会社。
ライブで光を見てみてもそれほどきつくはなかった気がします。
手ぶれ補正が高すぎる! 10倍でもギリいけそう
実際にライブ会場で2回ほど使ってみました。
1回目は横浜アリーナの高い席、
2回目は東京ドームの3回席でした。
正直、ずっと覗いているのはきついです。
手振れ補正もない10倍の映像だと、ほんのわずかな動きで被写体が外れます。
それを追うために動くとぐわんぐわんする感じがある。
一眼では35mm換算500mmくらいのレンズも使ってきましたが、
ほとんどVR付きでピタッと止まってくれます。
むしろVRなしのレンズで撮るのはきつい。
そして、カメラは撮影したら目を外すので一瞬だけですが、
双眼鏡はそのままで歌などを見続けるので、長時間そのままになります。
そこが自分にはキツく感じた理由でしょう。
ホールド性については、親指を置く凹みがちょうどいい感じはしました。
ここは手のサイズなど、人によるかも。
コーティングの効果ははっきりとは言えませんが、
暗い中でライトアップされたアーティストを見る分にはかなり明瞭に見えました。
多分妥協してもっと安いモデルにしていたらすぐに嫌になっちゃったと思います。
像が小さくても、どれだけみても表情がわからないとか、
くっきり合わない状態で見るのが一番つらいでしょうからね。
表情や楽器なども距離の割にしっかりきれいに見えました。
ここはやはりレンズの良さ(安いながらも)もあったように思います。
人を選ぶけど、持ってて損はない
店頭で吟味している時、店員さんが「カメラをやってる方だから
自然とブレないような持ち方されてるし、10倍でもいいと思いますよ」
と言っていました。カメラバッグを持ってたからそう思ったのかな。
確かに、できるだけブレないようにと脇を締めて目も当てて
覗いていたようには思います。それだけでも結構変わりますよね。
ライブの間、ずっと覗いているのは疲れてしまいますし、
極端な距離感のずれに少し気分が悪くなるような気もしましたが、
何人かいるうちのファンの人を見るには必須です。
店頭で見た時の8倍と10倍の違いは、正直それほど大きくは感じませんでした。
ただ、近すぎてもそれはそれで見るところあると思うし(ギターの指遣いとか?)
遠すぎるとほんとに遠いだけで見えません。
なので、バランスとしては10倍が良かったのだろうと思います。
双眼鏡自体について言えば、あるとないとで言えば絶対あった方がいい。
そして、どうせ持つなら会場で売ってる安物よりは、
せめて1万円は出した方がいい、と思いました。
よほどのことがない限りは激安できれいに見える双眼鏡なんて出てこないと思うし、
買い換えることもおそらくないでしょう。
何回か使う予定があるなら買っておいて損はないと思います。
選び方としては、最大距離で見たいものにピントを合わせた時に、
自分の納得のいくシャープさになっているかどうか。
そして、しばらく覗いて見た時に(できれば動くものを追ってみて)
きちんと追えるかどうか。
お財布との相談ですが、5000円以下のものはおすすめしません。
今回はライブ用途で買いましたが、
これ以外にもレースとか、アウトドアとか、
気分転換でいろいろ使えそうな気はします。
その意味では、新しいガジェットが追加できて、
新しい体験につながるとしたら、
結果的にはよかったのかなと思います。
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購入金額
8,900円
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購入日
2024年10月21日
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購入場所
ビックカメラ






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