レビューメディア「ジグソー」

うまく耳に填まってくれないイヤフォンにオススメ

一時期はAZLAの独壇場となっていた高機能型イヤーピースですが、近年他社からも次々に意欲的な製品が投入されてきています。

 

最近ではradiusから発売されたDEEPMOUNT ZONEがなかなか素晴らしい出来で、私もメイン級のイヤフォンにはこれを主に付けるようになりました。

 

 

 

 

 

 

しかし、私のメインイヤフォンである64AUDIO U6tのケーブルを新調してから、少し困ったことになっていました。これまで使っていたWAGNUS. Petit NEUTRON Lilyよりも今度のケーブルは大幅に太く硬いため、メガネをかけているとSHURE掛けしてもケーブルがうまく収まらず、歩きながら使ったり、酷いときには話をして顎が動いただけですぐにイヤフォンがずれてくるようになってしまったのです。

 

そこで以前から買おうと思っていながら買っていなかったイヤーピースを試してどの程度改善できるか試してみようと思いました。そのイヤーピースが、今回取り上げるaudio-technica AT-ER500です。

 

audio-technicaはイヤフォンの大手メーカーですが、これまではごく普通のシリコンイヤーピースばかり発売していました。しかしTWS全盛期となったことを受けて、音質を向上させると共にイヤフォンをしっかりと装着出来るイヤーピースとしてAT-ER500を発売しました。

 

このイヤーピースは三井化学製の特殊素材アブソートマーで作られていることが特徴となります。アブソートマーは通常の温度では比較的硬い樹脂なのですが、丁度人間の体温程度の熱が加わると柔らかさが出て柔軟に変形するようになります。AT-ER500を装着したイヤフォンを耳に入れ、暫く後にきちんと押し込んでやることでイヤフォンが動きにくくなるというわけです。この特性を活かせばズレやすくなったという今回の課題を解決できるのではないかと考えての導入です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

実はこの製品が発売される前にイベントでこの製品は一度試しています。当時はメインのイヤフォンは64AUDIO U4で、U4は耳への収まりが良いためこの製品の恩恵をそれほど受けられたわけではありません。そのため今回は当時のことは忘れた上で試すことにします。

 

私は他社製のイヤーピースでは大抵Sサイズが適合するのですが、試した当時audio-technicaのスタッフの方から「普段よりは気持ち大きめのものを使った方が良い」とアドバイスされていたため、今回はMサイズを選択しました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

audio-technica製の他のイヤーピースよりも凝ったパッケージとなっていて、ハイグレードモデルであることを演出するという意図もあるのかも知れません。

 

 

 

 

 

 

 

メインターゲットがTWSとなるため、軸の部分は短めです。一見するとごく普通のシリコンイヤーピースと変わらないのですが、触ってみると意外なほど硬いことがわかります。特に今は冬ですので、押しても形は殆ど変わりません。

 

更新: 2025/01/25
総評

ちょっとしたカスタムイヤーピース感

前述の通り、私のメインイヤフォンである64AUDIO U6tに装着します。現時点ではイヤーピースは前述のDEEPMOUNT ZONEです。ケーブルは後日レビューを上げる予定ですが、Brise Audio STR7-Ref.を組み合わせました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

AT-ER500も耳への装着直後はあまりしっくりとは来ないのですが、暫く待つと耳にしっかりと収まるような感覚があります。その状態からさらに細かく位置を合わせることで音質的に適切な場所を見つけてそのまま聴いていると、イヤフォンがその位置から動かなくなっていることがわかります。Brise Audioのケーブルは太い上に皮膜が硬く、メガネをかけているとケーブルがうまく耳にかからないのですが、AT-ER500を使って耳へイヤフォンを固定した上でケーブルを調整することでかなり外れにくくなります。

 

 

音への影響はどうなのかという話ですが、これもなかなか好印象でした。DEEPMOUNT ZONEは低域の密度感が濃くS/N感が良いという特徴があるのですが、AT-ER500はS/N感では及ばないものの中域にちょっと明るさが加わり、64AUDIOのイヤフォンとBrise Audio製ケーブルとの組み合わせで変に厚ぼったくなりがちな低域も適度な水準でまとまってくれます。

 

実はケーブルをSTR7-Ref.に交換してからU6tのapexモジュールをm15にすると、ベースラインが厚くなりすぎる傾向が出て困っていたのですが、AT-ER500を組み合わせると何とか許容範囲に収まってくれるようになりました。真剣にapex m12モジュールを買うしかないかと思っていましたので、これでバランスが改善されるというのはある意味予想外で有難かったです。

 

本格的なIEMで使うには軸部分が短すぎるという弱点はありますが、それは使い方でカバーできる範囲です。それ以上にちょっとしたカスタムイヤーピースのように耳にガッチリ填まってくれるという点を高く評価したいと思います。

  • 購入金額

    2,109円

  • 購入日

    2025年01月25日

  • 購入場所

    Amazon

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