10月12日,13日はオーディオ販売店ダイナミックオーディオが主催する一大イベント「マラソン試聴会」が千代田区神田錦町のKANDA SQUAREに於いて開催されました。
私はダイナミックオーディオとは付き合いがほぼ無く、過去に開催されたマラソン試聴会にも参加したことはありませんでした。しかし今回はメインプログラムではなくセミナールームで開催された方のメーカー中心のプログラムの方でSOULNOTEのE-3を中心とした最新ハイエンドの体験、そして同じ会場の次のプログラムがTechnicsの新製品SL-1300Gの日本国内初展示ということで、個人的な付き合いもありその部分だけ参加してきました。
SOULNOTEは前のaccuphaseが終わった後すぐに入室して席を取ったのですが、開始までにとっくに満席となる人気ぶりで、あまりに客が増えたためリスニングポジションとは到底いえない場所にまで椅子を並べても空席無しという大盛況でした。実はSOULNOTEの現在の営業担当のスタッフは以前私がよく利用している某販売店で店長をされていた方で、結構長い付き合いなのです。
さて、SOULNOTEは主役が光カートリッジ専用フォノイコライザーE-3だったため、再生された楽曲は全てレコード盤によるものでした。ターンテーブルはドイツ製VERTERE SG-1PKG、カートリッジはDS Audio GRAND MASTER EXという恐ろしい金額のセットです。
再生されたレコードはSOULNOTEの開発者加藤氏厳選の、オーディオ的な質にこだわらず生の質感が伝わるものでした。お得意のプリンスによるテープレコーダー録音などが再生されましたが、その中でも私の印象に最も強く残ったのが「NIGHTBIRD / Eva Cassidy」というライブ盤から再生された「Fields Of Gold」でした。
帰宅した後、出来ればこの「NIGHTBIRD」というライブ盤を欲しいと思い探してみたのですが、なかなか入手困難ということがわかります。新品はまず在庫がありませんし、中古盤も軒並み1万円超えですからね…。
そこで方針を変えスタジオ盤のアナログを探してみたのですが、出来れば「Fields Of Gold」が収録されているものとということで、結果的に見つかったのはAmazonのアウトレットに出ていたベスト盤だけでしたので、結局これを購入しました。
内容を紹介する前に、このエヴァ・キャシディという人について少し説明が必要でしょうか。
レコードデビューは1992年ですが、それから僅か4年後の1996年、彼女は皮膚癌により33歳の若さでこの世を去ってしまいます。生前は無名のローカル歌手という存在です。彼女の死後に生前残していた音源からアルバムが数枚製作されています。
ところが2000年頃に英国のBBCがラジオで彼女が歌う「Over The Rainbow」(虹の彼方に)を流したところ大反響となり、それから生前残した作品が売れ始めるのです。「Over The Rainbow」を収録したアルバム「Songbird」は彼女の死から2年後に発売され、そこから3年後に英国のヒットチャートでアルバム1位を記録するのです。
英国でのヒットを受けて色々な国でも認知度が高まり、現在に至るまで根強い人気を誇り続けています。
近年、特にオーディオ好きの中で定番の女性ジャズシンガーというと、ノラ・ジョンーズやダイアナ・クラール辺りでしょうか。ただ個人的にはエヴァ・キャシディの歌唱力はその辺りの実力派と比べても全く引けを取っていないと思いますし、声質はエヴァ・キャシディが最も好みです。
私は本作をレコードとして購入していますが、実はこのベスト盤はLP2枚の他にCDも1枚同梱されていて、全く同じ内容をCDとLPとで聴き比べることが出来ます。曲順も含め以下の曲目はLP、CD共通です。
1. You Take My Breath Away
2. Kathy's Song
3. Songbird
4. What A Wonderful World
5. Ain't No Sunshine
6. Wade In The Water
7. Time After Time
8. Autumn Leaves
9. I Can Only Be Me
10. Fields Of Gold
11. True Colours
12. Imagine
13. Over The Rainbow
14. It Doesn't Matter Anymore
15. Danny Boy
16. People Get Ready
17. Anniversary Song
18. Early Morning Rain
19. I Know You By Heart
20. Tall Trees In Georgia
カバー曲はオリジナルが有名なものが当然多いのですが、ちょっと意外に思えたのは「Kathy's Song」でした。Simon & Garfunkelのデビュー作に収録されていた曲ですが、恐らくアルバム曲全てをきちんと聴き込んだ人でないとタイトルを聞いてもどんな曲か思い出せない程度にはマイナーな楽曲の筈です。
楽曲が別の表情を見せる
まずLPの方ですが、180g重量盤の2枚組となっています。
CDはスリーブに入っただけの状態で、レコードと重なって無造作に入っていました。ケースは後で調達したものです。
以下に何曲か貼っておきましょう。オリジナルが有名なカバーを中心に紹介しておきます。
冒頭に貼ったライブ版と聴き比べればすぐに判りますが、歌は素晴らしく上手い人です。ただ、個人的には上手いというよりは感情を揺さぶる歌という印象を受けました。「Fields Of Gold」など入り込み過ぎるとちょっと苦しさを覚えたことがあったほどです。
こういう歌を歌える人が早逝してしまったというのは大きな損失ですが、割合質の良い録音が多数残されていたことは幸いでした。音楽をじっくり聴く余裕のある時に今後も聴いていこうと思います。正直あまり気軽に聴こうという気にはなれません。
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購入金額
5,146円
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購入日
2024年10月21日
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購入場所
Amazon
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