レビューメディア「ジグソー」

例によってハンダの違いは顕著に表れる

実は今回取り上げるKS-DIGITAL-001/EVO.IIは、現時点で予定されているKS-Remasta製デジタルケーブルのラインナップには入っていません。これは私が提案して急遽制作されたもので、これが正式発売時にラインナップに加わるかは何ともいえません。

 

先行で使ったKS-DIGITAL-001/STD、KS-DIGITAL-001/EVO.Iの2本を聴いてみて、シェルリード線での経験からKS-Remasta特製ハンダの一つであるEVO.IIを使うとなかなか面白い音になるのではないかと感じましたので、KS-Remasta主宰の柄沢さんに尋ねてみたところ「EVO.IIは試してないけど、面白そうだからやってみましょう」とのことで、試聴機が1機種増えてしまったわけです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ハンダの違いはシェルリード線で何回か取り上げていますが、前回のKS-DIGITAL-001/EVO.Iとはグレードとしては同等で、純粋に音質傾向の違いとなります。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 外観上は例によって同シリーズの他製品と見分けは付きません。型番ラベルで確認できるだけです。

 

 

 

 

 

 

今回送られてきた試聴機は全て試作Ver.3のもので、これを発売前の最終試作とするつもりだったそうなのですが、何故か私の手元には最上位のKS-DIGITAL-001/SR-NVKのみ、試作Ver.4も届いていて、最終的に何処に落ち着くのかはまだ確定ではなくなっているようです。

 

更新: 2024/06/26
総評

アナログ感がやや後退するが、より鮮明で力感に優れる

一応今回も端子内部の写真を掲載しておきますが、正直ハンダがEVO.IでもEVO.IIでもそれ以外でも、外観上は全く判らないんですよね…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それでは早速試聴です。例によってPCにUSB接続したFOSTEX HP-A8から同軸デジタル出力したものをChord Hugoのデジタル入力で受けるという形で、その間の結線に試聴対象のケーブルを使うというものです。

 

ソースも「Balluchon / 小川理子」(78rpm盤)と「TOTO IV / TOTO」(Friday Music盤)から起こした、それぞれ24bit/192kHzと24bit/88.2KHzのWAVファイルとします。

 

発売されたとすると同一の価格となるEVO.IとEVO.IIですが、音はかなり異なります。

 

KS-DIGITAL-001/EVO.IIは、KS-DIGITAL-001/EVO.Iと比べると直接音が鮮明に表現される傾向があります。アナログ的な中低域の濃さはKS-DIGITAL-001/EVO.Iに分がありますが、例えば「It's A Feeling / TOTO」ではベースラインが鮮明かつ力感に優れるのはKS-DIGITAL-001/EVO.IIです。むしろベース以外のヴォーカルやキーボードも、音像の鮮明さは明らかにKS-DIGITAL-001/EVO.IIの方が上です。ただ、如何にもアナログという傾向を示すKS-DIGITAL-001/EVO.Iと比べると、アナログ的なウォーム感はKS-DIGITAL-001/EVO.IIでは薄まります。

 

実は使い始めはKS-DIGITAL-001/EVO.IIは低域ばかり主張が濃く高域方向がやや曖昧で音場の見通しもさほど良くなかったのですが、2~3時間鳴らし続けていると高域方向も鮮明になり、音像の輪郭がはっきりしてくるようになりました。所謂バーンインが必要なタイプなのかも知れません。

 

続いて聴いた「Smile / 小川理子」では、ピアノの音色に随分違いがあります。ややソフトタッチに感じられたKS-DIGITAL-001/EVO.Iに対して、KS-DIGITAL-001/EVO.IIでははっきりとしたタッチでソリッドな音色に感じられます。小川理子のヴォーカルもバックから少し前に出てきます。ただ、音場の密度の濃さはKS-DIGITAL-001/EVO.Iの方に分があるかも知れません。

 

今まで聴いたKS-DIGITAL-001/STD、KS-DIGITAL-001/EVO.Iはデジタルケーブルでありながらアナログ的な音色というのが特徴だったのですが、KS-DIGITAL-001/EVO.IIはそのアナログ感が薄れる代わりにオーディオ的な基本性能の高さが感じられます。一音ごとの音像がクッキリとしていて、判りやすい高音質ケーブルというイメージです。かといえってaudio-technica AT-RD5000/1.0のような露骨なデジタル感というわけではなく、若干のアナログ感を残したもので音楽的にもきちんと聴かせるものとなっています。

 

 

元々私はEVO.IIハンダを高評価していた立場ですので、KS-DIGITAL-001/EVO.IIは期待通りの実力を示してくれたと評価できます。正式に発売された後でKS-DIGITAL-001/EVO.IとKS-DIGITAL-001/EVO.IIのどちらかを買うということになったとすれば、私なら恐らくKS-DIGITAL-001/EVO.IIの方を選ぶでしょう。まあ、純粋なアナログの愛好家が使えばKS-DIGITAL-001/EVO.Iを高く評価するとは思いますが…。

  • 購入金額

    55,000円

  • 購入日

    2024年06月26日

  • 購入場所

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