レビューメディア「ジグソー」

Ibの不思議な世界を体験した証左

Ib(イヴ:“b”だと「ブ」の方が適切な気もするが、公式表記が「ヴ」)」。

 

もとは、プログラミングの詳しい知識を必要とせずに、2Dフィールド型RPGを作成できるゲーム制作支援ソフト、「RPGツクール2000」で作られた、フリーのホラーアドベンチャーゲーム。2012年に公開され、その独特の世界観と、登場人物数は多くないものの強烈な個性を持つキャラクター、ゲーム内では故人という設定の芸術家=ゲルテナの遺したおどろしい絵画の醸し出す雰囲気などで強烈な印象を残すゲームだった。しかし、20年前の開発ツールで制作されたため、最近の環境(特にWindows10以降)で上手く動かなくなってきたのもあってか?、グラフィックをほとんど一新し、美術品の新規追加やデザイン変更、会話の追加なども行ったリメイク版が、2022年にSteam版、2023年にNintendo Switch版、2024年にPlayStation4/5版としてリリースされた。

 

それに伴い、様々な配信者により取り上げられた。秀逸なストーリーと何度も遊べるマルチエンディング、強烈なキャラクター、考察のし甲斐がある深みのある会話、語りつくされない「解釈の余地」など、実に配信向けで、大手事務所所属のVtuberから個人配信のYoutuber、Twitchストリーマーまで、実に多くの配信で取り上げられた。

 

今となっては「粗い」ドット絵は、リメイク版でもその風合いを残し、味となっていて、似ているものがないオリジナリティが、初版から10年以上たった今でも評価され、静かなブームとなった。

 

そのIbに関連したリアルイベントもいくつか行われた。

 

ひとつが、Ibの舞台ともなった、故ワイズ・ゲルテナの作品を集めた博物館を模した「ゲルテナ展」。東京(渋谷と後に池袋追加)と名古屋、大阪、静岡で行われたこの展覧会は、ゲーム内の博物館に収められていた絵画が展示されていた。

 

ゲームの中でキーとなっている絵画、世界観を表している絵、ゲームのように動く絵画...

 

ゲームをやった(もしくは配信でたどった)人ならばニヤリとしてしまうような展覧会だったらしい。

 

そしてもう一つが「Ib謎解きミュージアム」。

 

Ibの世界を体感しながら、キーアイテムやキーフレーズを探し、それらを組み合わせてナゾを解き、会場から脱出するという「リアル脱出ゲーム」。時間制限と最後に出る出口の選択でバッドエンドもあり、という感じのイベント。

 

このイベント、2023年9月の東京ドームシティGallery AaMoを皮切りに、2023年末の福岡・BOSS E・ZO FUKUOKA、2024年2月の大阪南港ATC、8月(予定)のツインメッセ静岡と全国を巡回している。

 

その福岡会場に、偶然にも参加することができた。

 

福岡は数年ぶりの訪問だったのだが、前日に業界の集まりがあって、その仕切りをするため出張になり、お偉方に付き合う夜が予知できていたため、次の日は「帰るだけ」だったのもあり、帰りの飛行機を、最寄りの空港に到達する便の中で一番遅いのに設定した。

 

案の定前日(前夜)はかなり飲むことになり、起きたのは結構遅かった。しかし、一番遅い便というのが夕方発なので、博多ラーメンなどのご当地グルメを堪能して時間をつぶすだけでは、ちょっとどころかだいぶ「余る」。

 

そんで、ホテルでチェックアウトの準備をしながら、

・福岡/観光/12月

とか

・福岡/スポット/写真

とか

・福岡/イベント/今日

などと検索していたところ、このイベントを見つけた。

 

そして、運よくその日1枠だけ空いている。

 

開いていた枠は午後イチより少し後で、会場が空港とは離れているのもあって、飛行機の時間的には結構ギリ。最大でも会場に1時間半程度しか滞在できない計算だが、東京では連日満員で予約が取れなかったイベントというので、行ってみることにした。

 

参加するためにチケットを購入するわけだが、せっかくめったに来ない土地で参加するのだから、記念になるものを購入しようということで「グッズ付きチケット」を購入した。

 

チケットそのものはオンライン購入で、購入した時間帯の直前に現地に行き、スマホを提示するだけなのだが、受付で「グッズ付きチケット」であることを示して交換するのが「Ib謎解きミュージアム ギフトボックスセット」。

この長細いケースに入っているのは...
この長細いケースに入っているのは...

 

レプリカチケットと赤い薔薇のピンバッジ
レプリカチケットと赤い薔薇のピンバッジ

 

内容は、自分の参加した(する)「Ib謎解きミュージアム」の「レプリカチケット」と、ゲーム内ではIbのいわば「HPゲージ」となっている紅い薔薇をかたどった「いのちのバラピンバッジ」。

チケットには会場の「」の名が。
チケットには会場の「BOSS E・ZO FUKUOKA」の名が。

 

バラの花びらが散ってしまうとタヒんでしまう。赤いバラはIb。
バラの花びらが散ってしまうとタヒんでしまう。赤いバラはIb。

 

チケットの方には、きちんと参加した会場である「BOSS E・ZO FUKUOKA」の名が刻まれている。

 

結構サクサク解いていったのだが、前の組までの累積遅延でゲーム会場に入るのが10分遅れたことと、大盛況満員であり作業スペースを見つけるのに苦労した(渡される作業ノート=Story Bookに集めた証拠や情報を書き込んだりカードを挟んだりする「作業」が発生し、台がないとやりづらい)ので、最後の謎解きに時間がかけられず、一部勘で選択しなければならなくなったので、最後はBad Endだったけれど、イベント自体はすごく楽しめた。

こんなにたくさんの作業ノート・資料類が渡される。
こんなにたくさんの作業ノート・資料類が渡される(攻略中の追加もあり)。

 

こういう風に会場からカードを集めて完成させるような資料もある(一部モザイク処理)
こういう風に会場からカードを集めて完成させるような資料もある(一部モザイク処理)

 

標準で1時間半かかるので、入場が10分遅れた時点でかなりキツかった...
標準で1時間半かかるので、入場が10分遅れた時点でかなりキツかった...

 

最初の東京の回は大盛況だったらしいので、「ゲルテナ展」のように最後に東京に戻ってきたら、上手く日程を合わせて再戦したいなぁ....

更新: 2024/06/10
世界観

紅い薔薇のピンバッジ、というのが「わかる人にはわかる」でよいかも

蒼い薔薇と黄色のバラも含めたランダム配布だと、さらにおもしろさが増したかも...

 

※Ibには、メインキャラが3人いて、それぞれ紅、蒼、黄のバラを持っている。

  • 購入金額

    1,800円

  • 購入日

    2023年12月09日

  • 購入場所

    Ib謎解きミュージアム(BOSS E・ZO FUKUOKA)

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