以前AdPower Sonicという同シリーズの商品については紹介しています。
AdPower Sonicは現在私のメインイヤフォンである64AUDIO U4の側面に貼って使っています。
音質的には明瞭度や分解能が向上し、U4が1グレード上がったかのような明確な効果が得られたため、愛用し続けています。ただ、外観上はごく普通の粘着シートのようなものなので、傍目には「ヒビでも入って補修したのか?」と思われるような仕上がりとなってしまうのが弱点でした。
今回リリースされたAdPower Sonic Hexagonは、従来のAdPower Sonicと同様な効果が得られるものですが、六角形に整えられ、カラーバリエーションも用意されたことが新たな要素となります。サイズもSSとかなり小さなものも用意されるようになったため、僅かなチューニングなどをした時にも最適であると説明されています。
AdPower Sonicの原理については前述のAdPower Sonicのレビューをの方をご覧いただければと思います。メーカーとしては楽器やスピーカーで使うことを想定している製品とのことですが、私としては以前から試したいと思っていた使い方がありました。それはアナログプレイヤー関連です。
AdPowerシリーズは基本的に静電気の抑制・制御を目的としているということですが、アナログレコードの音に大きく悪影響を与えるのも静電気です。また、フォノイコライザーを通る前のアナログ信号は極めて微弱であり、僅かでも効果があれば出てくる音には大きな違いが表れる可能性も高いためです。
今回はSSサイズのブラックを購入してみました。よくよく考えれば私が主に使うヘッドシェルはaudio-technica AT-LH/OCCシリーズですので、黒だとちょっと悪目立ちする訳ですが、他の用途で使う場合に黒の方が間違いはないかなということで…。
台紙の内側にはQ&Aや測定データが記載されています。
単体重量は約0.16gというところでしょうか。これならゼロバランスや針圧に帯する影響もさほど大きくはないでしょう。
うっすらとAdPowerのロゴが印字されているようですが、薄暗い部屋では殆ど見えませんでした…。
音像が鮮明で低域方向の深みが増す
今回は元々アタックへの反応が大人しめなMCカートリッジ、audio-technica AT-ART7で使うつもりで購入していますので、早速取り付けてみることにしましょう。組み合わせているヘッドシェルはaudio-technica AT-LH15/OCC、シェルリード線はKS-Remasta KS-Stage401EVO.II-VKに交換しています。
AdPowerシリーズはつける場所も自分で色々試して欲しいというコンセプトであり、カートリッジに使うにしても何処に取り付けるかは決まっていません。
複数つけるのであれば色々と組み合わせを試せるところですが、カートリッジ周りは0.数gの差が大きく影響する場所ですから、出来れば1枚で終わらせたいところです。そこで取り敢えず試してみたのが、ヘッドシェルのターミナルピンに近い、この位置です。
静電気が信号に対して悪影響を特に与えるとすれば、この端子部分なのではないかと考えたわけです。
取り敢えず、「Fahrenheit / TOTO」のA面を適当に流し続けてみました。
すると、まず第一印象で気付いたのは低域が随分下の方まで伸びるようなったということです。元々このアルバムはあまり深い低音が入っている訳ではないのですが、ちょっと上ずっていた感があるベースラインが低いところで落ち着くようになりました。バスドラムのアタックもAT-ART7にしては随分鮮明になりました。
更によく聴いていると、ヴォーカルや楽器がそれぞれ鮮明に定位して、正体不明の付帯音が減っているように感じられます。特にヴォーカルがきちんと像を結ぶようになったといえば良いのでしょうか。
元々クッキリ調のAT-OC9/IIIでは行きすぎの音になってしまう可能性があるかも知れませんが、やや曖昧さがあったAT-ART7で使うには、程々にオーディオ的な正確さも出てきて好印象です。元々の音がやや雰囲気寄りであまり正確さが感じられるタイプではありませんでしたので…。
この位置で効果があるのであれば、ひょっとすると側面を挟むように貼ればより明確な効果が得られる可能性はあるのかも知れません。ただあまりやり過ぎてしまうとAT-ART7の個性を消してしまう危険性もあるため、この位置での1枚というのは結果的に悪くない選択だったと思います。
私が従来のAdPower Sonicで使っているようにイヤフォンのシェルに貼るような使い方であれば、AdPower Sonic Hexagonは使い勝手も見栄えも良く適した用途だと思います。
まあ、本来は敢えて使い方を限定せず、効果の増減を楽しみながら使うものでしょう。オーディオアクセサリーとしては比較的手頃な価格ですから、使いこなす過程を楽しむべきものと思います。
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購入金額
2,130円
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購入日
2023年11月30日
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購入場所
Amazon アドパワー
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