普段私のレビューで音楽ネタを読んでいただいている方はおわかりと思いますが、基本的に私が聴く音楽のジャンルは70~80年代洋楽が中心で、そこにJ-Popやアニソン、ジャズやクラシックも入ってくるという感じです。
しかし一時期に限って洋楽から離れていたことがありました。それが1990年代から2000年代初頭までで、この辺りの洋楽がラップやHIP POP全盛期となり、急速に興味を失ってしまったのです。この時代のJ-POPは丁度洋楽でいう1980年代に近いタイプの楽曲が並んでいて、割合スムーズに入って行けたということもあり、国内の楽曲を中心に聴いていました。
もっとも洋楽と違ったのは特定のアーティストを深く聴くようなことはなく、広く浅く嗜む程度でしかなかったということです。聴いていた楽曲も普通に売れているものばかりだったと思います。
そのような時期に出てきて何となく印象に残っていたのが、1995年にメジャーデビューして、デビュー曲がいきなり大ヒットした岡本真夜でした。何といっても圧倒的に有名なのは、その大ヒットしたデビュー曲「TOMORROW」でしょう。
レコード盤を製造する東洋化成が中心となって開催されるイベント「レコードの日」でリリースされるタイトルの中に「TOMORROW」の7インチシングルと、LP「Heart Of Mine / Bobby Caldwell」を見つけた時点で今年は買おうと決めました。発売日の11月3日に手元に届きましたので、ここで紹介したいと思います。
1995年にリリースされたCDシングルの「TOMORROW」ではカップリングは「BLUE STAR」という曲でしたが、今回のレコード化では4枚目のシングルとして1997年にリリースされた「そのままの君でいて」に差し替えられています。
この曲も信用金庫のTV-CF曲として全国で流れましたのでよく知られているでしょう。ちなみにCDシングルでリリースされた当時には、このシングルのカップリングとして石井聖子に提供されてヒットした「ANNIVERSARY」のセルフカバーが収録されていました。
(※CDシングルに収録されたバージョンは石井聖子に近いアレンジです)
レコード化で声の質感が出るように
それではここからは今回リリースされたEP盤についてみていきましょう。
ジャケットのデザインはCDシングルで発売された当時のものを踏襲していますが、CDシングルは縦長デザインであったため、その上半分を切り取って文字を変更したような形となります。
ひょっとすると当時のCDの盤面に準拠しているのかも知れませんが、面ごとにラベルの色が変えられています。
昔CDで買ったときには、特に「TOMORROW」はとにかく音が悪いと思っていた楽曲ですが、このレコードでも本質的に良い音ではありません。オケに空間表現はろくにありませんし全体的に音が曇っているような印象です。ヴォーカルもコンプレッションがひどすぎて抑揚がまるでありません。
しかし、CDの時には普通に録音したものをラジカセで再生してマイクで拾ってCD化したのかと思ったほどひどい音でしたが、このEPではヴォーカルに肉声らしさがいくらか出てきましたし、オケもパーカッションなど特定の音の質感は多少感じられるようになりました。
また「TOMORROW」と比べると「そのままの君でいて」の方はいくらか音が向上していて、空間も多少は表現されるようになりましたし、高域方向にも多少細やかさが感じられるようになります。それでも「音が良い」という次元にはとても届きませんが…。
音質については決して褒められるものではないのですが、それでもCDよりは向上していると考えればレコード化してくれた意味はあったといえるでしょうし、楽曲そのもののクオリティの高さで買った意味は十分に感じられました。
それでも「何でJ-POPはこんなに音が悪いんだろう」という疑問はどうしても残ってしまいますが。もう1枚ついでに買った「ロード / 虎舞竜」は意外とまともな音で、少ない音でシンプルに作ればマシなのかなとは思います。
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購入金額
2,200円
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購入日
2023年11月03日
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購入場所
TOWER RECORDS
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