レビューメディア「ジグソー」

コストパフォーマンスで右に出るものは無さそう

私が新品でオーディオアクセサリーを購入する際に、特に選ぶ頻度が高くなっているのがサンシャイン製品です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

複数買っている品もありますので、結構使っていることがご理解いただけると思います。

 

サンシャインはオーディオ界をマグネシウムで制覇するという勢いのメーカーであり、ケーブル類はティグロンによる開発でティグロンが積極的に導入しているHSE処理を前面に押し出したものとなっていますが、インシュレーターやスタビライザーの類はとにかく高純度のマグネシウム素材を惜しみなく使ったものとなっています。

 

ステータスのあるブランドではないということもあるのですが、効果が確かであれば見た目は二の次でとにかく安価に提供という姿勢も徹底していて、私のような庶民にはとても有難い存在です。

 

近年はケーブルのリリースが続いていましたが、これはマグネシウム素材の原価高騰と、製造委託先の問題で従来のマグネシウム製アクセサリーの大半が製造を継続できない状態となっていたことも影響していました。しかしマグネシウムこそサンシャインの本分という社長の姿勢もあり、マグネシウム製アクセサリーの新シリーズが投入され始めています。今回取り上げるMg-Spencer Lはその中の主力商品ですが、新たな製造先に1ロット製造させたところ、想定していたレベルの仕上げになっていないということで、サンプル価格として格安販売されたものとなります。

 

更新: 2023/08/02
総評

他社なら桁が一つ上がりそう

上でサンプル価格という話を書きましたが、その後社長が卸先のアドバイスで「想定とは違っていたもののこれはこれで商品として成立する」と思い直したため、当初の想定よりは標準価格を下げ、このクオリティで次回以降も出荷する方針に転換したようです。そのため、初回ロット価格という形となり、セカンドロット以降はもう少し値上げして販売されることになりそうです。

 

 

 

 

 

 

 

 

サンシャインは最近海外展開を狙っているためか、以前と違ってそこそこきちんとした商品らしいパッケージで販売されるようになりました。最初からサンシャインの特徴を知っているユーザー以外に売るのであれば、パッケージが良い方が売りやすいのは確かでしょう。

 

 

 

 

 

 

 

 

商品ラベルにはマグネシウムの特性である「アルミの266倍 真鍮の400倍」の振動吸収性というアピールが記載されています。サンシャインの進藤社長は「マグネシウムこそ最高のオーディオ向け金属素材である」という信念の持ち主で、他社製品でよくある「特殊アルミ素材を使っていて最高の性能」のような宣伝文句を徹底して批判しています。逆にマグネシウムを素材として使う、ライバルや商売敵といえるセレニティ(ワンロード)の製品はかなり高価なのですが「工業製品として妥当な値付け」とむしろ肯定的に評価しています。

 

 

 

 

 

 

 

 

裏面には一見ただの傷防止保護パッドのように見えるものが貼付されていますが、これは振動特性が異なる2つの素材を貼り合わせることで、単一素材では吸収しきれない振動も吸収するという、インシュレーターとして極めて王道の発想で設計されていることによるものです。

 

今回は試しに1セット買っただけなので何処に使うかはまだ決めていないのですが、先日CDプレイヤー、SANSUI CD-α607の試聴を行った際にMg-Spencer Lも試す形となりましたので、ここで取り上げておくことにしました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

実はCD-α607は、結果が良ければ現在使用中のNEC CD-10と入れ替えることを前提にして試聴したのです。

 

しかしCD-α607は設計がCD-10よりは新しいこともあり、緻密さや繊細さでは上回ったものの、鮮烈さや力感、生々しさではCD-10の完勝というほどに違っていました。確かに私自身CD-α607はかかっているコストに見合わない平凡な音と評価していましたが、価格帯がほぼ同じで発売が8年近く開いた製品に完敗というのは正直意外でした。

 

何とかもう少しマシな音が出てこないかと考えたときに、ふと目にとまったMg-Spencer Lを使おうと考えたわけです。

 

単純にCD-α607標準装着のインシュレーターの下にMg-Spencer Lを敷いてみただけで試聴してみました。

 

すると先ほどまでは常に一歩以上引いたような演奏をしていたイメージだったCD-α607の音が、ようやくステージの前の方に出てくるようになりましたし、低域に一本芯が通ったような感覚が生まれました。今までの経験上、このクラスのオーディオ機器に安価なインシュレーターを挟んでも、出てくる音は「変わったといえば変わったかな」という程度の感覚しか無かったのですが、Mg-Spencer Lは明らかに根本的な底上げが感じられます。

 

ただ、Mg-Spencer Lを併用した状態であっても、CD-α607がCD-10を超えるかと言われるとなかなか厳しいものがありました。同クラスの比較試聴に持ち込めたという程度です。

 

 

Mg-Spencer Lの確実な効果は感じ取れた一方で、Mg-Spencer Lをどうやって使うかという悩みには結論は出ないままとなっています。ただ、実売価格5千円前後のインシュレーターでこれほど明確に音が変わる製品は他にまず無いと思います。オーディオアクセサリーの初心者の方は、まずこれを使った上でアクセサリーを使う意味を判断していただいて良いのではないかと思います。

  • 購入金額

    5,980円

  • 購入日

    2023年07月15日

  • 購入場所

    オーディオユニオンお茶の水アクセサリー館

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