ウチは全館24時間換気システムを導入していることもあり窓を開けないので湿度が低くなり部屋が乾燥しがちです。なりがちというかパンがカビない・食物が腐らないくらい部屋が乾燥します。
加湿器を購入してはいるのですが、さすがに全部屋に置くことはできていないので、常に何かしらの良い加湿器がないかなぁと探しているのですが。
ありとあらゆる加湿器を検討した今となってはどれもこれも同じように見えるので、一癖ある製品を求めるようになってしまい、そんな時にこの加湿器を見かけて「なんか珍しくてよくね?」となって注文したのが経緯。
最大の特徴は「反重力設計」ということで、重力に逆らったかのように水滴が浮かんでいるように見えるというものです。
認知心理学デザイン的には「あぁ、ストロボ効果ね」と分析してしまうのですが、つまり周期的動きの中で繰り返しの周波数とサンプリング周波数が近い時に逆方向に移動して見えるという現象です。
それが製品に落とし込まれたからなんだという話ですが、滝や池などの環境概念は癒し要素としてライフスタイルに取り込むのも面白そうだと感じます。
こんな箱で送られてきました。稀に見るシンプルな簡易包装。
こういうので全然良いですね。箱を捨てる時とか。
内容物は、本体、マニュアル、USBケーブル。
説明書はめちゃくちゃシンプルで、とりあえず照明消せるの? とか水の勢い変えられるのかとか全然分からないのですが、水を入れて電源っぽいボタンを押せば動くので、それで OK です。
形状的には、2つのパーツの間を支柱が支えているような感じ。
このパーツの間の空間がなんともいえない謎空間の雰囲気を醸し出しています。
近いのはダイソンの羽無し扇風機とかだと思うのですが、脳がバグるような感覚を持つ製品はモダンなイメージがあるかもですね。
この製品にはホワイトとブラックがあり、おそらくホワイトがスタンダードだと思うのですが、僕は壁などの空間をホワイトに、家具をなるべくブラックに統一しているので、こちらを選んでいます。ここ最近はブラックな家電が増えたのですが、少し前まであまりなかったので値段が高い物ばっかりでけっこう大変だった。今ならブラックな炊飯器でもラインナップから買えるんでしょ。
上部ユニットは、ポンプで吸い出した水を落とす機構で、基本的にはここに全てが入ってる感じなんでしょうか。加湿器関連機能の他に、時計機能と照明機能があります。
電源は USB で、家電系デザインには珍しく、なんと上部にポートがあります。
ポートまで空中浮遊していますね。
こちら側にモーターが入っているから配線基盤コストを削減するためだと思うのですが、コードがここから垂れ下がることになるので美しくはないです。全体的に使い勝手が悪く下手な設計だなと思うのですが、初めて家電に手を出したメーカーみたいなイメージを感じますね。
使用するには、下部ユニットをかぱっと開けるのですが、下部は空っぽで水桶でした。
ここに水を入れていきます。
「反重力設計」という体なので、マニュアルには下部ユニットのこの排水口が「出水口」と記されています。
製品にファンタジー要素があっても良いと思うのですが、マニュアル記載はどう書くのが正解なんですかね……。いろいろ考えさせられます。僕もこの立場だったら、どう書くのか。
使用した感じは、こうなります。
個人的には水道が流れているのと変わらないように見えるけど、どうなんですかね……。
結構水の音とか気になりますね。
どうでしょう、動画では水滴が浮かんでいるように見えるでしょうか?
ちなみに僕は上から下に落ちる水流が思いっきり見えています。大丈夫。大丈夫だから。
モーター音や水滴の音などを確認していただけたらと思います。
落差の距離があるから、これくらいの音にはなるかも。
動画の最初にも映っていますが、ミストは充分な量がでます。
照明はオレンジ色の強い暖色系。
反重力設計の水滴浮遊
加湿器に近未来的イメージのエンタメ要素を加えたもので、当たり前の加湿器では面白くなく変わったものを求める層には刺さる製品だと思います。
企画アイデアに対して絵を描いたらこういう形状だろうな、という外観。無意味な装飾も無くシンプルで無理のない外観だと思います。おそらく外部的・内部的な設計は別の方が行い対話がなかったと思うのですが、電源コードが本体上部から出るのはユーザ視点からの意見を聞けばまず最初に絶対に突っ込まれた部分だと思います。
機能美を突き詰めればエンタメ要素部分が必要ないので、この製品のデザイン価値は薄れるのですが、この製品でいえば外観の意匠はエンタメ要素のためにあるといえるので、この形状で正解といえるのではないでしょうか。いやそもそも加湿器に機能美なんてあるのか。
来客・来訪者が思わず「これなんですか」と聞かずにはいられない存在感。水流部分がよく見えるようにデザインされているので、「不思議」が最大限に認知できるようになっています。インテリアとして確かに面白いですね。
「反重力設計」というエンタメ以外の加湿器としての機能は、むしろこの製品のおまけ機能のようにも感じられます。良いミストの加湿器を求めるなら、他に安く良い製品がたくさんあると思います。
お手入れ簡単
水は底部の水桶に入れるだけ。形状も丸みを帯ていて角がないので、さっと拭けます。掃除はすごく楽です。細かいパーツや外して無くなりそうなパーツも無いのでメンテナンスは楽ですね。
専用の電源コードではなく USB というところも、シーズンで片づけて後から引っ張り出すときに「電源コードどれだっけ?」とならないので嬉しいポイントではあります。
やや高め
近未来的なイメージが価格面にのっかっていると思うのですが、技術的・制御的は簡単で単純構造でもあるので、本来はもう少し下方の価格だと思います。企業側が攻めて、ちょっと下手をうった気がします。
若干のエンタメ要素が入った製品だと思うのですが、もちろん一般的な超音波式加湿器として使えるので何の問題もありません。
イロモノ加湿器にイマイチ
水滴が浮かんで見えるだと ── なにそれ近未来! しかも部屋を加湿できる!
加湿器が欲しいな、と考えていて「ちょっと変わったこの製品面白いな」と思ったのですが、あの時の気持ちを分析するなら、水滴が浮遊するという「ちょっと珍しい機能」を見ていて「加湿器」としての機能面をよく見ていなかったのだで失敗したのだと思います。なので、加湿器として使ってみた際の機能面にネガティブな感想になってしまう。完全に自己責任です。
加湿器として使用してみると、いろいろとビミョーな気になる部分が見えてきます。
水の音がうるさい。
ポンプのモーター音がうるさい。
無駄な機能に電力を使っててエコじゃない。
時計って必要?
照明って必要?
得たものはあるのかもしれないですが、失ったものも大きいですね。
あと、そんなに水滴が浮かんでいるように見えないのも、ちょっと落胆。上から落ちてくる水がなんとなく見えてるし、ちょっと考えたらこの落差から落下したら水の音が跳ねてうるさいの分かりそうだし。イマイチどころじゃないですよ。機能が無駄になってる。
……とかいうと思うでしょ?
確かに反重力設計とか、煽った売り方のある製品なのですが。
この水が上から下に落ちて跳ねる音、めっちゃ癒される!
滝とか池とか川みたいな水の音が部屋にあることで、なんか落ち着く。
この音、なんだっけ……と思ってたら、あれです。雨の音。
雨の音って、水で洗い流されるイメージを持つことができるため、心を穏やかにするリラックス効果があるんですって。 現代人の鬱屈とした心や社会疲れなどを洗い流すような、すっきりした気持ちになる効果があるそうです。
科学的には雨音の高周波にいわゆる「1/fゆらぎ」が含まれていることなどから、リラックスさせる作用や安眠、さらには作業効率に効果があると考えられています。「1/fゆらぎ」は人がリラックスしている際に出すα波の分泌を促進する作用があるため、自律神経のバランスが整うことで、心を落ち着かせ、癒し効果を与えます。
そういうわけで、メーカーの思惑以外のところでは意外にイマイチじゃなかったりしています。
水滴が浮かぶという面では買わなきゃよかったと思いましたが、今ではこの水流が落ちるメカニズムが出す「雨音にも似た水の音」の方に価値を見出し、癒されています。
部屋の中に自然があるような不思議な空間に、癒され、潤っています。
やっちゃったかも、と思いましたが別角度からみればイマイチではないですね。
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購入金額
7,760円
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購入日
2023年06月03日
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購入場所
CAMPFIRE
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