私はFireWire接続のオーディオインターフェースもいくつか持っていますが、オーディオ用のFireWireケーブルはMOTU(Mark Of The Unicorn)独自規格であるAUDIOWIRE(物理的にはIEEE1394 6pinと同じ)のために揃えています。
メーカー標準添付のAUDIOWIREケーブルの音はお世辞にも褒められたものでは無く、今までに以下のケーブルを使ってきて、結果としてFireBird-66を使い続けてきました。
FireBird-66で接続するという前提があれば、MOTU 1296/HD192はいずれも高音質SACDの制作に使われたことに納得が行く性能を示してくれています。しかし、以前はより上位クラスのFireWireケーブルが売られていた時代もあり、出来ればそのようなケーブルを一度使ってみたいと思っていました。
そこでヤフオクで見つけたaudioquest CARBON 6pin - 6pin 1.5mというケーブルを落札して早速使ってみました。
外観上は以前FOSTEX HP-A8の接続に使っていたUSB CARBONとよく似ています。
既に製品情報は残されていないのですが、導体は5%銀コートLGC(Long Grain Copper、日本の日立電線が発売していたLC-OFCに近い素材)だそうで、この両端が6pinの1.5mは2万円程度の製品だったようです。
より低域の深さや楽器の質感が向上
それでは実際にMOTU HD192の接続に使ってみますが、元々使っていたFireBird-66はSUNSHINE製ケーブルインシュレーター、Spiral Exciterを併用していました。
そこでCARBONにも余っていたSpiral Exciterを巻いておきました。
AUDIOWIREのケーブルは、具体的にはPCI Expressスロットに装着したホストアダプター、PCIe-424とHD192の間を接続するために利用します。
HD192や1296では、AUDIOWIRE端子は筐体背面の右端に用意されています。
実際のところ、ケーブルをつなぎ替えてから音を出すまでには意外と時間がかかるため、比較試聴としてはちょっと判りにくい状態であることは予め記しておきます。
基本的にFireBird-66と大きな音調の差は感じられませんでした。しかし、例えば「Generation Radio / Generation Radio」辺りを聴くとバスドラムのパワー感や音場の明瞭度は少し向上したように感じられます。
また、「Explosive / David Garrett」では、ヴァイオリンと自分の間の距離がFireBird-66の時よりも少し近づくという印象があり、弦の質感ももう一歩生っぽさが出てくるようになります。
元々1万円程度のFireBird-66を、2万円前後だったFireWire CARBONに交換したということを考えると、妥当なレベルで向上したという程度でしょうか。この辺りになると約2倍の価格差では明確に良くなるというほどでは無く、部分的に向上が見られるという程度の差になることがオーディオの世界では多いですからね。
今となっては極めて入手性が悪いFireWire CARBONですが、既にFireBird-66を使っている人がどうしても交換したいと感じる程ではないと思います。まあ、FireBird-66も既に入手困難ではありますが…。
両方を持っている人がどちらか選ぶのであればFireWire CARBON、AUDIOWIREを標準ケーブルで使っているのであれば、どちらでも良いので何とかして入手すれば音質面で格段の進歩が見られるといういうことが出来そうです。
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購入金額
7,942円
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購入日
2023年03月10日
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購入場所
ヤフオク
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