メインPCのCPUを、AMD Ryzen Threadripper 1950X
から同2990WX
に換装したときに使用したCPUグリス。
以前は、定番グリスARCTIC MX-4
を使っていたのだが、今回少し前に高性能グリスを買っていたので、そちらを使うことにした。
液体窒素おじさん、こと、プロオーバークロッカー清水貴裕氏と、PC向け熱伝導素材を長年手掛けている親和産業のコラボグリス、シミオシ OC Master シリーズ、その中でもOC向けのSMZ-01R。
このシミオシ OC Master シリーズ、実は3種あって
・OC向けで高熱伝導率(13.2 W/m・K)、粘度も低く薄塗りできるSMZ-01R(本品)
・高性能グリス(熱伝導率11.7 W/m・K)、かつ、高耐久のSMZ-02S
・低粘度で塗りやすく、コストパフォーマンスに優れたSMZ-03L(熱伝導率9.37 W/m・K)
をラインアップする。
このうち本品はOC向けのSMZ-01R。本来別用途用に入手していたのだが、使わないまま2年ほど経過してしまったので、いい加減使うか、と。
同時に購入しておいた同じシミオシシリーズのグリス塗布ツール、プラチナ塗名人キット
を使って塗布。ただキットが「for LGA1150X & 1200」だったので、グリスマスキングシールは使えず。
また、低粘度(70~80pas)をウリとするSMZ-03L程ではないにしても、本来本品粘度が低く(90~100pas)、製品ホームページには「マテリアルの比重が競合する他のハイエンドグリスよりも低くグラムあたりの容積が大きいため、1gという小容量版ながらRyzen Threadripperに2回塗布可能な容量を確保(以上ホームページより抜粋引用)」とのことだが、2年のうちに液体成分が乾いてしまったのか、グリスが硬めで塗り広げづらく、まるまる1本分をプラチナ塗名人キットのプラチナグリスカードでごりごり広げてやっとほぼ一面に塗れたという感じ。
硬くなっているので、ちょっとムラがあるが、この程度ならロックかければ平坦化するか?
このグリス、本来は2回分量らしいので「厚め」になってしまって冷却性能が落ちていないか、塗り広げムラがあったので、「グリス切れ」による冷却不足が起こっていないか、ベンチ(OCCT)で比較してみた(この比較、一度交換直後に取ったはずが、交換後のデータが保存できていなかったため取り直しになった/そのため6月末の室温28℃での1950X+MX-4と、まだ肌寒い室温15℃の環境での2990WX+SMZ-01Rでは環境が同一でないため、精密な比較は出来ていない)。なおOCCTのヴァージョンは1950Xのデータ取得時と同じヴァージョン11.0.8に合わせた(本来2023年2月の最新は11.0.21)。
比較はOCCTを30分回して、各CPUの温度上昇幅を観るテスト。両ベンチのPC周囲気温が10℃以上も違うので、絶対温度よりむしろ最大値と最小値の差=「上昇幅」に注目することにする。本来発熱部位が多くて、ピーク周波数も高い2990WXの方が不利なはずだが、M/B観測の各コアの温度上昇を比較すると、30分のOCCTでは、下は19℃弱から、33℃近くまで上がったコアまであるものの、全コア平均は23.9℃の上昇にとどまった2990WXと、外気温以外同条件の負荷で25℃弱~29℃弱とコア温度のバラツキはないが、平均上昇幅が27.05℃にまで達した1950Xという感じ。なお、季節が異なっているため、絶対温度は異なるが、交換前後で全く構成的に変化がないGPU=msi GeForce GTX 1080 GAMING X 8G
の温度変化を参照すれば、寒い時期にベンチを採った2090WX+SMZ-01Rに、とくに室温の優位性があるわけではないのが判る。
【交換前:1950X+MX-4】
【交換後:2990WX+SMZ-01R】
多少バラツキがあるが結果良好。1080の結果がこのテストの比較を保証する。
グリスが硬めでやや塗り広げづらかったというのは、乾いてしまってのことであって、この製品の本来の性能ではないと思うが、冷却性能は流石の結果。また塗り替えする時もこれ使ってみようかな。
【SMZ-01R-01仕様】
熱伝導率:13.2 W/m・K
粘度:90~100pas
耐熱温度:-50℃~250℃
色:ライトグレー
容量:約1g
MX-4より性能良い(か?)
残念ながら交換直後計測ではないので、比較環境が平等ではないが、「上がり幅」としてはこちらの方が小さい。熱伝導率 8.5 W/mKのARCTIC MX-4より性能いいのかな。
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購入金額
715円
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購入日
2020年07月26日
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購入場所
TSUKUMO
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