所持する音楽データに対する私利私欲...イヤ私情私見あふれるコメント、音楽の杜。こういった分野のものは「好み」ですし、優劣を付けるのもそぐわない気がしますので、満足度の☆はあくまで私的な思い入れです。音楽の守備範囲。cybercatのもはや悪食とすら言える守備範囲の広さと節奏のな差は置いておいて(オイ、プレイヤーもあるジャンル一辺倒...というのは実は多くありません。ヘヴィメタルの有名ギタリストがアニソン好きだったり、演歌の大御所が児童系ポップスを歌ったり、アイドル歌手が演歌を歌ったりと、自分の可能性と創造力を広げて活動します。そんなプレイヤーつながりで、自分とっては珍しいジャンルを聴くことになった作品をご紹介します。
Panaché(パナシェ)。ボサだったり、ラテン系だったり、ハワイアンチックだったり、ちょっとワールドな風合いの癒やしの楽曲を小粋に演奏するバンド。
メンツは
・Oran(オラン):アコーディオン、ヴォーカル
・江森孝之:アコースティックギター、ウクレレ、コーラス
・岩見和彦:エレキギター、コーラス
・佐藤哲也:アコースティックベース、エレキベース、コーラス
という構成で、純然たるリズム楽器がいないのが特徴(一部の曲には打楽器が入っているし、シンセサイザー系音色も入っているので打ち込みも多少...さらに、オカリナのような音も聞こえるのでクレジットされていない楽器も多数かも)。全員曲が書けるというのが強いな。
楽曲の半数ほどはインスト。ベースが支える激しくないリズムに、アコーディオンとアコギの優しい調べが載り、あまり歪んでいない心地良いエレギが旋律を奏でるというパターンが多い。さらにウクレレを使って、アコーディオンの調べが載ると、爽やかな海を感じるが、それは夏の太平洋だったり、爽やかな地中海だったり、夕暮れのカリブの海だったり、凪いだ瀬戸内だったり...そんな感じの曲が多い。
このPanaché、自分はエレキギターの岩見和彦から識った。岩見はフュージョンバンドNANIWA EXPRESSのギタリスト。非常にテクニックあるギタリストだが、尖ったテクを見せるというより、フレーズで魅せる方向のギターを聴かせる、「フュージョンギタリスト」としては珍しいタイプ。これは、NANIWAの代表曲「Believin'」などの名作曲者としても識られる彼の歌心のなせる技なのだろう。
このアルバム“風はローズマリー”でも、その歌心は遺憾なく発揮されている。
まず表題曲「風はローズマリー」。バックビートにアクセントがあるベースパターンで、スルドの様な味わいで南米っぽさが増している。軽い感じで歌われるボサ調のOranのヴォーカルと自ら奏でるアコーディオンのの調べが癒やし。後半それに寄り添うように岩見のエレギがオブリガードを奏でる。ラスサビ前の江森と岩見のギターソロの魅せ合いは心地良いな。曲はOranと江森の作。
「Endless Summer」は岩見の曲。インストで(コーラスはあり)、コーラス+アコギのアルペジオではじまり、薄くベースとアコーディオンが支える中、フルアコによる岩見節が聴ける小粋な曲。2nd verseに入ると今度はアコーディオンが主となり、カズボン(岩見)が支える形になるが、ソロ(前半)はやっぱりカズボン!小粋且つ所々にキラリと光る音を使って、ジャズの香りが...
猫の日にちなんで?「猫はいつも雲の上」。Oranによるこの曲は♪パッパラパパ/パッパラパパ/パッパラパパ/パディアラッタ♪というコーラスが入っていて、軽いボサ調なのだが、力を抜いてコーラスやヴォーカルに寄り添うカズボンのエレギが小粋。♪月のしずく/太陽のしずく/両手で/すくえば/ハートの形と/おしえてくれた♪
他にも、坂本九の「上を向いて歩こう」やThe Beatlesの「Michelle」など名曲のカバーがインストで収められていて、このときはアコギとアコーディオンがいい味出している。
この作品、結構癒やしの楽曲満載で「邪魔に」ならないので、よく作業のBGMに流しているのだが、実はcybercatとして積極的購入対象のジャンルと言うほどではない。
なぜ購入する気になったかというと、2022年3月に大阪のライヴハウスMister Kelly'sで行われた、NANIWA EXPRESS PREMIUM 6DAYS!! 2022に参加した際に会場物販で販売されていたから。
.....ついでにサインまでもらってたりしてw
偶然の出逢いがもたらした、心を落ち着かせる、粋で癒しの音楽でした。
【収録曲】
1. 風はローズマリー
2. 風に歌ってどこまでも
3. Olinda *
4. Juin Menuet *
5. Lana *
6. 上を向いて歩こう *
7. Endless Summer *
8. Cabo Branco *
9. Michelle *
10. 猫はいつも雲の上
11. Bon Voyage
12. 風はローズマリー ~Repraise~
* instrumental
「風はローズマリー」+「風はローズマリー ~Repraise~」
さわやかなBGMとして...
特にインスト曲は、BGMとしてサイコー。心をザワつかせることなく聴けるので場に流しつつもジャマにならず、ふと耳を傾けると、粋でハイテクニックな演奏が聴ける。
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購入金額
2,000円
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購入日
2022年03月19日
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購入場所
NANIWA EXPRESS PREMIUM 6DAYS!! 2022物販 in Mister Kelly's
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