昔は、アーティストとファン、あるいは遠隔地のファン同士が直接コミュニケーションをとるのは難しかった。
以前からあったファンクラブ会報などは、アーティスト⇒ファンへの一方通行。逆にファンレターはファンからアーティストに届いても、その返事がもらえることは基本的には、ない。また会報もファンレターもリアルタイムではあり得ない。一部タレントのファンクラブでタレントと直接電話でお話し!というようなものがあっても、それはあくまで「企画」であって、全員ができるわけではなかった。
...時が流れて、アーティスト側からの発信はツールが揃ってきて、YouTubeやニコ動などの配信や、インスタライブのようなリアルタイム発信が可能になった。ライヴ配信のコメントを拾ってそれに回答すれば、ある程度の双方向性コミュニケーションは確保できる。
それに対して、ファン同士の交流は、「よくコメントしている」いつメンはコメント欄である程度の限定的な交流はできるが、ライヴ配信中でないとリアルタイムコミュニケーションは取れないし、アーティスト関連の話題とはいっても、アーティストがライヴ配信しているさなかに、ファン同士で盛り上がるのは失礼。
さらにアーティスト側にとってみれば、ファンとの交流は大切ではあるだろうが、時間も有限なので、無償でやり続けるのは厳しい。ある程度の収益を...と言っても、インスタライブのバッジやYoutubeのスパチャはファンからの行動なので、他力本願。Youtubeのメン限配信を使えば、メンバーシップ代は固定収入として確約されるが、そもそもYouTubeの収益化はハードルが高く(チャンネル登録者数が1000人以上、直近12ヶ月で4,000時間以上の再生時間)、ある程度配信や動画作成に注力しなければクリアが難しいので、YouTuberメインならともかく他のアーティスト(俳優やミュージシャン、タレントなど)では、それが本来のアーティスト活動の妨げになるようなら本末転倒。
そんな悩み?を解決するのが、コミュニティ型ファンクラブ=“アーティストとファンを繫ぐ有料コミュニティツール”「Fanicon」(iPhone/Android対応)。
「Fanicon」には様々なアーティストたち(アイドルやプレイヤー、俳優、タレントや芸人など)が登録しており、これらアーテイスト(「Fanicon」では「アイコン」と呼ぶ)を選んで有料登録する(ファンクラブの「会費」に相当)。すると「アイコン」専用ページにアクセスできるようになる。
俳優系だと、のん(能年玲奈)や、ウルトラマンXの高橋健介、仮面ライダーの山本涼介等も
用意されている機能は、「タイムライン」「グルチャ」「トピック」「スクラッチ」「1on1トーク」「アルバム」「ショップ」「チケット」「ライブ配信」。
「タイムライン」は、掲示板兼ライブ配信アーカイブへの入り口。「アイコン」側がトピックを立てるもので、それに対してファンはコメントができる。
「グルチャ」はLINEのグループトークのような機能で、「アイコン」もファンも自由にスタンプや言葉を投稿できる。ここではファン同士が会話してもよいし、「アイコン」が現れる場合、「アイコン」との直接交流もできる。「アイコン」が出演するライヴの待ち合わせの打ち合わせをファン同士がしてもよいし、「アイコン」に差し入れの可否などを質問してもよい(「アイコン」側からお願いやルールの展開もあるかも知れない)。
「トピック」は、ファンが「話題」をたて、その内容に関して語り合う機能。それは「アイコン」のどのような部分が好きかといったファン目線の話題でも、「アイコン」にかなえてほしいものなどの「アイコン」に向けてのものでもよい。写真も投稿できるので、使っている機材の相談などもできる。
「スクラッチ」は「アイコン」側が企画する「くじ」で、「アイコン」側が提供するアイテムを狙って引く一番くじのようなもの。
「1on1トーク」は「アイコン」とのLINEのやり取りのようなトークができる機能。
「アルバム」は「アイコン」が投稿した写真や動画をまとめて確認できる機能。Twitterのメディアに近い感じ。
「ショップ」はその名の通り、ファンクラブ向け店舗が開設できる機能。
「チケット」も、ファンミーティングのような外販しない限定チケットはここで扱うことができる。
そして「ライブ配信機能」はインスタライブのように、「アイコン」が配信を行い、それに対してコメントしたり、投げ銭(スーパースタンプ)をしたりもできる機能。かなりインスタライブに近い画面構成だが、参加しているファンのアイコン(これは一般的な意味でのアイコン)が配信画面に敷き詰められていく感じは、SHOWROOMの客席側にファン側が集まっている感じにも似る。
アーティスト側としては、ファンクラブの運営に専門スタッフを置かなくてよいわりに、機能が多く、Twitterほど一般層への拡散力はないが、イベントなどの告知が流れず固定で置けることや、有料会員だけの動画公開などもできるなどクローズならではの利点もある。YouTubeのメンバーシップのような使い方もできつつ、さらにショップなども構えられるので、別途FANBOXなどを運営しなくても済む、とコンパクトにコアファンとの交流をすることができるツール。
「アイコン」がログインした時には、スマホに通知が来るので、運が良ければ「アイコン」とリアルタイムコミュニケーションをとることもできるかも?
自分がこのアプリを識ったのは、YOASOBIのサポートベーシストを務めるやまもとひかるちゃんから。彼女がファンクラブを作るというので、入会してみようかと思ったのだが、その時ファンクラブの運営ツールとして使われたのがこの「Fanicon」。
グルチャはLINE風。自分の発言は右から。写真やスタンプも投稿できる。
使ってみると、ライブ配信のリアタイ時の場所がわかりづらい(YouTubeのようにあらかじめ「枠」が立てておけるのではなく、配信を始めると枠が立つみたいなので、頭から一言も聞き漏らさずに...というのは結構至難の業)のと、「トピック」は一旦立てると立てた本人ですら消す機能がないことは再考の余地があると思うけれど、小ぢんまりしたファンコミュニティにはちょうど良い感じ(ファンが数千人~1万人以上...とかになると、「グルチャ」に「アイコン」が登場してもすぐ流れて行ってしまうだろうし、「トピック」には検索機能や重複チェック機能がないので、いくつも同じ内容の「トピック」が立てられて収拾つかなくなるおそれあり)。
似たような有料会員制SNSに「FOLLOW ME」や「OnlyFans」があるが、前者で報告されているアプリの不安定さや、後者のようにアダルト色が強くなっていることはないので、使いやすいかも。
ひかるちゃんのファンクラブ(やまひかデコ団(^ω^))は300人を超えているけど、ひかるちゃんもほぼ毎日複数回「グルチャ」に登場するので、結構活発。「グルチャ」には毎日投稿する熱心なファンも多いので、今はかなりよく「回っている」感じ。ファンの規模にもよると思うが、アーティストとコアなファンの密な連携をするにはよいツールだと思います。
ライヴ配信へのアプローチの仕方がわかりづらい
アーカイヴになったらわかりやすいが、待ち構えているときが少々難しい。
あとトピック、一度立てるとトピック立てた本人でも削除ができないのが....
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購入金額
0円
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購入日
2022年09月30日
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購入場所
App Store
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