それでは届いたレコードを確認してみましょう。

ジャケットのデザインはCDシングルとは異なっていて。このレコード専用にデザインされているようです。

歌詞やクレジットはこの紙の裏面に印刷されています。CDで聴いていたときには意識していなかったのですが、結構著名ミュージシャンが多く参加していたことに気付きます。

本作は10インチシングルということで、外観は少し小さめのLPという印象です。以前レニー・クラヴィッツの10インチ盤は取り上げたことがありますね。

レコードの盤面が白というのは収録曲のイメージに合わせているのだと思いますが、率直に言って白いレコードは溝が見えにくく、扱いにくさが感じられます。この話は以前取り上げた「Chicago XXXVI "NOW"」のWhite Vinylでも触れていたと思います。

収録曲は各面2曲ずつで、一応全てクリスマスソングとなっています。

Side A

　1. サイレント・イヴ

　2. それぞれのメリー・クリスマス

Side B

　1. Merry Christmas To You

　2. サイレント・イヴ～snow a cappella～

サイレント・イヴについては既に触れていますので、それ以外について少し。

まず「それぞれのメリー・クリスマス」は1993年リリースで、詩がもの悲しい「サイレント・イヴ」と比べるとこちらは明るいクリスマスのイメージで作られている楽曲です。

そして「Merry Christmas To You」は、「サイレント・イヴ」のCDシングルでカップリングとして収録されていた曲ですが、この曲は元々当時のファンハウス（レコード会社）の看板女性歌手4名（辛島美登里、永井真理子、麗美、小林明子）による企画盤としてリリースされた楽曲でした。詩は永井真理子と辛島美登里の共作、作曲は辛島美登里です。企画盤ではこの4人がヴォーカルパートを分け合う形だったのですが、本作に収録されるのはCDシングルのカップリングと同様に辛島美登里のソロ・バージョンです。

この曲はあまり広くは知られていないのですが、知る人ぞ知る名曲という位置付けになっています。

そして最後の「サイレント・イヴ～snow a cappella～」はコーラスグループ「Baby Boo」との共演で、全編アカペラで構成されている「サイレント・イヴ」です。これはちょっと好き嫌いが出るかも知れませんが、それぞれの歌唱力は素晴らしいと思います。

オーディオ的にいえば、率直に言って大したものではありません。しかし、レコードならではのヴォーカルの質感や密度感はしっかりと伝わってきますので、CDよりもヴォーカルに込められた力が直に伝わってくるような説得力を感じます。

偶然見つけて何となく買ったレコードですが、十分に満足出来るものでした。直販サイトで販売終了で、通常のレコード店ではとっくに入手不能となっていることから考えると新品での入手は不可能になってしまったのでしょうけど、このレコードは聴く価値を感じられます。