所持する音楽データに対する私利私欲...イヤ私情私見あふれるコメント、音楽の杜。こういった分野のものは「好み」ですし、優劣を付けるのもそぐわない気がしますので、満足度の☆はあくまで私的な思い入れです。最近のように世界の音楽に即時にアクセスできる状態になる前、そしてダウンロード販売による単曲売りが多くなる前、外国のアーティストに関して、シングルが発売される場合に、本国と異なる形態で発売される場合がありました。本国では、シングルと言うより、ベスト盤としてリリースされたものが、日本ではそのアーティストの2枚目のアルバムからの、3枚目のシングルとしてリリースされたものをご紹介します。
Jamiroquai。イギリス出身のAcid Jazz~Jazz-funk~Electronica系のバンド....というか、ヴォーカリストで大半の曲を創るJay kayことJason Kayを中心とするユニット。特に初期に曲の共作者として名を連ねていたToby Smithが離れた近年は、Jay kayの実現したい音楽を創り上げるために、その都度都度で集まっているメンツという感じ。そういった状態なので、Jay kayの嗜好の変遷に伴って?ジャンル的には捉えどころが無い感じ。
最近はアルバムのリリース間隔も空いてきて、さらにその傾向が増しているが、「初期三部作」と呼ばれる1st~3rdのあたりは、1~2年ピッチでリリースされ、メンツも比較的固定で「バンド感」があった。
本作“Half the Man”は、2ndアルバム“The Return of the Space Cowboy(邦題:スペース・カウボーイの逆襲)”からの、“Space Cowboy”
につづく3rdシングル。
表題曲「Half the Man」は、本国でも3rdシングルとしてリリースされたのだが、実はカップリングが全曲異なる。本国盤では、「Space Clav」というインスト曲と、1stアルバムのタイトルチューンで4thシングルだった「Emergency on Planet Earth」のリミックス、「Half the Man」のアルバムミックスが収められたが、日本盤には逆に?1stアルバムの1st~3rdシングルのリード曲が収められている。
その表題曲「Half The Man」は、けっこうな異色作。元々この曲が収められた2ndアルバムは、1stの猥雑さに比較すると、かなり都会的でCOOLな部分も多い作品だが、根にはファンキィなリズムがうねっている感じな曲が並んでいる。しかし、この曲は、Jay kayのヴォーカルと詞の世界を聴かせる作品で、ほとんど激した部分がなく、淡々と続くパーカッション中心のリズムの上でJay kayが、「半身を失った」と、去った恋しい人を歌う。途中のコード弾き中心のアコースティックギターのソロが切ない。
続く「When You Gonna Learn (Digeridoo)」は彼らのデビューシングルで、1stアルバムのリードソング。この曲は名前の通り、オーストラリアの土着楽器Digeridooのアーシィな響きが印象的だが、曲自体は大胆にストリングスが入っていながら、ステップ踏めるようなダンスチューン。彼らの代表曲の1つでもあり、売れたためか、数多くのリミックスがされた曲だが、ここにはアルバム1曲目のミックスが収められる(というか、この曲はメディアによってはExtendされたタイプしか入っていないのもあるが、アルバムと一番ノーマルなシングルのミックスが同じなので「シングルミックス」とも言える)。
一方、他の2曲はフルサイズのアルバム版ではなく、シングル用の短縮版が収められている。表記はないが、「Edit」もしくは「Radio Edit」と呼ばれるタイプ。
「Too Young To Die」は、彼ららしい、ストリングスとブラスとバンドサウンドが調和したスローファンク。しっかりとグルーヴ感はあるのに、激してなくて、でもベースラインはスラップでないのに躍動感があって...とサイコー。実は自分が最初に聴いたJamiroの曲だったりする。
このシングル、要するに、2ndアルバムからの新曲「Half The Man」に、1stアルバムからのシングルカット曲をそのまま古い方から3曲加えただけ、と言う感じの造り。実は本国ではこのタイプは、“Half The Man (Greatest Hits)”という別商品として、通常の「Space Clav」を含むタイプとともにリリースされた。ま、あの衝撃的な1stアルバムを聴かずして、2ndアルバムの、しかも比較的地味な3rdシングルカット曲から入るファンがどれくらいいるかわからないが、「Jamiroquaiにはこういったヒット曲がありますよ」という感じの、新しいファン向け商品?
ただ、その3曲は、シングルを持っていたらすべて持っているので、初期からフルコンプで来た人には、むしろTobyが当時のベーシストStuart Zenderと創ったリズムコンシャスなセッション曲「Space Clav」が入っていた方がよかった感じ。
通常シングルと、こちらのミニベスト、どちらの形態をリリースしますか、となった国内レーベルチームが、表題曲「Half the Man」がちょっと地味な曲なので?、初期ヒット曲3曲おまけにつけましょう、という判断をしたと言うことなのかもしれないが、コアなファンには少々余計なお世話感。
そういう意味で、この商品単体での「必聴度」は厳しくなってしまうアイテムです。
【収録曲】
1. Half The Man (Edit)
2. When You Gonna Learn (Digeridoo)
3. Too Young To Die
4. Blow Your Mind
「Half The Man」
フルコンプしていれば、どこかにすべての曲が入っている
このディスク単体での必聴度は低い(曲がダメなわけではなく)。
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購入金額
1,500円
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購入日
1995年頃
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購入場所
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