レビューメディア「ジグソー」

オーディオ用電源タップとしての実力を探る

先日新聞の折り込みチラシを見ていて、ふと目にとまった品がありました。ホームセンター大手カインズの近隣店舗のチラシだったのですが、スチールACタップ(3ピン4個口)が各色1,980円というものです。

 

写真付きで掲載されていたのですが、何となくその写真を見たときに「このタップ、オーディオ用に使えるんじゃないか?」と思ってしまった訳です。そこで近所のスーパーに買い出しに行ったついでにカインズの店舗に足を運び、実物を確認してみることにしました。

 

すると、思ったより少し小柄ではありましたが、大きさの割にはずっしりと感じられる重量感があり、見た目と重量から「低域がガンガン出てくるパワー型」という音を想像しました。とはいえ、ケーブル部分などはお世辞にも良い素材ではなく、本格的なオーディオ用タップと肩を並べるのは無理がある事も予想は出来た訳ですが…。

 

それでも約2千円でそこそこの音が出てくるのであれば面白そうと思い、試しに1つ購入する気になりました。

 

電源タップといえば、丁度先日小柳出電気の限定販売で入手したオーディオ用のOCB-1 RX 70周年記念モデルがありますので、これの試聴と同じようにテストしてみることにしました。

 

 

 

 

 

 

丁度先日のテストの後、試聴環境はそのままの形となっていましたので、OCB-1 RX 70周年記念モデルとこのスチールタップを比較試聴してみました。

 

試聴機材は、プリメインアンプがPioneer A-70A、スピーカーがHarbeth HL-Compactとなります。

 

 

 

 

更新: 2022/09/26
総評

オーディオ的な性能では勝ち目は無いが、重量感と力感が魅力

まず最初に断っておきますが、スチールタップの方は買ってそのまま開封して組み込みましたので、エージングは一切済んでいません。少し使われているOCB-1 RX 70周年記念モデルよりはやや不利であることはご了承ください。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

なお、購入した後で少し調べてみたのですが、この製品自体はカインズ専売であるものの、製造メーカーであるファーゴから、ほぼ同等の製品が発売されていることがわかりました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

この製品の型番は裏面のラベルにある通りPT400GR(GRは本体色のグリーンを表しているものと思います)ですが、ファーゴの自社ブランドではPTA400シリーズというほぼ同一の構成の製品が発売されているようです。

 

 

 

 

 

 

 

電源ケーブルは1.8mで、PVC皮膜のいかにも安価な構造です。導体は2.0sqで一応アースも出ていますので、オーディオ用電源ケーブルの比較的安価な製品と物理構造は近いものがありますが、ケーブルの品質は全く違っているはずです。

 

 

それでは早速音を聴いてみましょう。Pioneer A-70Aの電源ケーブルは前回と同様にSUNSHINE SAC-Reference 1.8mを使います。

 

 

 

 

 

 

試聴ソースはこの辺りを使いました。比較試聴の相手は前述の通りOCB-1 RX 70周年記念モデルとなります。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

当然ですが、ヴォーカルの質感やピアノの音色、中~高域など、オーディオ的な性能ではOCB-1 RX 70周年記念モデルが明らかに上回ります。むしろこの点で差が付かなかったらオーディオ用電源タップの存在意義がありませんからね。

 

しかし、低域方向に関してだけは、スチールタップの方が圧倒的に上なのです。沈み込みが深く、力感や重量感が明確に向上します。A-70Aは元々低域方向の力感や厚みがやや不足気味のアンプですが、スチールタップと組み合わせるとかなり好バランスの音になるのです。つまり、実物を目にして直感した「低域がガンガン出てくるパワー型」という印象そのままだった訳です。低域以外の部分もさすがにオーディオ用電源タップには全く及びませんが、家電用のプラスチック製タップよりは質的に向上しますので、2千円程度で少し音が良くなるという意味で、電源タップによる音質変換を体感する入り口としては十分にアリではないかと感じます。

 

 

これでケーブル部分をオーディオ用電源ケーブルに交換したらどうなるかなど、改造のベースとしても面白そうと思いました。ケーブル部分に手を入れるか否かはまだ決めていませんが、それ以外に簡単にできそうなチューニングを行って、どの程度進化するのか検証を続けてみようと思います。

更新: 2022/09/26

水晶充填でより魅力的に

オーディオ用電源タップでありがちな強化法として水晶片を隙間に詰めるというものがあるのですが、このタップにその改造を施してみました。結果は水晶の方のレビューに記載していますので、そちらをご覧下さい。

 

 

 

  • 購入金額

    1,980円

  • 購入日

    2022年09月23日

  • 購入場所

    カインズホーム

20人がこのレビューをCOOLしました!

コメント (6)

  • harmankardonさん

    2022/09/24

    なるほど,電源ケーブル交換前提で考えれば,お買い得ですね.
    会社の帰りにカインズに寄ってみたいと思います.
  • jive9821さん

    2022/09/24

    > harmankardon さん

    元のケーブル部が2.0sq3芯ということで、これを交換するのであれば
    オーディオみじんこで売られているXTC-1 3Cが同じ太さで、導体も
    Dip Formingで面白そうかなと思っています。これ以上高価なケーブル
    を使ってもタップのコストパフォーマンスを活かせないでしょうし…。

    或いは敢えてOCB-1 RX 70周年記念モデルと全く同じOyaide PC-23で
    比べてみるのもアリかもしれません。
  • harmankardonさん

    2022/09/28

    帰りにカインズに寄ってみたのですが,置いていませんでした.普通の電源タップのみで,金属ケースは一つもありませんでした.お店の人も,そこにあるだけとの返事.
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