レビューメディア「ジグソー」

5G通信モジュール内蔵の2in1としては実売価格の安さが光る

先日Intel NUC M15 Laptop Kitをいただいて使い始めたばかりなのですが、ちょっとした理由があり同世代で一回り小さいPCを新たに購入しました。

 

 

 

 

 

 

以前から仕事でノートPCの購入相談を受けたときに、LTEまたは5G通信に対応したノートPCという条件ではほぼ間違いなくお薦めしてきたのが、HP Pavilion X360 14-dyシリーズでした。このシリーズはメインストリームクラスの性能で通信モジュールを内蔵したモバイルPCとしては、他社製品よりも大幅に安いためです。

 

しかし、先日このシリーズの製造が打ち切られてしまいました。一時期直販で11万円前後で販売されていたことがあり、私自身もかなり魅力を感じていたのですが、予算の都合もあって躊躇しているうちに入手不能となってしまった訳です。

 

現在仕事で持ち歩いている通信モジュール内蔵ノートPCは、Haswell+Windows 8.1世代のPanasonic Let'snote CF-NX3であり、さすがにWindows 8.1のサポート期限が来るまでには入れ替えようと思っていました。このPCもSSD化でそれなりに快適に使えていますが、Windows 11には対応できませんし、Windows 10で環境を作り直しでもそれほど長期間使える訳ではありませんからね。

 

 

 

 

 

 

 

 

ところが直販の販売が終了したしばらく後から、一部量販店でアウトレット品としてこのシリーズが販売されていることに気付いたのです。しかもアウトレットというだけに、10万円を割り込む価格となっていました。

 

現時点で後継モデルの情報が無く、この価格帯で5G通信対応かつ水準以上の性能を持つPCが手に入るもの今のうちかと思い、予算的には非常に厳しいものの、それを購入することにしました。

 

当初はメモリー搭載量が16GBとなる上位モデルは9.5万円~10万円弱辺りが相場だったのですが、しばらく見ているうちに9万円を割り込む例が増えてきたため、ここで手を打つことにしたのです。なお、下位の8GBモデルも殆ど同価格で販売されていることが多いようです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

中身は極めてシンプルで、簡易セットアップ手順書とサポート案内等が数枚、そして本体とACアダプターが収められているだけです。なお、直販モデルではMicrosoft Office Home & Businessが選択可能ですが、こちらの店頭モデルには用意されていません。現行モデルだった時期には選択できたのかも知れませんが。まあ、私の場合は最初からMicrosoft Office Professional相当が必要であるためMicrosoft 365 Appsを使う前提です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ACアダプターは海外メーカー製のPCでは広く採用されている通称ミッキープラグのものです。65W出力ですが、USB type C形状では無くDC用プラグで接続されます。スペック上は65W PD対応充電器が使えるはずですが、NUC M15のtype C形状65Wアダプターは充電に利用できませんでした。

更新: 2022/07/23
デザインと外観

見た目はスマートだが意外と重量感がある

14インチモデルということで、一応モバイルノートPCという位置づけであり、見た目は薄型でなかなかスマートに仕上がっています。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

底板側の絞り込みがかなり大きく、接地面積が結構小さいことに特徴があります。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

タッチパッドの面積は大きめで、パームレスト右側に指紋センサーも用意されています。

 

 

 

 

 

 

 

キーボードはバックライト内蔵タイプです。ディスプレイはグレア型であり、上の写真でも判るように映り込みはかなり目立ちます。

 

 

 

 

 

 

 

ディスプレイは特別高画質という訳ではないのですが、視認性は十分です。

 

 

 

 

 

 

 

一応2in1モデルですので、ディスプレイを開ききるとこのようにタブレットスタイルで使うことが可能です。ディスプレイは10点マルチタッチに対応しています。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

向かって右の側面にはACアダプター入力、USB type A × 2、nano SIMスロットが用意されています。左側はHDMI、USB type C、ヘッドセット端子となります。type C端子の横には放熱スリットがありますが、ここからは結構熱が出てきます。

 

 

 

 

 

 

 

個人的にどうもしっくり来ないのがキーボード右側のキー配列です。Print ScreenとDeleteの間に電源ボタンというのがまず理解できませんし、Back SpaceとHome、Endの位置関係もなかなか理解しにくいものとなります。この辺りはキーを見ながらでないと安心してタイピングできません。

更新: 2022/07/23
性能

特別高性能という訳では無いが、現行世代らしい水準は保っている

搭載されているCPUはIntel Core i5-1155G7であり、NUC M15のCore i7-1165G7と同シリーズの下位モデルという位置付け(厳密にはシリーズ最上位モデルCore i7-1195G7と同時リリースの後発モデル)になります。

 

基準クロック周波数は2.5GHzで4コア8スレッド、キャッシュ8MB、最大ブーストクロック4.5GHz、Iris Xe Graphics(80EU)ですが、本機ではPowerLimit(PL1)が20W設定(Core i5-1155G7自体は28Wまで設定できる)となるため、あまり高クロックで回ることは多くなく、性能もやや頭打ち感があります。

 

ある意味今時のPCらしいと思ったのは、通信機能はWi-Fi(IEEE802.11ax対応のIntel AX201)と5G通信(Intel 5G Solutions 5000)のみで、有線ネットワークが利用できないという点です。実はお客さんでは結構未だに有線接続メインというところも少なくは無く、この点に気付いて慌ててUSB-LANアダプターを調達に走ったこともあります。私自身が使う分にはそれほど困る訳ではないのですが・・・。

 

 

まずは主要パーツをデバイスマネージャーで確認しておきましょう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

前述の通りメインメモリーは16GBですが、この類のノートPCとしては珍しくオンボード実装では無くDDR4 SO-DIMMがソケットで装着されています。パフォーマンスを重視するためか8GBモデルは4GBモジュール×2枚、16GBモデルは8GBモジュール×2枚を搭載しています。

 

SSDはINTEL SSDPEXNU512GZHと表記されていますが、これは商品名で言えばSOLIDIGM SSD 670p(SOLIDIGMはIntelのSSD部門が切り離されSK HYNIXに買収されたことで誕生したSSDメーカー)となります。NANDがQLCという不安は若干ありますが、ごく普通のM.2 2280形状ですので場合によっては載せ替えることも可能です。

 

 

基本的にはビジネス用モバイルPCという位置付けで使いますのでベンチマークテストの結果にさほど意味はないのですが、一応PC MARK 10 Expressと3D MARK Fire Strikeの結果だけ取得しておきました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

まあ、3Dゲームを動かすようなPCではありませんのでこんなものでしょう。

更新: 2022/07/23
使い勝手

機能面では十分だが意外と重いことはマイナス

このPCの大きな特徴と言えるのは、私が購入した直接的な動機となっている5G通信対応という点でしょう。

 

 

 

 

 

 

 

有効な物理SIMを装着すると、自動的に通信モジュールのコンフィグレーションが実行されます。これが完了した後でAPN設定すればすぐに常時通信が可能となります。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

今回はIIJ mio タイプDのマルチカットSIMを装着しました。なお、設定画面ではeSIMも選択可能となっているのですが、hpの公称スペックでeSIMに関する記述は無く、実際に使えるのかどうかは設定してみないと判りません。

 

 

 

 

 

 

 

正しく設定できていれば、このように接続が有効となります。なお、今回装着したSIMは5G接続を有効化していますが、自宅付近に5G対応エリアが無いためLTE接続となります。先日都内で仕事をしたときにも試してみたのですが、ドコモ網では5GどころかLTEでの接続すら厳しいというビルであった(LTEでもアンテナピクト1で、時々切断される)ため、5G接続を試すことは出来ませんでした。

 

自宅で試した限りでは、ダウンロード速度は50Mbpsに届かない程度でしたが、これはIIJ mioの方の速度が元々伸びていない(スマートフォンでもそれ以下の速度しか出ない)ためであり、本機の速度に関しては現時点でまだまだ未知数です。

 

 

本体の大きさは13インチクラスのモバイルノートPCよりは一回り大きい程度で、以前使っていたASUS TAICHI 31よりはむしろ少し小さい程度です。2in1のコンバーチブルモデルとしては筐体も薄く仕上がっているのですが、気になるのは約1.59kgの重量です。重量だけならNUC M15より少し軽い程度なのですが、重心が偏っているのか手に持ったときの重量感はNUC M15よりも重く感じられてしまうのです。

 

私の場合は基本的に車移動で、PCも基本的に2台持ち歩きますので多少の重さは気にならないのですが、モバイル用途を想定して購入すると案外この重さにがっかりしてしまうかも知れません。

更新: 2022/07/23
総評

細かい部分の不満は少なくは無いが、内容の割に安価であることは魅力

 

 

 

 

14インチノートPCという、モバイルとデスクノートの中間に位置するジャンルの製品であるだけに、見方によっては中途半端と言えなくも無い出来です。

 

ただ、逆に言えばどのような使い方にもそこそこ高い水準で対応できるという柔軟さが本機の魅力であると言えます。率直に言って通信モジュールが内蔵されていなければ、実売価格が2万円安くても敢えて買うことは無かったモデルだとは思いますが。

 

 

モバイルPCとしては重量感があるということ、キーボードの配列にかなり癖があることで使い手を選ぶ製品ではありますが、私としては愛用してきたCF-NX3の後釜として十分な内容を持つPCと評価しています。

 

ついでに言えば私にとっては初めてのWindows 11 PCとなります。今までWindows 11に対応できるPCは何台か用意していましたが、実際にWindows 11を動かしたPCは無かったのです。本機のように最初から導入されていれば、諦めてそのまま使うことになりますからね。

 

 

 

 

 

 

 

総合的に見れば細かい不満はありつつも、買って良かった、十分に納得できるPCということになります。万人にお勧めとまでは言えませんが、5G通信に魅力を感じられれば素晴らしいコストパフォーマンスとなることは間違いありません。

  • 購入金額

    89,980円

  • 購入日

    2022年07月12日

  • 購入場所

    ビックカメラ

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