所持する音楽データに対する私利私欲...イヤ私情私見あふれるコメント、音楽の杜。こういった分野のものは「好み」ですし、優劣を付けるのもそぐわない気がしますので、満足度の☆はあくまで私的な思い入れです。音楽の流行。音楽には流行り廃りがあり、以前流行った曲調でも、数年後にはメジャーでなくなることもあります。そんな中、ジャンルとしては半世紀、バンドが取り上げた時点から考えても四半世紀前の音でも、「古さ」を感じさせない作品もあります。そんな「アツイ」作品をご紹介します。
THEATRE BROOK。佐藤タイジを中心とするファンクロックバンド。1990年付近から活動しており、すでに結成30周年を越えている。活動量の濃淡が大きいグループであり、最近は活動が低調なのだが、全く別の方向で名前が取り沙汰されてきた。VR界の盛り上がりに伴い注目されている、Beat SaberというVRリズムゲームに彼らの曲が採用されたのだ。それにより、ファンキイで、リズムコンシャスな彼らが見直されてきている。
長寿バンド故、何度かメンバーチェンジを経ているが、プロデビュー前を除くと、大きいのは、ヴォーカル/ギターのタイジとベースの中條卓に、ターンテーブル担当の吉澤昭広がいた時代と、タイジ&中條にキーボードのエマーソン北村とドラムスの沼澤尚が加わった2005年以降の体制との2区分。
エマーソン北村と沼澤尚と言えば、共に名うてのスタジオミュージシャンで、当初はサポートメンバー扱いだったのだが、2005年より正式メンバーとなっている。それだけ彼らの音楽に魅せられたのだろう。
そんな彼らの1998年リリースの5thシングルが“SOUL DIVER”。
体勢としては、北村と沼澤の加入前で、吉澤がメンバーとしていた頃。...と言っても、沼澤は全曲で叩いているし、北村も3曲中2曲で弾いており、ガッチリサポート、の状況だが。
「SOUL DIVER」。オールディーな感じの「ど」ファンクが良い。曲のセールス的な「ウリ」としては、pandeiroの名手Marcos Suzanoが参加しているのだが、むしろまるでCuícaのような音を奏でる吉澤のターンテーブルの方が目立つ感じ?あと、北村のオルガンが気ッ持ちイイ!
「足元」は、北村が参加せず、元メンバーの与西泰博がキーボードを弾く。スパイ映画のBGMのようなスリリングなリフに乗せて熱いプレイ。タイジのぶっ壊れギターソロと粗い音の沼澤のドラムスがファンキィでいい感じ。
ライヴ音源の「悲しみは河の中に(LIVE VERSION)」は、1998年2月、旧赤坂BLITZでのもの。録音的には、ハコ鳴りが大きく、高音域がなく、音に芯もなくて、ライヴ録音と言ってもライン入力を中心とした最近の高音質なものに比べると見るべき(聴くべき?)ものはないが、なんにせよプレイが熱い。オーディエンスノイズも大きく、会場の熱気が伝わってくる。
フォーマットとしては「古い」王道ファンクが、ハイテクニックな演奏と、存在感あるタイジの声で、オリジナリティを持って蘇る。
最近北村が無期限活動休止となってしまったが、旧メンバーである吉澤と与西がライヴを支えている。またこの頃のような濃くて新しいファンクを聴かせて欲しい。
ポラロイド写真を貼ったようなジャケット(写真部分は実際に別紙)
大きな歌詞カードが懐かしい感じ(LPサイズというわけではないのだが)
【収録曲】
1. SOUL DIVER
2. 足元
3. 悲しみは河の中に(LIVE VERSION)
「SOUL DIVER」(冒頭ジングルあり、本編0:38より)
これだけの濃さはなかなか味わえない
ハイテクニシャン沼澤の「粗い」演奏がアツイ。
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購入金額
1,223円
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購入日
2000年頃
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購入場所
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